業種別・職種別に読み解く転職市場動向
パーソルキャリア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:瀬野尾 裕)が運営する転職サービス「doda(デューダ)」<https://doda.jp/>は、業種別・職種別の転職求人倍率を算出し、「doda転職求人倍率レポート」として発表しています。このデータは、業種ごと、職種ごとの転職市場での需給トレンドなどを表すものです。四半期に一度発行しており、今回は2025年7月~9月の転職求人倍率をまとめています。
doda転職求人倍率レポート(全国)
求人数の伸びは一服感があるものの、
企業の採用意欲は高い水準が続く見通し

doda編集長の解説
2025年7月~9月の転職マーケット
2025年7月~9月の転職求人倍率は、7月2.42倍、8月2.42倍、9月2.43倍となりました。
9月の求人数は前月比で増加し、引き続き高い水準で推移しました。業種別で求人数が最も増えたのは「商社」で、その中でも建設系の専門商社の動きが目立ちました。建設業では労働力不足や業務の効率化、就業環境の改善など、DX推進を課題解決策として重要視しています。それに伴い建設系の専門商社でも、DX関連サービスの企画・開発が進んでおり、採用を強化しています。転職希望者数は、夏季休暇明けの9月ごろから年内の転職を見据え活動を開始する人が増えるため、例年どおり増加しました。
前四半期(2025年4~6月)比では、業種別で最も求人数が増えたのは「エネルギー」で107.8%でした。「エネルギー」では特に、カーボンニュートラルに関連する事業の強化に伴い採用が活発化しています。研究所での実証実験やプロジェクト推進に関連するポジションでも需要が高まっています。転職希望者数は、7~9月にかけて増加傾向にありました。物価上昇による生活や将来への不安から、年収アップを目指す転職希望者が増えていることが要因として考えられます。
2025年10月以降の見通し
求人数の伸びは一服感があるものの、事業成長や欠員補充、来期の体制を見据えた増員などにより、企業の採用意欲は高い水準が続くでしょう。転職希望者数は昨今の物価高の影響に加え、例年11月までは翌年1月入社に向けた活動が続くため、増加すると考えられます。例年の傾向を踏まえると、転職求人倍率は求人数が転職希望者数の増加幅を上回ることから、上昇を見込んでいます。
業種別の転職市場動向(全国)
2025年9月の転職求人倍率は、前月差では12業種(「その他」は除外)のうち9業種で上昇し、前年同月差では12業種(「その他」は除外)のうち12業種すべてで下降となりました。求人数は、12業種(「その他」は除外)のうち11業種で前月から増加しました。最も増加率が大きかったのは「商社」(前月比103.3%)、次いで「メディア」(前月比103.2%)でした。
| 業種 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | |
| 全体 | 2.42 | ▲ 0.32 | 2.42 | ▲ 0.41 | 2.43 | ▲ 0.43 | 
| IT・通信 | 6.27 | ▲ 0.88 | 6.40 | ▲ 1.05 | 6.54 | ▲ 1.09 | 
| メディア | 3.32 | ▲ 0.40 | 3.36 | ▲ 0.44 | 3.52 | ▲ 0.55 | 
| 金融 | 2.64 | 0.06 | 2.62 | ▲ 0.18 | 2.59 | ▲ 0.22 | 
| メディカル | 0.98 | ▲ 0.17 | 0.96 | ▲ 0.20 | 0.97 | ▲ 0.18 | 
| メーカー | 2.89 | ▲ 0.31 | 2.93 | ▲ 0.45 | 2.94 | ▲ 0.46 | 
| 商社 | 1.56 | ▲ 0.13 | 1.56 | ▲ 0.19 | 1.58 | ▲ 0.22 | 
| 小売・流通 | 0.68 | 0.00 | 0.67 | ▲ 0.02 | 0.68 | ▲ 0.02 | 
| レジャー・外食 | 0.77 | ▲ 0.04 | 0.76 | ▲ 0.06 | 0.76 | ▲ 0.10 | 
| エネルギー | 2.65 | 0.03 | 2.64 | ▲ 0.04 | 2.68 | ▲ 0.08 | 
| 建設・不動産 | 4.90 | ▲ 1.04 | 4.87 | ▲ 1.15 | 4.80 | ▲ 1.24 | 
| コンサルティング | 7.92 | ▲ 0.54 | 7.79 | ▲ 1.09 | 8.14 | ▲ 1.61 | 
| 人材サービス | 7.66 | ▲ 0.40 | 7.90 | ▲ 0.59 | 8.32 | ▲ 0.33 | 
| その他 | 0.25 | ▲ 0.04 | 0.24 | ▲ 0.06 | 0.24 | ▲ 0.07 | 
職種別の転職市場動向(全国)
2025年9月の転職求人倍率は、前月差で11職種(「その他」は除外)のうち6職種が上昇、前年同月差では11職種(「その他」は除外)のうち11職種すべてで下降となりました。求人数は、11職種(「その他」は除外)のうち10職種で前月から増加しました。最も増加率が大きかったのは「事務・アシスタント」(前月比103.8%)、次いで「専門職(化学・食品)」(前月比103.3%)でした。
| 職種 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | |
| 全体 | 2.42 | ▲ 0.32 | 2.42 | ▲ 0.41 | 2.43 | ▲ 0.43 | 
| 営業 | 2.69 | ▲ 0.32 | 2.71 | ▲ 0.38 | 2.79 | ▲ 0.38 | 
| 企画・管理 | 3.21 | ▲ 0.26 | 3.14 | ▲ 0.50 | 3.17 | ▲ 0.65 | 
| エンジニア(IT・通信) | 10.56 | ▲ 1.37 | 10.63 | ▲ 1.78 | 11.03 | ▲ 1.77 | 
| エンジニア(機械・電気) | 5.37 | ▲ 0.79 | 5.38 | ▲ 1.16 | 5.35 | ▲ 1.17 | 
| 専門職(メディカル) | 0.65 | ▲ 0.15 | 0.64 | ▲ 0.18 | 0.63 | ▲ 0.18 | 
| 専門職(化学・食品) | 1.46 | ▲ 0.37 | 1.51 | ▲ 0.41 | 1.54 | ▲ 0.41 | 
| 専門職(建設・不動産) | 5.40 | ▲ 0.81 | 5.45 | ▲ 0.70 | 5.29 | ▲ 0.92 | 
| 専門職(コンサル・金融) | 5.86 | ▲ 0.67 | 6.00 | ▲ 0.82 | 5.86 | ▲ 1.22 | 
| クリエイター | 1.06 | ▲ 0.24 | 1.04 | ▲ 0.25 | 1.11 | ▲ 0.19 | 
| 販売・サービス | 0.71 | ▲ 0.00 | 0.70 | ▲ 0.04 | 0.70 | ▲ 0.04 | 
| 事務・アシスタント | 0.42 | ▲ 0.04 | 0.43 | ▲ 0.06 | 0.44 | ▲ 0.09 | 
| その他 | 0.05 | 0.00 | 0.05 | 0.00 | 0.05 | 0.00 | 
doda転職求人倍率の定義
				「doda転職求人倍率」は、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値です(小数第三位を四捨五入)。
				doda転職求人倍率=求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数
				※求人数と転職希望者数はdoda独自の定義により算出したものです。
				※転職希望者の「業種」「職種」は、希望する業種・職種ではなく、直近の仕事の業種・職種です。
doda転職求人倍率レポート(関西)
「厳選採用」のニーズが増加、採用難易度は更に高まる予測

doda関西オフィス ゼネラルマネジャーの解説
2025年7月~9月の転職求人倍率は、7月が2.11倍、8月が2.10倍、9月が2.10倍となりました。
求人倍率は前年同月(2024年7月~9月)よりも少し落ち着きを見せておりますが、依然として売り手市場であることが分かります。業種別では、「小売・流通」「エネルギー」「コンサルティング」で転職求人倍率が前年同月(2024年7月~9月)と比べて上昇しています。特に、DX・業務改革支援のニーズが高く、コンサルティング業界の採用意欲は高まっています。職種別では「ITエンジニア職」は10倍超の高倍率を維持しており、関西でも技術人材の争奪戦が続いている状況です。
転職希望者数は、前年同月(2024年7月~9月)と比較し、113%程度となりました。特に、来年度の4月入社を見据えた登録者が増加しており、「現時点で転職意欲は高くないものの、ピンポイントで魅力的な求人があれば早期に転職活動を始める」というケースが増えています。また、第二新卒を中心とした若手層の登録が、前年同月比(2024年7月~9月)で115%程度と伸長していることから、新卒採用に苦戦した企業を中心に、若手・第二新卒層の採用を強化する傾向も見られています。
ミドル・シニア層(社会人18年以上)の採用も増加しています。2025年度上半期、小売業界におけるミドル・シニア採用は、前年同月比(2024年7月~9月)から約3倍に増えています。また建設業界を中心に、有資格者は60歳以上の採用も生まれています。
10月以降の市場の動きとして、国際情勢や経済情勢など踏まえ、24年度と比較すると採用活動にやや慎重な姿勢が伺えますが、「活躍人材の採用を強化したい」という企業も多く、引き続き堅調な新規求人の発生が想定されます。採用難易度はさらに高まるものと予測されるため、採用手法や選考フローをアップデートしていく必要性があります。
具体的には、以下の項目が見直しのポイントとなります。
◆採用手法の見直し
				原材料費や人件費の高騰などにより、財務状況を厳しく見直す動きが加速しています。事業や組織の課題に基づいて、全体の採用予算から人材紹介、ダイレクト・ソーシング、RPO、アルムナイ、リファラルなど、最適な採用手法を戦略的に取り入れていく必要があります。また、採用ブランディングを行い、企業が「選ばれる存在」になるための動きも重要です。
◆転職マーケットを加味した人材要件定義
				即戦力の採用はさらに難しくなると予想されます。ミドル・シニア層でもキャリアチェンジややりがいを求める傾向が強まっているため、これまでの採用要件に囚われず、本当に必要な人材や志向性を再定義・明確にすることが重要です。
◆選考スピードの向上と面接力強化
				転職希望者は、複数社同時に選考を進めていることが多く、選ばれるためにはスピーディーな選考が不可欠です。そのためには、AI活用を行い、効率的な選考フローの見直しを行うこと、また応募者の入社意向を高めるためには、現場や決裁者向けに面接力を向上させる対策を取ることが大切です。
業種別の転職市場動向(関西エリア)
2025年9月の転職求人倍率は、前月差では12業種(「その他」は除外)のうち5業種で上昇し、前年同月差では3業種(「その他」は除外)が上昇しました。求人数は、前月比で12業種(「その他」は除外)のうち9業種が、前年同月比では4業種(「その他」は除外)で増加するという結果となりました。前年同月比で求人数の増加率が最も大きかったのは「コンサルティング」(前年同月比159.9%)という結果でした。
| 業種 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | |
| 全体 | 2.11 | ▲ 0.28 | 2.10 | ▲ 0.36 | 2.10 | ▲ 0.33 | 
| IT・通信 | 6.20 | ▲ 0.98 | 6.24 | ▲ 1.07 | 5.99 | ▲ 0.89 | 
| メディア | 2.25 | ▲ 0.35 | 2.15 | ▲ 0.37 | 2.25 | ▲ 0.44 | 
| 金融 | 2.25 | 0.03 | 2.12 | ▲ 0.02 | 2.10 | ▲ 0.12 | 
| メディカル | 1.05 | ▲ 0.12 | 1.03 | ▲ 0.14 | 1.00 | ▲ 0.20 | 
| メーカー | 2.52 | ▲ 0.30 | 2.56 | ▲ 0.39 | 2.65 | ▲ 0.35 | 
| 商社 | 1.13 | ▲ 0.18 | 1.14 | ▲ 0.20 | 1.13 | ▲ 0.23 | 
| 小売・流通 | 0.58 | 0.07 | 0.56 | 0.04 | 0.57 | 0.01 | 
| レジャー・外食 | 0.79 | ▲ 0.07 | 0.75 | ▲ 0.15 | 0.75 | ▲ 0.20 | 
| エネルギー | 3.45 | 0.71 | 2.95 | 0.16 | 2.82 | 0.28 | 
| 建設・不動産 | 4.41 | ▲ 0.62 | 4.57 | ▲ 0.42 | 4.52 | ▲ 0.53 | 
| コンサルティング | 8.25 | 2.76 | 7.71 | 1.46 | 8.75 | 2.64 | 
| 人材サービス | 6.60 | ▲ 1.45 | 6.90 | ▲ 2.12 | 7.33 | ▲ 1.84 | 
| その他 | 0.19 | ▲ 0.14 | 0.19 | ▲ 0.14 | 0.19 | ▲ 0.12 | 
職種別の転職市場動向(関西エリア)
2025年9月の転職求人倍率は、前月差で11職種(「その他」は除外)のうち7職種が上昇、前年同月差では11職種(「その他」は除外)のうち「事務・アシスタント」(前年同月差+0.02pt)以外の10職種で下降となりました。求人数は、前月比で11職種(「その他」は除外)のうち7職種が、前年同月比では11職種(「その他」は除外)のうち4職種で増加となりました。一方で、転職希望者数は、前月比で11職種(「その他」は除外)のうち6職種で増加、前年同月比では11職種(「その他」は除外)のうち11職種全てで増加しています。
| 職種 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | |
| 全体 | 2.11 | ▲ 0.28 | 2.10 | ▲ 0.36 | 2.10 | ▲ 0.33 | 
| 営業 | 2.31 | ▲ 0.31 | 2.34 | ▲ 0.26 | 2.37 | ▲ 0.17 | 
| 企画・管理 | 2.02 | ▲ 0.21 | 1.97 | ▲ 0.34 | 2.00 | ▲ 0.40 | 
| エンジニア(IT・通信) | 11.01 | ▲ 0.98 | 10.90 | ▲ 1.48 | 10.89 | ▲ 1.16 | 
| エンジニア(機械・電気) | 5.00 | ▲ 0.45 | 5.14 | ▲ 0.78 | 5.14 | ▲ 0.80 | 
| 専門職(メディカル) | 0.75 | ▲ 0.21 | 0.77 | ▲ 0.21 | 0.74 | ▲ 0.23 | 
| 専門職(化学・食品) | 1.21 | ▲ 1.06 | 1.38 | ▲ 0.98 | 1.40 | ▲ 1.04 | 
| 専門職(建設・不動産) | 5.19 | ▲ 0.52 | 5.29 | ▲ 0.28 | 5.12 | ▲ 0.69 | 
| 専門職(コンサル・金融) | 4.62 | ▲ 1.46 | 4.57 | ▲ 2.60 | 4.64 | ▲ 1.50 | 
| クリエイター | 0.79 | ▲ 0.23 | 0.80 | ▲ 0.22 | 0.82 | ▲ 0.21 | 
| 販売・サービス | 0.62 | ▲ 0.07 | 0.59 | ▲ 0.14 | 0.61 | ▲ 0.11 | 
| 事務・アシスタント | 0.31 | 0.01 | 0.31 | 0.02 | 0.32 | 0.02 | 
| その他 | 0.03 | ▲ 0.01 | 0.03 | ▲ 0.02 | 0.03 | ▲ 0.01 | 
※「転職求人倍率」は小数第三位を四捨五入。また、「転職求人倍率」の除数となる転職希望者数の業種(職種)については、希望業種(職種)ではなく直近の経験業種(職種)に準じている。
				想定勤務地に関西エリア(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)が含まれる求人、および希望勤務地に関西エリアが含まれる転職希望者が集計対象。
doda転職求人倍率レポート(中部)
「第二新卒採用」や「若手層採用」の動きが加速

doda中部オフィス ゼネラルマネジャーの解説
2025年7月~9月の中部エリアの転職求人倍率は、7月が2.41倍、8月が2.39倍、9月が2.40倍でした。
どの業種も軒並み前年同月比を割っていますが、インフラ業界やレジャー業界の求人倍率は上昇傾向です。インバウンドの影響やリニア開通におけるインフラ整備などが、求人倍率上昇の影響だと考えられます。今期はトランプ関税の影響もあり、多くの企業は事業の見通しが立てづらい厳しい状態に陥っており、採用に関しても、是正勧告を設けて、市況の展開を待っている状態です。
中部エリアの採用トレンドを見てみると、「社会人経験年数3年未満(若手層)」の採用が、前年同月比(24年7月~9月)で180%程度となりました。恒常的な人材不足や新卒採用の苦戦などから、採用充足に至らない企業が過去来の採用の考え方やあり方を見直し、「第二新卒採用」の動きを加速させていることが、この層の採用増加の背景と考えられます。
転職希望者数は、前年同月比(24年7月~9月)で約111%と増加傾向です。直近の傾向としては、漠然と将来に不安を感じられて登録される方が増えており、人材紹介サービスに対して、求人紹介だけでなく、「やりたいこと・将来のキャリアを一緒に言語化するサポート」が求められています。特に、2025年新卒の登録が増加しており、主にキャリアチェンジを希望している方が多いです。
また40~50代のミドル・シニア層のサポートが増加しております。企画・管理系のポジションにおいて、年齢や転職回数ではなく、専門性・スキルを重視して合否判断をする企業が増加していることが、ミドル・シニア層サポート増加に寄与していると考えられます。
10月以降の求人倍率は、横ばいや下火の状態が続くと想定できます。一方で、企業の採用状況の実態も踏まえ、「社会人1-2年目」「ミドル・シニア層」「外国籍」などの採用意欲は高まっていく見通しです。単なる人手不足ではなく「活躍人材が社内に不足しているため採用をしたい」という企業も多く、引き続き堅調な新規求人の発生が想定されます。
米中経済の先行きや海外の政情不安、資源原材料の価格変動など企業経営に直結することは間違いない状態です。今後の世の中の動向次第で、採用量の増加をするか否かは経営判断における選択になるでしょう。
以下の項目が採用成功へのポイントとなります。
◆的確な採用課題と採用要件の特定
				採用の市況感、情勢も刻一刻と変わっている今の世の中で、「即戦力となる人材」のニーズが非常に高まっています。「自社にとって即戦力となる人材はどんな人材なのか」「なぜその人材を採用しなければいけないのか」などを言語化および把握することが、採用成功へのポイントです。
◆選考スピードの早期化
				採用成功に至っている事例の約70%は、企業の書類選考日数が「3日以内」に抑えているようです。選考スピードと採用成功の相関性から、多くの企業で選考早期化に取り組み始めています。そのため、選考スピードが遅い企業は、転職希望者から選ばれにくくなってしまいます。書類選考や面接日程調整、合否判断など、選考の中で早められるフェーズを見つけ、早期化を意識することが、採用成功のためには重要となります。
業種別の転職市場動向(中部エリア)
2025年9月の転職求人倍率は、前月差で12業種(「その他」は除外)のうち7種が上昇、前年同月差では12業種(「その他」は除外)のうち1業種のみ上昇という結果となりました。求人数は前月比で12業種(「その他」は除外)のうち9業種が上昇、前年同月比では5業種で増加しています。前年同月比で求人数の増加率が最も大きかったのは「エネルギー」(前年同月比115.5%)という結果でした。
| 業種 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | |
| 全体 | 2.41 | ▲ 0.48 | 2.39 | ▲ 0.58 | 2.40 | ▲ 0.57 | 
| IT・通信 | 6.12 | ▲ 0.76 | 5.88 | ▲ 1.28 | 5.96 | ▲ 1.56 | 
| メディア | 2.11 | ▲ 0.31 | 1.95 | ▲ 0.54 | 1.98 | ▲ 0.57 | 
| 金融 | 1.94 | ▲ 0.00 | 1.93 | ▲ 0.12 | 1.98 | ▲ 0.19 | 
| メディカル | 1.04 | ▲ 0.09 | 1.03 | ▲ 0.11 | 1.00 | ▲ 0.12 | 
| メーカー | 2.76 | ▲ 0.22 | 2.77 | ▲ 0.45 | 2.79 | ▲ 0.34 | 
| 商社 | 1.48 | ▲ 0.11 | 1.43 | ▲ 0.11 | 1.46 | ▲ 0.10 | 
| 小売・流通 | 1.18 | ▲ 0.20 | 1.17 | ▲ 0.19 | 1.14 | ▲ 0.22 | 
| レジャー・外食 | 1.02 | 0.06 | 1.00 | 0.00 | 0.99 | ▲ 0.08 | 
| エネルギー | 2.04 | ▲ 0.02 | 2.25 | 0.03 | 2.45 | 0.36 | 
| 建設・不動産 | 4.84 | ▲ 0.39 | 4.68 | ▲ 0.58 | 4.61 | ▲ 0.84 | 
| コンサルティング | 3.26 | ▲ 1.72 | 2.99 | ▲ 2.72 | 3.14 | ▲ 2.88 | 
| 人材サービス | 10.96 | ▲ 5.62 | 11.88 | ▲ 4.80 | 11.72 | ▲ 5.91 | 
| その他 | 0.24 | ▲ 0.06 | 0.23 | ▲ 0.09 | 0.22 | ▲ 0.08 | 
職種別の転職市場動向(中部エリア)
2025年9月の転職求人倍率は、前月差で11職種(「その他」は除外)のうち4職種が上昇、前年同月差では3職種(「その他」は除外)が上昇となりました。また求人数は、前月比で11職種(「その他」は除外)のうち9職種が、前年同月比では11職種(「その他」は除外)のうち5職種で増加となりました。一方で、転職希望者数は、前月比で11職種(「その他」は除外)のうち7職種で増加、前年同月比では11職種(「その他」は除外)のうち10職種で増加しています。
| 職種 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | 求人倍率 | 前年同月差 | |
| 全体 | 2.41 | ▲ 0.48 | 2.39 | ▲ 0.58 | 2.40 | ▲ 0.57 | 
| 営業 | 2.58 | ▲ 0.23 | 2.64 | ▲ 0.20 | 2.77 | ▲ 0.05 | 
| 企画・管理 | 2.62 | 0.03 | 2.41 | ▲ 0.36 | 2.39 | ▲ 0.54 | 
| エンジニア(IT・通信) | 9.82 | ▲ 1.74 | 9.12 | ▲ 3.03 | 9.38 | ▲ 3.79 | 
| エンジニア(機械・電気) | 4.91 | ▲ 1.87 | 4.94 | ▲ 2.18 | 4.91 | ▲ 2.22 | 
| 専門職(メディカル) | 0.62 | ▲ 0.04 | 0.72 | 0.05 | 0.69 | 0.04 | 
| 専門職(化学・食品) | 1.54 | ▲ 0.90 | 1.83 | ▲ 0.69 | 1.88 | ▲ 0.65 | 
| 専門職(建設・不動産) | 4.41 | ▲ 0.81 | 4.29 | ▲ 0.58 | 4.19 | ▲ 0.60 | 
| 専門職(コンサル・金融) | 3.58 | ▲ 1.26 | 3.28 | ▲ 2.39 | 3.28 | ▲ 2.03 | 
| クリエイター | 0.70 | 0.06 | 0.74 | 0.08 | 0.70 | 0.01 | 
| 販売・サービス | 1.10 | ▲ 0.02 | 1.06 | ▲ 0.11 | 1.04 | ▲ 0.07 | 
| 事務・アシスタント | 0.28 | 0.05 | 0.31 | 0.06 | 0.33 | 0.05 | 
| その他 | 0.02 | 0.00 | 0.02 | ▲ 0.01 | 0.02 | ▲ 0.01 | 
※「転職求人倍率」は小数第三位を四捨五入。また、「転職求人倍率」の除数となる転職希望者数の業種(職種)については、希望業種(職種)ではなく直近の経験業種(職種)に準じている。
				想定勤務地に中部エリア(愛知県、三重県、岐阜県、静岡県)が含まれる求人、および希望勤務地に中部エリアが含まれる転職希望者が集計対象。
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