転職理由ランキング【最新】
ビジネスパーソンが会社を辞めて転職しようと考える理由は、景気動向や社会情勢によって変化するのでしょうか?2020年7月~2021年6月の1年間に転職活動を行った転職希望者のデータを元に、退職するきっかけになった“転職理由”を分析します。
ザックリまとめると
- 転職理由1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で35.0%
- コロナ禍で"人間関係"より"個人的な目標"に関する転職理由が上位に
- 応募者の本音の転職理由を考慮したコミュニケーションを取ることが採用成功のポイント
■転職理由ランキング(総合)【1位~10位】
順位 | 転職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 給与が低い・昇給が見込めない | 35.0% |
2位 | 昇進・キャリアアップが望めない | 29.4% |
3位 | 会社の評価方法に不満があった | 26.8% |
4位 | 社内の雰囲気が悪い | 26.7% |
5位 | 肉体的または、精神的につらい | 24.3% |
6位 | スキルアップしたい | 24.0% |
7位 | 業界・会社の先行きが不安 | 23.9% |
8位 | 社員を育てる環境がない | 23.7% |
9位 | 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) | 23.5% |
10位 | 尊敬できる人がいない | 23.2% |
※複数回答可
2020年7月~2021年6月の1年間に転職した方に対し、35の転職理由の中から該当するものを複数選ぶアンケートを実施したところ、「給与が低い・昇給が見込めない」が35.0%で1位となりました。また、転職のきっかけとなった一番の理由を1つだけ選んでもらった結果も「給与が低い・昇給が見込めない」が11.1%で最多(1位)となり、給与に対する不満が最大の転職理由になっていることが分かります。
ランキングの上位10位までを見ると、2位「昇進・キャリアアップが望めない」(29.4%)、3位「会社の評価方法に不満があった」(26.8%)と、評価や昇進に関する不満が3位までを占めました。一方、人間関係の理由は評価や昇進に関する理由に比べてやや下位の4位「社内の雰囲気が悪い」(26.7%)、10位「尊敬できる人がいない」(23.2%)の2つがランクインしました。
前年調査では、コロナ以前(2020年1月~3月)の一番の理由は「社内の雰囲気が悪い」が1位、コロナ以降(2020年4月~6月)の一番の理由は「給与が低い・昇給が見込めない」が1位でした。今回もコロナ以降と同じ「給与が低い・昇給が見込めない」が1位という結果から、コロナ下の転職では外部環境に対する不満よりも個人的な目標が優先される傾向が明らかになりました。
■転職理由ランキング(総合)【11位~35位】
順位 | 転職理由 | 割合 |
---|---|---|
11位 | 離職率が高い | 21.5% |
12位 | 意見が言いにくい/通らない | 18.7% |
12位 | 人間関係が悪い/うまくいかない | 18.7% |
14位 | 個人の成果で評価されない | 18.2% |
15位 | ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど) | 15.0% |
16位 | 働き方に柔軟性がない(派遣常駐型、リモートワーク不可など) | 14.8% |
17位 | ほかにやりたい仕事がある | 14.4% |
18位 | 不規則な勤務をやめたい/土日祝休にしたい | 12.0% |
19位 | 年功序列 | 11.7% |
20位 | 働く場所を変えたい(勤務先が遠すぎる・近すぎる/U・Iターンしたい) | 11.6% |
21位 | 企業がコンプライアンス違反をしている | 10.3% |
21位 | スピード感が自身に合っていない(遅い・速い) | 10.3% |
23位 | 家庭環境の変化(育児・介護等) | 9.1% |
24位 | 雇用形態を変えたい | 9.0% |
25位 | ルーチンワークが多い | 8.3% |
26位 | 売り上げ目標やノルマが厳しい | 8.2% |
27位 | 倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了) | 8.1% |
27位 | 裁量権がない | 8.1% |
29位 | 社内異動で希望しない部署になった | 7.6% |
30位 | 顧客のためになる仕事がしたい | 7.5% |
31位 | けがや病気(家族・自身含む) | 6.6% |
32位 | チームで仕事がしたい | 5.5% |
33位 | 人と関わる仕事をしたい | 5.2% |
34位 | 子育てしながら働きにくい環境 | 4.3% |
35位 | 転勤が多い/転勤したくない | 3.8% |
■コロナ禍における本音の転職理由。人事・採用担当者として注意すべきことは?
コロナ禍での今回の転職理由ランキング調査では、評価や昇進に関する理由がランキング3位までを独占する結果となりました。
コロナによるパンデミックは私たちの生活様式や働き方に大きな影響を与え、感染対策の一環として対面での接触を避けるためにテレワーク導入や会議のオンライン化を推進する企業も増えました。ランキング10位まででは、人間関係に関する理由に比べ、個人的な目標に関する理由が上位にランクインしたのも、このような社会情勢が少なからず影響しているのかもしれません。
転職市場はコロナ禍で採用を控える企業が一部見られたものの、ワクチンの接種率向上や将来的な人手不足を見越して求人数自体は回復傾向にあるため、即戦力となる人材については今後も採用難易度が高い傾向が続くでしょう。
本音の転職理由を把握しておくことは、自社のアピールポイントを整理し、採用ターゲットに適切な情報を届けるためのヒントになります。
特に、今回ランキング上位となった「給与」や「評価方法」については、選考の場で応募者から言い出すのは難しい話題です。面接官や人事から「給与」や「評価方法」の話題について触れることで応募者の本音を引き出し、競合より優位なオファーを出したり、懸念点を払拭したりすることが入社の意向を高める有効な手段の一つとなります。
採用成功確率を上げるためにも、採用ターゲットの転職理由を考慮したコミュニケーションを取ることが重要です。
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