モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年5月~7月対比で96%と微減
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で99%と横ばい
- 市況感に合わせた適切な求人要件(ターゲット・年収)をいかに設定できるか
機械設計の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、月によって変動はあるものの8月より減少傾向が続いている。これは8月を境に、いわゆる「上期の終わり」「下期の始まり」といった求職者が繁忙期に入るタイミングを迎えたからであると考えられる。
登録者の年齢層で見ると、26歳~30歳が29%と最も多く、次いで41歳以上が24%。全体的には35歳以下の割合が65%と多くを占めており、前期に引き続き若手層の転職が活況である。
最終学歴別で見ると、大学院卒と大学卒で67%を占める結果となっている。また、転職回数は、0回~1回の方が74%と多く、転職活動自体が初めてというケースが目立つ。
自身のスキル向上や会社の将来性、働き方などを重視して、さまざまな企業の求人を見ている転職希望者が多く、早期の転職を希望する層とは別に、「現状は情報収集のみ」という層も一定のボリュームがある。
機械設計の求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人の推移は月ごとの増減はあるものの、横ばいとなっている。育成を前提とした若手ポテンシャル求人はもちろん、生産体制の強化を目的とした即戦力人材となる中堅層をターゲットとした求人も多い。ほかにも単なる設計職に留まらず、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位で業務が分解・細分化された求人など、求人の多様化が見られるのが同ポジションの特徴である。
各企業では、採用充足に向けて母集団形成を目的とする採用ターゲットの見直しや、面接確約型のアプローチにシフトするといった手法改善、早期の人材獲得を目的とした選考プロセスの見直しなどを図る動きが見られており、採用活動に積極的な企業が増えているもようだ。
機械設計の採用成功POINT
機械設計職の領域は、今後は求人数の増加が見込まれているため、市況に合わせた適切なターゲット設定や要件定義ができるか、その上で魅力的な訴求ができるかどうかが明暗を分ける。そこで他社求人と差別化を図るために、下記ポイントが重要になる。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せるのか、を明確化する。
- 採用背景を鑑み、市況と照らし合わせながら求めるスキルや年収などの条件を適正化する。
- 転職希望者に対する必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へ落とし込む。
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回路設計
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年5月~7月対比で97%とやや減少
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で100%と横ばい
- 常に新しいアプローチを模索し、少しでも多くの求職者への接点を増やすこと
回路設計の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者の直近の動向は、登録数が好調だった前3カ月期対比ではやや減少したものの、大きな変化はなく堅調に推移(ほぼ横ばい傾向)を示した形となった。
登録者の転職回数、最終学歴については前3カ月期と比べて構成に大きな変化はないが、大学院卒の比率がほかのエンジニア関連職と比較してもやや高い傾向にあるのが特徴だ。
採用要件を定める際は、求めるスキルや経験を基準にしつつも、あまり年齢層に捉われないように設定するのがより良い選択と思われる。
回路設計の求人動向
対象: 2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
回路設計職は、2023年5月~7月対比で横ばいの推移を示しているものの、依然として採用の難易度が高い職種の一つである。
新卒採用では人材が充足せず、中途採用枠として第二新卒を採用する企業も増えている。直近では、50代以上の経験者を採用するケースや、異業種・異業界出身者を含め幅広い業務経験や経験年数を有した層を採用ターゲットに設定して、母集団形成や採用を成功させるケースも増えてきている。
一方で、半導体デバイスメーカーを中心に採用ニーズが高まっており、半導体、5G向けのスマートフォン部品、高周波部品設計などを対象とした求人が増加中だ。ほかにも異業界から人材獲得を図る完成車メーカーや電機メーカーも多く、そうした要件を満たす求人も顕在化している状況である。
回路設計の採用成功POINT
- アナログ回路設計は、40~50代に経験のあるエンジニアの登録が多いため、大手メーカーを始め50代の採用をスタートさせた企業も増えている。そのため幅広い業務経験や経験年数を採用要件に加えることが肝要である。
- 即戦力層の登録の割合が低いため、比較的登録が多い26歳~30歳の年齢層へ向けて「若手を育てる研修の仕組み」や「環境・風土」などの訴求でアピールする。
- 会社の安定性や将来性を気にする転職希望者も少なくないため、取り扱い製品だけではなく、事業戦略や企業の成長性について伝える工夫を模索する。
- 異業界からの人材獲得を図っていく上では、「具体的にどういった経験がどのように活かせるか」までを言語化して、それを求人票に落とし込んでいく。
- 人材紹介やダイレクトリクルーティングなどのほか、アルムナイ採用やタレントプール関連のシステム導入など、多様な採用手法を活用する。
- 選考要素を伴わないカジュアル面談や応募意思不問のセミナーなどの開催も検討して実施する。
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組み込み・制御設計
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年月5月~7月対比で98%と微減
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で104%と微増傾向
- 採用手法を多様化し、選考フローなど工夫。母集団形成のための採用設計を考える
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
同職種は、経験者の絶対数が少ないことに加え、DXやIoTのニーズの高まりなどを受けて、異業界や異職種への転職も活発であり、モノづくりエンジニアの中で最も採用が難しい職種の一つと言われている。また、社内からの業務ニーズも高いため、社内異動によって他社への離職を防ぐ取り組みも行われている。
年齢層としては30歳以下が50%、31歳~40歳が25%、41歳以上が25%となっており、若手の登録者がやや多い傾向は変わらず。転職回数は0~1回という方が76%以上で、転職自体が初めてという登録者も多いため、活動に不慣れな方や慎重に進める方なども少なくない。
希少性と高い採用ニーズから、転職希望者は一度活動をし始めると、複数の企業からアプローチをされる可能性が高いため、自社の選考をスピーディに進めることで吉と転じるだろう。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
ここ数年間は微増を続けており、依然として採用の難易度が高い職種の一つであるが、特に自動車業界と半導体・電子部品業界の採用ニーズが活況だ。
現在は、業務経験が豊富な即戦力人材への需要が集中している状況だが、若手もしくはシニア層の採用や異業界からの採用も活発である。
特にソフトウエア、DX、IoTなどの分野では業界を問わず採用ターゲットが重複しがちであり、今後も獲得競争は激化していくものと見られている。
自動車業界を筆頭に「CASE」や「MaaS」といったトレンドの浸透や変化も激しく、組み込み系求人の市場は採用において厳しい状況が続くと予想される。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
採用ターゲットによっては母集団形成に苦戦しやすく、人材紹介をはじめ転職フェア、求人広告、オンラインイベントなど、複数の採用手法を活用しアプローチ先を広げることが肝要だ。
特に、応募者の転職理由(比較的多いものは「先進的な技術開発に携わりたい」「グローバルに活躍できるフィールドがある」「企業安定性」など)に合わせて、採用・事業の競合他社を意識した訴求を行っていきたい。
組み込み系の転職希望者は、(転職活動の)稼働率の低さが目立つ。データベースに眠る転職潜在層へのアプローチもぜひ行いたい。そのため以下のポイントが重要になるだろう。
- 募集が集中する中堅層以外のベテランの採用や、学歴不問の若手ポテンシャル採用を積極的に行う。
- 事業の展望や期待するミッション、先端分野に関われるといった職務内容に興味を持たせるような情報を発信する。
- 選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐなど、選考フローを工夫する。(例:応募者に応じて土曜日面接を実施する等)
- ダイレクトリクルーティングや応募意思不問のカジュアル説明会などで転職潜在層にアプローチする。
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品質管理(品質保証)
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年5月~7月対比で97%と微減
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で103%と微増
- 詳細な職務内容やミッション、ターゲットに合わせた訴求やターゲットの見直しが重要
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者の年齢別で見ると、41歳以上の割合が31%となり、エンジニア職種の中では最も高い。
経験している業務内容を見ると、20~30代は測定器を用いた製品の検査業務をメインで担当した方が多く、QMS(品質管理システム)構築や内部監査、ISO関連などの経験がある方は希少である。
転職理由は、「人員不足による業務過多」「将来性への不安」「より上流の業務にチャレンジして市場価値を高めたい」といった内容が比較的多いようだ。
また一方で、「クレーム対応から離れたい」といった声も少なくないことから、「異業界・異職種にチャレンジしてスキルアップしたい」と望む転職希望者がやや増えてきている。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は、22年11月より1年間にわたって緩やかな上昇傾向にあり、今期(2023年8月~10月)も微増傾向で推移した。
募集ポジションについても、コンプライアンスへの意識の高まりもあり、リスクマネジメントやISO、内部監査関連の求人が増加傾向。多種多様な求人ニーズが顕在化している。そして即戦力採用の募集が多く、40代の採用決定者も増加中だ。一方で、ポテンシャル採用の動きも広がっており、業務未経験向けや第二新卒採用の求人も増えてきている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
企業により部門の名称が異なることも多いため、まずは一般的な職種名称(品質管理/品質保証など)に合わせて求人票の内容を見直すことが肝要だ。その上で、各人のミッションや、扱う商材群、業務範囲、組織構成や働き方、キャリアパスなどを明確化し、他社との差別化を図ることも必要である。
同ポジションの求人は、各企業で行う業務や必要な経験、知見が異なるため、まずは自社が展開する求人がどの要素で転職希望者と相性が良いのか、トレンドとして押さえておくことは大事である。即戦力層であれば、当該企業における「品質」の考え方や重要度、期待すること、任せたい仕事のミッションなどについて関心を持つことが多いので、これを求人の魅力ポイントにすることにより募集増へつなげることができる。
求人票の作成において悩むことの多い品質管理。
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生産技術・プロセスエンジニア
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年5月~7月対比で96%と減少傾向
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で100%と横ばい推移
- 採用要件を詳細に定め、会社の目指すビジョンと採用背景やミッションを訴求する
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は、月別で見ると多少の変動はあるものの減少傾向にあり、特に9月と10月で減少が続いている。
登録者の最終学歴の内訳としては、大学卒・大学院卒の合計が55%となっている一方で、高等学校卒は30%と、他職種と比べると比較的大きなウエイトを占めている。
登録者の属性を見ると、新卒からモノづくりの現場を経験し、その後生産技術としての知識や技術を身に付けた人材が一定数登録している。いわゆる即戦力となり得る経験者層である。転職理由としては、「勤務地を変えたい」「新しい技術に挑戦できる環境に身を置きたい」といったものが多いが、「出張の頻度が多くワークライフバランスが整わない」といったライフスタイルに言及した声も上がってきている。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
月によって変動はあるものの求人数は全体的に安定して横ばい推移をしている。その背景として、グローバル市場における競争力強化に向けた製造ラインの再編を目指す企業や、自動化、IoT活用などを計画する企業などの動きが活発化していることが挙げられる。
特に、機電系メーカーや化学メーカーなどが採用活動を活発化しているのは上記の理由からである。また、設備導入や設備設計の経験者採用が活況であることもポイントだ。併せてカーボンニュートラルやリサイクル事業の促進によるプロセスエンジニアのポジションも増加傾向にある。
しかし、依然として登録者数と求人数の乖離が激しいポジションのため、採用難易度は高めである。即戦力の経験を持つ人材採用が難しいため、ポテンシャルのある若手採用(バックグラウンドでの採用)にシフトすることや、本当に必要なスキルを抽出した上で再度求めるターゲット像を設定することも重要となる。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
求人数が増えている中でも、登録者の増加が少ないことから1求人あたりの登録者数は減少傾向にある。そのため競合他社との差別化に加え、採用プロセスの見直しも検討したほうが良いだろう。求人の魅力付けのポイントは、採用背景やミッションを明確化した上で、どのような経験を積むことができるのか、あるいはどのようなスキルやキャリアパスを得ることができるのかなどを明言することである。
また、ポジションによっては、自動化やIoT化がミッションとなっており、生産技術・プロセス開発に加えてシステム開発の知識を求める求人も増えている。しかし、双方のスキルや経験を持つ人材は非常に少ないため、有効な例として、一つのポジションであったものをスキル・経験軸と業務内容で分けて2種類の求人にすることなどが考えられる。そうすることで求める人材の獲得難易度がぐっと下がるはずである。
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フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 2023年8月~10月の登録者数は2023年5月~7月対比で100%と横ばい
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で107%と微増
- 実務経験以外の評価ポイントを記載し応募要件を緩和するなど求人内容の見直しを行う
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者を年齢別で見ると、41歳以上の方が29%と最も多く、次いで26歳~30歳が23%。転職回数別では0回の方が42%と最も多く、次いで1回の方が20%となっている。
年齢を問わず同職種の転職理由としては「出張や緊急対応が多く精神的・体力的につらい」「友人や知人、家族との時間が取れない」などの働き方に対するものや、「扱っている製品の将来性がない」などの扱う製品に対する不安や不満の声も聞かれる。
そのため、働き方や職場環境の改善にこだわる方や、付加価値の高い製品に携わりスキルアップを望む方が多い印象である。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数については、大手製造業の設備投資の拡大や増額、それに伴う機器類のメンテナンスといったアフターマーケットのニーズの高まりを受け、月単位の変動は少なく、安定して増えている状況だ。この増加傾向は続く見通しである。
登録者数と求人数のギャップが大きいマーケットにおいて、フィールドエンジニア職の経験者を求める求人や、取り扱い製品の親和性を要する求人、あるいは増加傾向にある海外プラント向けの英語力を必要とする求人では、引き続き採用活動で苦戦することが予想される。しかし採用成功につなげている企業を見ると、「ポテンシャル採用」「学歴不問」「第二新卒歓迎」といったアプローチで人材を獲得しているようだ。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
同ポジションは求人倍率が高い状態が続いており、多くの企業が採用ターゲットの見直しを進めている。各企業は、フィールドエンジニアやカスタマーサポートの経験がない転職希望者に対して、「機械系の学部・学科卒可」や「特定の工具や機器を使用したことがあること」「製造オペレーターの経験」など、実務経験以外の評価ポイントを記載し、応募要件を緩和しているケースもある。
同職種は最も幅広い層からの登録があることから、採用ターゲットの見直しに際しては「最終学歴」、「転職回数」などの選考基準を変更することで、より多くの採用機会に恵まれるだろう。
また、他社求人に対して差別化するならば、働き方(休日について、出張範囲・頻度・期間、残業時間、休日出勤の有無・頻度など)や育成制度に関する情報を魅力付けして訴求すると良い。
採用のプロが、どんな層を狙ってどんな魅力を打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
研究開発(化学)
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年5月~7月対比で98%とやや減少
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で103%と微増
- 職務範囲を明確化して、転職希望者の求める情報を余すことなく開示する
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者の内訳は変わらず、30歳以下の若手層の登録者が52%を占めており、最終学歴に関しては大学院卒が52%、大学卒が26%と大きな割合となっている。
また、転職回数を見ると転職0回の登録者が66%を占めており、初めて転職される方が多いことが分かる。そうした方々は、求人に即応募するよりもまずはじっくり情報収集などを行っているようだ。
転職希望者の志向性は、会社の待遇(評価基準)や、自身が活躍できる環境かどうかに関心を寄せており、これらの情報をしっかりと見極めてから応募する傾向が強い。これらの背景として、昨今、事業の選択と集中、制度改革などを行っている企業が多く、登録者の転職理由としても「ビジネス環境の変化などから在籍事業領域や部署に注力・投資されない」「自分のキャリアプランと異なるポジションへの打診をされる」「新分野への研究開発投資に消極的である」などといった声が聞かれるようになったことが一因である。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は去年より1年間で多少の増減はあるものの増加傾向を続けている。
求人トレンドとしては、新領域への展開や新事業立ち上げに関して、自社の人材が持っていない知見やスキルを保有するスペシャリストの募集が増加中だ。一方で、「ヘルスケア領域」「半導体関連領域」「電池材料領域」「化学×ITのデジタルトランスフォーメーション」「カーボンニュートラル」といったワードを含む求人が目立ち、これらは大手・中小企業など会社の規模を問わずに増加している傾向にある。
研究開発(化学)の採用成功POINT
転職市場では求人数が増えており、かつ競合が多くなったことで、これまで通りのやり方やターゲット設定では採用成功に至らない企業も増えてきた。競合求人が多い中で、選考中の辞退、最終面接合格後の辞退のケースについては何としても避けたい。そこで選考フローの短縮や、面接内容の見直しによる選考内での意向醸成などに取り組むことが大事となってくるのである。
特に、研究開発職は、求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較しても募集要項をさらに明確化させることが必要である。
基本的に転職希望者は「転職に慎重である」傾向があるため、採用背景や事業・部署のミッション、研究開発のテーマ、就業環境、キャリアステップ、社風など、転職希望者にとって有益となりそうな情報は余すことなく開示したい。
「研究開発」求人は、各企業において業務の幅や内容が全く異なるため、当該ポジションの職務範囲(例:量産化フェーズからは別部門が対応するのか、量産化まで対応するのか、量産化・工場の安定稼働まで対応するのか など)を明確に記載することが求められるだろう。
各採用過程で、候補者心理を踏まえた対応が必要に。
doda人材紹介サービスなら、採用のプロが採用成功にむけてアドバイスします。
設計職(建築・土木)
- 2023年8月~10月の登録者は、2023年5月~7月対比で105%と微増
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比で127%と増加
- 就業環境改善を望む転職希望者のニーズに応える求人を展開する
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
登録者数は特に8月で増加の動きが顕著に現れたかたちとなった。9月、10月は少し増減が落ち着いたものの、3カ月期スパンで見ると2023年5月~7月対比では105%と微増した。
年齢別で見ると、30歳以下が50%と全体の半数を占めている。転職回数別では、0回が49%、1回が17%で、初めて転職活動を行う方が多いようだ。
登録者の転職理由としては、「働き方の改善」「担当案件の幅を広げる」などがよく見られるが、「社内制度や評価制度の曖昧さ」「業務効率の悪さ・業務DX化への遅れ」などを改善したいといった声も一定数見受けられる。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
大手・中小に関わらず即戦力人材のニーズが高く、求人倍率が高い要因となっている。また、一級建築士、監理技術者などの資格取得者の採用難易度も依然として高い状態であり、各所で苦戦が続いている。
そのため人材不足を解消するために、設計補助・CADオペレーターやアウトソース企業などで設計業務を少しでも経験したことのある人材を採用して育成していく企業も増えてきている。
また、Webを活用して採用面接を実施する企業が一般的となっており、Web面接を未だ実施していないという企業は少なくなってきた。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 獲得競争が激しい職種なので、自社の強みは何なのか、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのかなど、細かなデータの蓄積と社内ヒアリングを実施する。これらのデータを根拠にして、求人の訴求ポイントをブラッシュアップ、そして競合との差別化を図る。
- (残業や土日の出勤、リモートワークなど)を転職理由にする希望者が多く、就業環境整備への取り組みや、休日、残業実態などの情報開示が応募意思獲得につながる。
- 30代の有資格者である「即戦力ゾーン」を求める求人が多く、求人倍率は非常に高い。20代だけでなくシニア層の積極的な受け入れも検討の余地あり。いかに自社の強みを打ち出すかが重要となる。
- 設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)がある求人のほうが応募につながりやすく、自社採用HPや求人メディアの活用など、多角的に情報発信できるチャネルの選択も実施していくべきである。
- 採用難易度の高さや競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するのか、など整理・再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はどのターゲットに魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で捉えることが重要である。
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、現職も多忙である方が多いため、Web面接の活用だけでなく面接の日時も大きく影響する。夜間帯(19時以降)の面接や土日の面接なども実施すると有利に採用活動を進められる。
dodaなら選べる4つの採用手法で、
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施工管理(建築・土木)
- 2023年8月~10月の登録者数は、2023年5月~7月対比で102%と増加傾向
- 2023年8月~10月の求人数は、2023年5月~7月対比108%に増加
- 自社の特徴や魅力を顕在化させ、採用ターゲットに向けて適切に訴求する
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2023年8月~10月にdodaにご登録いただいた方
2023年8月は登録者数が増加し、その後9月から10月にかけてやや落ち着きを見せた。
登録者層は大きく変わらないが、25歳までの割合が35%、次いで26~30歳の割合が24%と多く若手層が半数を占めている。また最終学歴別で見れば大学卒が52%と、ほかのエンジニア関連職種や研究職と比較しても高い割合を示していることが分かる。
転職理由としては、「残業時間・拘束時間が長い」「休日が取れない」など、就業環境の改善を希望する方が多い。一方で若年層については、キャリアチェンジなど現職の業務以外を望む声が引き続き多いようである。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2023年5月~10月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2023年5月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
全技術系職種の中で最も求人数が多く、採用難易度は高い。10月以降、組織改編による人事異動を見据えて、新規ポジションの採用に動きはじめている企業も少なくない現状である。
未経験者採用は、コロナ禍前と比較し減少傾向にあり、即戦力中心の採用が増えている。経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討すると良いだろう。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 法改正に伴い、2024年4月に向けた「働き方改革」への注目度も高く、就業時間や休日・休暇などの情報は具体的な数字や事例を出して求人などでアピールしたい。
- 全エンジニア系職種の中でも求人数が多いため、自社の求人が目に留まりやすいようアプローチを工夫する。例えば、自社の強みは何か、働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど、どの点を転職希望者に訴求していくのかを言語化していくことで差別化につながる。
- 母集団形成のための「攻めの採用姿勢」を見せることがポイント。人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルやサービスを活用し、積極的にアプローチする体制を整える。
- 「面接は選考の場」という固まった概念に捉われず、「面接は応募者の意向醸成の場」であるという意識を持つ。面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう環境と準備を整えていくことが求められる。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過している場合がほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も、状況に応じて実施したほうが良い。
- 経験者採用の場合、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどの企業も行っているため、即戦力性と市況感を考慮した条件設定にすることにより、効果的な採用が見込めるだろう。
- 未経験者採用の場合、工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築・電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社から配属までのオンボーディングがスムーズに進む。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報を、選考の段階から訴求することが有効だ。
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2023年11月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス