採用担当者の声

当社は創業100年を超え、チェーン事業、モーションコントロール事業、モビリティ事業、マテハン事業を展開し、さらに新規事業にも積極的に挑戦しています。
もともと事業はチェーンから始まっていますが、最近では機械系だけでなく電気系や農業分野などにも広がっています。こうした中、当社では年間で約100名の中途採用を目標としており、かなりの数の採用に挑戦しています。
従来の採用では既存事業が中心で、技術ノウハウもすでにあったため、第二新卒などポテンシャル人材の採用も進めてきました。しかし近年は既存事業に加え、新規事業も推進しているため、「即戦力となる人材」の要望も増えてきています。採用数を追いかけつつも厳選採用の割合が増しており、採用難易度は非常に高くなっています。
さらに難しいのは、新規事業で求める電気系や情報系の人材の中で、「椿本チエイン」という会社の知名度がそこまで高くないことです。機械系の同業種内や関西では、一定の知名度があるものの、当社にとって新しく進出した電気・情報の分野ではまだまだ認知が十分ではありません。また、電気系・情報系の人材は転職市場において引く手あまたであり、当社にとっては採用に大きな苦戦を強いられている状況です。そのため、まず転職希望者に自社と事業を知ってもらうことが課題となります。
転職希望者の中には、競合と比較して当社を第一志望としないまま応募するケースも少なくありません。そのため、転職希望者が当社のことをあまり理解しないまま面接に臨み、現場部門側から「当社について調べていない」と判断され、次のステップに進めないケースもありました。転職希望者が複数社選考に進んでいることや、他社と比較をして当社の志望度が低い場合ももちろんあります。こういった転職希望者の方に「当社を選んでもらう」難しさや厳しい転職市況を現場部門に理解してもらうことは、人事・採用担当者にとっても容易ではありませんでした。

採用手法としては、大部分を人材紹介サービス経由で進めています。最近ではダイレクト・ソーシングやリファラル採用にも取り組んでおり、採用手法の幅を広げていきたいと考えていますが、足元では人材紹介サービスが軸になっています。
エージェントには現場部門との接点をできるだけ持ってもらうようにしました。人事・採用担当者から求人情報を送るだけでなく、現場部門に直接ヒアリングをしてもらい、業務内容や雰囲気の理解を深めてもらったのです。スケジュールの都合上、参加できないエージェントもいるため、ヒアリングの様子を録画し、営業担当者へ提供しています。採用の主軸が人材紹介サービスということもあり、どのエージェント会社も同じ質の情報を得られる取り組みづくりを心掛けています。また、営業担当者に工場へ直接訪問してもらい、リアルなはたらく環境や、製造工程の情報もお伝えしたこともありました。
より詳細な事業内容や魅力が担当営業にも伝わることで、当社だけでは限界があった認知度拡大の一翼をエージェントが担ってくれて、紹介数は徐々に増えていきました。
こうした取り組みには、現場部門の協力が欠かせません。当社は社風として階層や部署間の壁があまりなく、日頃からコミュニケーションしやすい環境があります。ただし、現場部門は多忙ですし、いろんな考えの方がいるため、すべての部門が最初から採用活動に協力的だったわけではありませんでした。そこで、まずは比較的依頼をしやすい1部門からコミュニケーションを取り始めました。小さなスタートではありましたが、その部門が協力的になり、採用成果が少しずつ出てきたことで、他部門の採用に協力する人の度合いが徐々に大きくなっていきました。今ではエージェント向けに求人説明をしてくれる部門が大半となりました。地道ではありましたが、現場部門と向き合い続けることが大事だと実感しましたね。
また、人事・採用担当者と現場の間にある転職市場の認識ギャップを埋めることについては、「doda」に大きく尽力してもらいました。エージェントと現場部門の直接的な接点の場で、人事・採用担当者からは言いにくいことも代わりに伝えていただくことがあります。たとえば「部門が求める転職希望者は市場に少ないため応募が来ない可能性もありますが、この要件で応募を待ちますか?」と率直に伝えていただくことで、部門側の認識も変化していきました。

2024年度の中途採用実績約80名のうち、約4分の1は「doda」経由でした。これは当社が取引する20社の中でもトップシェアであり、営業担当の尽力によるものです。
パーソルキャリア社内で当社をPRしてくれており、キャリアアドバイザー向けに情報を積極的に発信したり、当社がパーソルキャリアの社内イベント動画に登場する機会を設けてくれたりしました。
担当期間も長く、当社を熟知しているため、募集ポジションが出た際にも勘所を理解し、確度の高い転職希望者を推薦してもらえます。現場部門と直接コミュニケーションも図り、採用したい人物像を的確に理解している点も大きな強みです。
「doda」営業担当者が当社にここまで尽力いただいているのは、裏表なく率直に対話を続けてきたからではないかと考えています。
たとえば、採用緊急度が高い部署への転職希望者紹介が少ない場合には、状況や優先度を踏まえて率直にリクエストしています。逆に当社が面接調整に時間がかかっている際には、「迅速に対応してください」と率直に指摘していただくこともあります。すべては転職希望者のためであり、採用成功という目的を共有しているからこそ、一緒に走ることができています。
また、転職希望者をお見送りする際や、書類選考で不採用とせざるを得ない場合も、その理由を私たちから「doda」へ必ず伝えるようにしています。正直に言うと、これは企業の採用担当部門として手間がかかる作業かもしれません。しかしこの情報は次に生き、エージェントにとっても価値があるはずと考えています。
ただし、すべてのエージェントが同じように動いてくれるわけではなく、この情報をもとに改善につなげてくれるエージェントもいれば、そうでない場合もありましたが、「doda」には情報提供する価値があると思っています。
「doda」の営業担当者は本当に熱心に当社と向き合い、時間をかけてくれるため、私たちも信頼を寄せています。営業担当者だけではなく、その上司やその上のポジションの方も一緒に当社を訪問し、「パーソルキャリアとしてこんなことを頑張りたい」と伝えてくださります。当社の人事部長とも多くのやり取りを通じて、会社同士の連携が年々深まっています。
また、人材紹介サービスに加え、求人広告サービスやハイキャリア向けサービスなど幅広い支援を一つの窓口で提供してもらえることも、人事・採用担当者として非常に助かっています。パーソルキャリア社内での情報共有も徹底されているため、一から説明する手間も少なく済む点もありがたいです。
昨今の人材紹介サービスでは、AIの進化によって人が介在する機会が減っています。知名度が高い企業や募集条件が有利な企業であれば、AIマッチングでも採用につながるでしょう。しかし、社風や定性的な魅力を伝える必要がある場合には、まだまだ人が介在してくれる価値が非常に大きいと考えています。
「doda」には、今後も人が介在することの価値を高め続けていただきたいと期待しています。
*記事内容や社員の所属は、取材当時のものになります
