高橋克徳氏×須東朋広氏と学ぶ特別ワークショップ|DODA(デューダ)中途採用をお考えの法人様へ

コラム

【イベントレポート】<br><特別ワークショップ>ワクワクする職場をつくるために<br>~未来を切り拓く組織とリーダーシップ~

2018.07.26

セミナー開催結果

少子高齢化による人材不足・労働力不足、そしてAIやIoTに代表される第4次産業革命の進展などにより、これまで「当たり前」だった働き方や組織の在り方が大きく変わりつつあります。見たことのない未来が訪れようとしている今、仕事や職場にワクワクできる人は、どのくらいいるのでしょうか。先が見えない不安、行き過ぎた成果主義、世代間の断絶などにより、働く喜びや意義が見いだせず仲間の大切さも分からない「あきらめ職場」が増えていないでしょうか。

去る7月5日、こうした課題に向き合い未来を切り拓くための特別ワークショップ「ワクワクする職場をつくるために~未来を切り拓く組織とリーダーシップ~」が、パーソルキャリア丸の内第二オフィスにて開催されました。

講師として登壇したのは、組織開発・人材開発のプロフェッショナルであり「不機嫌な職場」「ワクワクする職場をつくる。」等、職場に焦点を当てた組織変革に関する著書も多数の武蔵野大学 経済学部経営学科 特任教授/株式会社ジェイフィール 代表取締役 高橋克徳氏。そして、組織行動とリーダーシップに知見の深い多摩大学大学院 経営情報学研究科 客員教授 須東朋広氏。会場には、歴史ある企業から設立間もないベンチャーまで多様な企業の経営者や人事担当者が集まり、積極的なディスカッションが行われました。

日本人は、仕事や会社にワクワクしていない!?

オープニングでは、須東氏より少しショッキングな調査結果が提示されました。

アメリカの大手調査企業ギャラップ社が2017年に行った「仕事への熱意度調査」によると、日本企業において「熱意ある社員」はわずか6%。それに対して「やる気のない社員」は24%、「周囲に不満をまき散らす無気力な社員」は70%。実に9割以上が、仕事に熱意がないというのです。

もうひとつ示されたデータは、産業能率大学が2012年に調査した「ビジネスパーソンのワクワク度調査」です。「5年前と比較して、ワクワク度が強まっている」33.3%、「弱まっている」45.0%。「最近1年間で、ワクワク度がある」4.1%、「ない」47.6%。「職場の雰囲気にワクワクする」13.7%、「しない」が50.3%。日本にはワクワクしていない人が圧倒的に多いことが分かったのです。

では、どうすればワクワクできるのか――それが、この日この場所に集まった全員が向き合ったテーマです。

未来にワクワクできる職場とは?

講師写真01

これから私たちが経験する未来

「みなさんは、子供たちの前で堂々と『仕事が楽しい』と言えますか?」

会場の参加者に、そんな問いを投げかけた高橋氏。「仕事が面白い」「職場が楽しい」「会社が好きだ」――子どもたちの前で胸を張って宣言できる大人がいないと、この国はダメになる。若い人が外に出ていってしまう。この強烈な課題感から、組織・人材マネジメントの専門家集団ジェイフィールを立ち上げたそうです。「居心地の良い職場はあるが、それだけでは足りない。未来にワクワクできる職場をつくるには、何が必要か。今日はみなさんと共に本質的な課題を掘り下げていきたい」と述べ、講演をスタートさせました。

未来を語る上で不可避なのが、テクノロジーの進化です。すべてのモノがインターネットにつながるIoTにより、製造業や流通など産業構造が変わると言われています。また、AIにより、半分近くの人が仕事を失うというシミュレーション結果も世の中を賑わせています。

人口構成の変化も重大なテーマです。健康寿命が延びることで、70歳~80歳まで働く時代となります。そして働き方も自由になり、会社の枠を超えてさまざまな人とつながりを持って仕事をする人が増えるでしょう。生き方や働き方を自由に選択できる時代には、労働観や組織観も大きく変わっていきます。

自社の「組織感情」を知る

自社の組織感情を知る

未来の変化にワクワクできる職場をつくるには、どうすればいいのか。それを考えていくには、まず今の職場の状況を知ることが大切です。そこでカギとなるのが、ジェイフィールが提唱する「組織感情」という概念。個人に感情があるように、組織にも感情があります。みんながイキイキと前向きな職場、あたたかくて優しい職場、イライラと攻撃的な職場、あきらめ感が漂う職場……。そんな、組織全体が持っている空気感が、「組織感情」です。組織感情は、そこに所属する一人ひとりの行動に影響を与えます。例えば、「イキイキ感情」が広がっていれば、自然と主体的な行動や互いを助け合う行動をとるようになります。しかし「ギスギス感情」が蔓延すると、互いを信頼できなくなり仕事の連携が上手くいかず相手を攻撃するようになってしまいます。自社の「組織感情」は、どのような状態なのかを把握するための診断を実施し、結果をもとにグループでディスカッションを行いました。

若手社員が抱いている違和感

組織の未来について考えていく時に、未来を担う若手社員について考えねばなりません。しかし「若手社員が何を考えているのか分からない」という声も多く聞こえてきます。言われたことしかやらない。何かと目的を問いたがる。イベントや雑用をすすんでやろうとしない。一見おとなしい若手社員の根っこにあるのは、今の組織への違和感です。

かつての日本企業では、同質性のもとでみんなが同じ働き方をしていました。しかし今は、多様性の時代です。旧来の組織で当たり前とされていたことが、今の若手社員には通用しません。「なぜ、仕事の目的や意義を誰も説明してくれないのか」「なぜ数字の目標ばかりで、ビジョンを示してくれないのだろうか」「なぜ、若手が雑用をしないといけないのか」。さまざまな違和感を彼らは抱えています。しかしそれを問うても、上司は「それが当たり前だから」と押し付け、理由を答えられません。この状態こそが、若手がワクワクできない原因だと高橋氏は語ります。「今までの当たり前をそのまま受け入れてしまい、問い直しをしようとしない。そんな人たちに、未来を変える力なんてあるはずがない」。手厳しく本質を突く若手社員の違和感に、どう答えるか?参加者同士でも活発な議論が繰り広げられました。

今までの当たり前を問い直す/須東氏

講師写真02

企業は、若手社員に当たり前を押し付けていないだろうか。高橋氏の問題提起を受けて、須東氏は若手社員に対する調査データや市場の変化などの裏付けを示しながら、改めて現代の職場が抱える課題について語りました。企業を取り巻く環境は急速に変化し続け、“つくれば売れる”時代は遥か過去のこと。今は“売れるモノ・コトをつくる”ことが求められる時代。必然的に組織が求める人材も、与えられた仕事を効率的にこなす人材から、独創的でイノベーティブな人材へと変わっていきます。しかしながら、人事システムは旧来のまま維持されてしまっていることが多く、それが若手社員の違和感や疎外感につながっているといいます。「これから、人と組織との関係は大きく変化し、対等になっていきます。ワクワクできる職場をつくるには、『当たり前』を問い直すことが必要です」と、須東氏は参加者に呼びかけました。

未来を切り拓く組織とリーダーシップ

セミナー風景

未来を切り拓くために必要な力とは?

組織が抱える課題や若手社員の違和感について認識を深めた後は、いよいよ、ワクワクする職場づくりに何が必要か、高橋氏と共にイメージを膨らませていきました。

今、イノベーションの基軸が変わってきています。以前は、イノベーションというと先端技術を活用して、企業の成長と拡大のために行うものと考えてきました。しかし、これからのイノベーションに必要とされているのは、社会目線です。社会課題の解決のために自社の価値を問い直し、独力ではなく色々な相手と共創して新しい価値を生み出していきます。こうした時代に求められる力として、高橋氏は「変化への感度、共感」「問い直す力、探究する力」「一歩踏み出す力、応援する力」「つなぐ力、連鎖を起こす力」を列挙しました。

ワクワクする組織に求められる3つのリーダーシップ

しかしながら、いきなり新しい行動に変えるには壁があります。それぞれ階層によって“囚われ”があり、そこから抜け出すことが必要だと高橋氏は語りました。「ミドル・管理職層」は、若手の違和感と向き合えない、当たり前から抜け出せないという囚われがあります。「若手・中堅層」は、思いが持てず踏み出し方が分からないという囚われ。そして「経営リーダー層」の囚われは、社員に何を示すべきか分からない、現場が動かないという苛立ちです。

こうした“囚われ”から抜け出すために、各層に向けたリーダーシップ革新の必要性を高橋氏は説きました。ミドル・管理職層には、自分や周囲と向き合い当たり前を問い直していく「リフレーミング・リーダーシップ」。若手・中堅層には、自分の内面を掘り下げ、同時に外の価値観や課題と重ね、ビジョンや未来の行動をつくっていく「コネクティング・リーダーシップ」。経営リーダー層に必要なのは、自分の影響に気付き、リーダーとしての在り方を問い直す「オーセンティック・リーダーシップ」です。

これを踏まえて、「未来を切り拓くために、あなたの会社に必要なリーダーシップは?」というテーマで、この日最後のディスカッションが行われました。

最後に高橋氏は、「これまでは“組織のための人”という考えでしたが、今後は“人のための組織”という発想の転換が必要です。みんなが今までの当たり前を問い直し、みんなで踏み出せる関係づくりからはじめていきましょう」と、締めくくりました。

memo

ワクワクする組織に求められる3つのリーダーシップ

  • 【ミドル・管理職層】リフレーミング・リーダーシップ
    自分や周囲と向き合い当たり前を問い直していく力
  • 【若手・中堅層】コネクティング・リーダーシップ
    自分の内面を掘り下げ、同時に外の価値観や課題と重ね、ビジョンや未来の行動をつくっていく力
  • 【経営リーダー層】オーセンティック・リーダーシップ
    自分の影響に気付き、リーダーとしての在り方を問い直す力

まとめ

モノをつくれば売れていた時代は、とにかく目の前の仕事に全力に打ち込めば結果を出すことができました。未来は、過去の延長線上にありました。しかし、失われた20年を経てデジタルネイティブ世代が社会を支えるようになる時代、過去と未来は決して地続きではないのだと改めてこのワークショップで感じることができました。「こんなのは当たり前だから」と思考を停止したり、「仕事なんてそんなものだ」と上から押し付けたりせず、まずは問い直してみる。そうして自分の内面と周囲に向き合っていくことこそ、未来にワクワクするための第一歩。デジタルの波が訪れている今こそ、人と人、人と組織、人と社会との関わり方を真剣に考えていく時なのでしょう。

講師プロフィール

武蔵野大学 経済学部経営学科 特任教授/株式会社ジェイフィール 代表取締役
高橋克徳氏

1966年生まれ。一橋大学大学院修士課程終了、慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。野村総合研究所、ワトソンワイアットを経て、2007年「組織感情とつながり」を機軸とするコンサルティング会社ジェイフィールを共同で設立。関係革新、仕事革新、未来革新をテーマに、互いの感情と向き合い、思いを重ね、未来に踏み出す組織づくり、リーダーづくりを支援している。2013年より東京理科大学大学院イノベーション研究科教授、2018年より武蔵野大学経済学部経営学科特任教授を兼務。
主な著書に、『不機嫌な職場』(講談社、共著)、『職場は感情で変わる』(講談社)、『ワクワクする職場をつくる。』(実業之日本社、共著)、『みんなでつなぐリーダーシップ』(実業之日本社)など。

多摩大学大学院 経営情報学研究科 客員教授
須東朋広氏

最高人事責任者の在り方を研究する日本CHO協会を立ち上げ、事務局長として8年半務める。その後、中高年、女性躍進、障がい者雇用、転職者、正社員の雇用やキャリアの研究をインテリジェンスHITO総研主席研究員として、5年間務める。2016年10月一般社団法人組織内サイレントマイノリティを立ち上げ、現在に至る。
主な著書に『CHO~最高人事責任者が会社を変える』(東洋経済新報社)、『キャリア・チェンジ』(生産性出版)、論文『人事部の新しい時代に向けて』『人事部門の進化;価値の送り手としての人事部門への転換』『キャリア開発とその成果』(産業能率大学紀要、共著)など。学会発表や人材関連雑誌など寄稿多数。

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