
当社は地元・徳島を地盤とする建設コンサルタント会社です。国や県、市などの発注者から依頼を受け、技術資料作成、積算、工事監督支援などを通じて公共事業を円滑に進めるための支援を行っています。「実際に道路や河川などの工事を進めるのは建設会社の方々。発注者の立場で、現場での工事が工期通りに行われているかを技術面・コスト面で確認していくことも当社の重要なミッションです。」
事業は地元を中心に展開しているものの、建設業界は全国的に担い手不足が深刻であり、県外からのご依頼も増え続けています。当社としては発注者支援業務を担う技術者さえいれば事業を拡大できる状況なので、新卒採用のみならず、中途採用にも力を入れているところです。2025年度の中途採用は、これまでに43名が入社決定をし、過去最大規模の採用となりました。
採用強化を進める中で直面したのは、「経験者を採用したくても、そもそも市場に人がいない」という現実でした。人材要件としては土木施工管理技士(1級・2級)や技術士・技術士補の有資格者を歓迎していますが、採用市場全体で見ても数が少なく、採用競合との獲得競争が過熱しています。
また、該当する資格を持っていても、業界内でも「行政機関などの発注者を支援する」という独自性の高い業務にフィットする人材は、なかなか見つからないのです。
「建設会社で工事の経験を積んでいる人でも、行政や建設会社とのやり取りを通じて工事を円滑に進められるとは限りません。双方をつなげ、工期内に高品質の仕事を完結させるこの仕事には、高いコミュニケーション能力が求められます。資格や経験だけでは判断できないところも、当社の採用活動の難しさであると実感しています。」
以前はハローワークだけで採用活動を行っていましたが、2016年頃から少子高齢化や人材の空洞化により建設業界の担い手不足が加速し、母集団形成に徐々に苦戦するようになりました。そこで現在では、「doda」をはじめとする人材紹介サービスを活用しています。

「doda」の導入のきっかけは、ハローワークだけでは充足できなくなった母集団形成の課題のテコ入れのため若手・未経験層へターゲットを広げていきたいと考えていた時に、タイミングよくご案内をいただいたことでした。
それまでの当社では、エージェントに紹介料をお支払いして採用することについては慎重な姿勢でしたが、「doda」経由で入社した人が活躍してくれるようになり、人材紹介サービスの活用を積極的に考えていくようになったのです。以降、「doda」経由ではこれまでに9名を採用しています。
「doda」担当者へは、まず求人票のつくり方をいろいろと相談させてもらいました。異業種出身の未経験者へ、どんなメッセージを打ち出していくべきか。事業そのものが底堅いこと、未経験者向けの研修が手厚く用意されていることなどを伝え、元保育士、元製造業、元銀行員など、これまで建設業界とはまったく関わりのなかった人たちが応募してくれるようになりました。
ただ、現場部門では、人手不足の状況で未経験者を受け入れることに抵抗があったのも事実です。そこで面接の段階から現場の各チームのリーダーにも入ってもらい、採用市場の現状を理解してもらいながら、育成の重要性に目を向けてもらうようにしました。
さらに母集団形成を強化していくため、「doda」から提案していただいたのが「オープンポジション求人」の開設です。職種を固定せず、転職希望者の適性に応じて配属を決める「オープンポジション求人」を導入したことで、これまで接点を持てなかった層からの応募も増え、採用の入口を広げることができました。
当社には技術系や事務系など、さまざまなキャリアの可能性があります。一方、未経験の若手向けの訴求では、「土木」「施工管理」などの文字が求人票にあるだけで敬遠されることも多いと聞いていました。若手人材はキャリアプランがまだ固まっていないことも多く、将来への迷いを抱えている人にとって、オープンポジションでさまざまな職種を知れることがメリットになると考えたのです。
オープンポジション採用で特に重要となるのは面接です。転職希望者の意向を理解せず、一方的に技術職を勧めても、入社意向を醸成するのは難しいでしょう。面接では、役員自らが転職希望者と向き合い、職種を決める場ではなく「キャリアを一緒に考える時間」として対話を重視しました。その結果、転職希望者の入社意向を高めることにつながっています。当初は事務系職種に魅力を感じていた人が、面接を通じて技術系の仕事に興味を持ってくれることも珍しくありません。

面接においては、一人ひとりの転職希望者が、当社で活躍している既存社員の誰に近いかを見ています。転職希望者にとってのロールモデルとなる先輩社員がいることを伝え、そのキャリアの歩みなどを知ってもらうことで、新たな目標設定につながるからです。
例えば元美容師の社員は、サービス業の経験から顧客とのコミュニケーションに長け、さまざまな現場で力を発揮しています。異業種出身者が活躍している実例を伝えることで、転職希望者が「自分にもできるかもしれない」と思ってくれるように努めています。
未経験層の定着・活躍に向けては、ゼロからプロを育てる「ゼロ育」を方針とし研修も重視しています。以前は現場へ出るためのスキルや技術をいきなり教えていましたが、現在はまず創業の精神や経営理念など、会社が大切にしている考え方を伝え、「技術者の前にフジみらいの社員をつくる」ことを重視しています。
オープンポジション求人を導入してからは、「doda」経由で紹介していただく転職希望者数が急増しました。キャリアアドバイザーからは「キャリアに悩む20代の人にとって、新たな可能性や選択肢のきっかけとなる枠」だと言われることもあるようです。オープンポジションでの募集は、エージェント側の紹介のしやすさにつながっているのではないでしょうか。
成果もすでに現れており、オープンポジション求人を立ち上げてから18件の応募を獲得。2名がオープンポジション経由で入社してくれました。
こうした実績を踏まえ、「doda」の人材紹介サービスには若手層に強い印象を持っています。当社をよく理解し、当社の社風に合う人を紹介してくださること、そしてオープンポジション求人のように新たな手法を提案し続けてくださることに感謝しています。今後も事業拡大のパートナーとして、当社に寄り添っていただけるとうれしいですね。
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります
