モノづくりエンジニア
モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
機械設計
- 2021年5月~7月の登録者数は、2021年2月~4月対比103%と増加。若手層、転職未経験者を中心に転職活動への慎重な姿勢が目立つ
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比114%と増加
- (1)職務内容を明確化すること
(2)ターゲットの経験と年齢と年収条件を適正化すること
(3)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載すること
機械設計の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
引き続き、30歳以下の登録者が約半数を占めている状況。景気後退や新型コロナウイルスの影響による業績悪化により、現職への将来性や自身の市場価値に対する不安が募っており、職種チェンジも含めて検討する方が増えてきている印象。一方で、絶対に転職するというより、まずは情報収集、といった慎重な姿勢が若手層を中心に見られる。転職活動するか否かを含め、慎重に検討を重ねながら判断したいという方が多い。
30代以降の登録者も同様に、働き方や将来性の不安、早期退職制度により転職活動を考える方が多いと感じる。ただし、現職での勤続が困難でない限り、慎重に判断したいという方が多い。
初めて転職をする方を中心に、この先行きが見えにくい状況下で転職活動・決断をすることに不安を抱き、慎重な姿勢を貫く方が全体的に増えている。
機械設計の求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新型コロナウイルスの影響もあったが、求人数については、微増を続けており一定の水準に回復している。
組織の若返りや、自社にない技術を求める即戦力の補充など、年齢や経験面で比較的要求の高い求人の二ーズが引き続き目立っている。また、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人など、内容の多様化も見られる。
採用活動の長期化に伴い、Web面接導入を検討したり、面接確約を取り入れたりと、選考方法を工夫する企業が増えている。
機械設計の採用成功POINT
登録者数は相対的に多いものの、求人数も登録者数は相対的に多いものの、求人数も同様に多いのが機械設計領域であり、他社求人との差別化がポイントとなる。
職務内容を明確にし、求めるスキルや年収などの条件を適正化、転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載することが重要である。以下は押さえておきたい3ポイントである。
- どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せる予定なのか、を明確化すること
- 採用背景を鑑み、求めるスキルや年収等の条件を適正化すること
- 求めている人物像に対して必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へ落とし込むこと
回路設計
- 2021年5月~7月の登録者数は、2021年2月~4月対比104%と増加
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比は94%と減少だが、前年比106%と増加傾向
- (1)適切なターゲットの設定(スキル/年収)
(2)会社の将来性・安定性を訴求
(3)働き方など より詳細な情報を求人票に記載
回路設計の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
2021年5月~7月の登録者数は、昨年の秋頃から横ばいで推移していたが、2021年2月から現在に至るまで微増傾向となっている。
主な転職理由としては、昨年から引き続き「製品の将来性」「人手不足を背景にした業務過多」が多く、年齢が高くなるにつれ、その傾向が顕著に見られる。
20代~30代前半の若手層は「現職よりも良い環境があれば」と、製品の将来性や希望条件のバランスを見て慎重に動く方が多い傾向にある。
回路設計の求人動向
対象: 2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
直近3カ月(2月~4月)と比較すると減少しものの、各社採用を控えていた2020年度のリカバリーや新年度採用のために求人が増加していた背景があるため、ほぼ横ばいといえるだろう。募集背景は変わらず、組織の若返りや自社にない技術を求める即戦力の補充など、年齢・経験面で比較的要求の高い求人が多くなっている。
特に、半導体、5G向けのスマートフォン部品・高周波部品設計を対象とした求人は、さらに増加しており、今後も増加傾向が続くことが想定される。
回路設計の採用成功POINT
- 他職種に比べ登録者が少ない傾向にあるため、ペルソナ(採用ターゲット)をより具体的に想定し、ターゲットに合わせた求人票作成が必須となる。
- 30代~40代の即戦力層の割合が低い傾向にあるため、若手を育てる、もしくはスキル優先で年齢の高い層までターゲットに含めることも検討余地がある。
- 社会状況の影響もあり、「会社の安定性」を気にする転職希望者も多いため、取扱製品だけではなく事業戦略や企業の成長性を伝える工夫が必要となってくる。
- 技術職では難しいがテレワーク・リモートワークや、フレックスタイムの導入など、「どういった働き方ができるか」という点も重視され始める傾向にある。
組み込み・制御設計
- 2021年5月~7月の登録者数は、2021年2月~4月対比105%と増加
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比107%と微増
- 柔軟なターゲット設定と採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化がカギ
組み込み・制御設計の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
DXやIoTなど、各企業が注力している事業領域が似通っており、必然的に採用ターゲットも重なる部分が多くなっている。そのため業務経験豊富な即戦力人材へのニーズが集中している状況は変わらずといった状況にある。また、求人数が増加しているため即戦力人材は、業務内容、裁量権、待遇等の情報を総合的に判断し、厳選しながら転職活動を行う傾向にある。
組み込み・制御設計の求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新型コロナウイルスの影響により停滞していた採用であったが、2021年4月に回復の兆しを見せた。
しかし一方で、求職者が採用に慎重である姿勢は変わらず、5月以降の募集も大きくは伸びず。直近3かカ月比では微減増をする形に留まっている。
組み込み・制御設計の採用成功POINT
募集するターゲットによっては母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、リアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる必要がある。
また、応募者の転職理由(比較的多いものは、先進的な技術開発に携わりたい・グローバルに活躍できるフィールドがある・企業安定性)に合わせた訴求を行う必要がある。
- 募集が集中する中堅層以外のベテラン層の採用や、学歴不問など若手ポテンシャル採用も積極的に検討する
- 事業の展望や期待するミッションの詳細など職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である
- 経験がマッチする希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐ
(大手企業においても応募者に応じて土曜日面接を実施するなど採用手法を工夫する傾向あり)
品質管理(品質保証)
- 登録者数は112%と増加傾向。引き続き41歳以上の割合が他職種と比較して最も高い状況が継続
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比116%と増加
- 詳細な職務内容やミッション、ターゲットに合わせた訴求ポイントを明確化することが重要
品質管理(品質保証)の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
直近3カ月の登録者属性を見ると、年齢別では41歳以上の割合が約32%となり、引き続きほかのモノづくりエンジニア職種の中で最も高い傾向にある。
また、最終学歴の割合では、高卒・専門卒者が32.5%と、フィールドエンジニア職に次いで高いシェアとなっている。
転職理由としては、現職の業績悪化に伴い、将来性に不安を感じている方や、早期退職制度などにより転職をする意向を固めた方が多い。
一方で、家庭の事情で年収や勤務地(転勤有無)などの条件ついて優先度を高くして転職活動に臨む方が増えている傾向から、応募検討できる求人が限定的になってしまっているケースも多く見受けられる。
品質管理(品質保証)の求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
新型コロナウイルスに起因した景気後退による採用計画見直しがひと段落し、今年度以降のビジネスに向け、積極的な採用活動が再開されている。
5月以降の求人数も大きく増加しており、コロナ前とほぼ変わらない水準まで回復。品質管理のみならず、設計・製造との連携を行い、積極的な業務・環境改善や現場を指導できる人材など、主体的な品質エンジニアがより求められてきている。
品質管理(品質保証)の採用成功POINT
企業により部門の名称が異なることも多いため、まずは一般的な職種名称に合わせ求人票を作成することが重要。各職務に対するミッションや、業務範囲、組織構成などを明確化し、他社との差別化を図ることも必要である。
ターゲティングにおいては、40代以上の登録者数が約3分の1を占めるため、採用背景や今後の戦略とのマッチ度を重視してベテラン層の採用も積極的に検討したい。
若手の転職希望者は、働き方や給与条件はもちろんだが、長期的な観点で「キャリアステップ」を重視する方が多いため、その点も訴求すると効果的。
即戦力採用の場合は、その企業における「品質」の考え方や重要度、新しい人材に期待することや任せたいことをアピールすることが魅力化につながると思われる。
生産技術・プロセスエンジニア
- 2021年5月をピークに登録者数は減少傾向。親和性を見た採用判断が肝要
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比133%で増加、前年同期比ではコロナ前の水準まで回復
- 会社の方針、取り組み、業務内容、必須要件を詳細に訴求することが重要
生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
2021年2月以降の登録者数は、新年度のスタートをきっかけに増加したと思われるが、その後減少傾向に転じている。
登録者の内訳を見ると、35歳以下が68%、転職回数0回が60%を占めており、1社勤務の若手層の登録者が多い印象である。加えて、高卒者の割合が24.7%と、品質管理やフィールドエンジニア、施工管理と並び高水準となっている。
最終学歴にこだわらず、経験した製品および製造プロセス、担当設備の親和性を見て判断することが重要である。
生産技術・プロセスエンジニアの求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
老朽化に伴う設備の更新、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、IoT化など、さまざまな背景でニーズはあるものの、これらから得られたデータの活用が推進されるなど、効率化デジタル化に強い人材の求人が多くなっている。
直近では、カーボンニュートラルの実現に向けた生産プロセス開発のニーズなども出てきており、生産技術職については、時代背景に即した求人が増加傾向にある。
また、5GやIoT、コロナによるライフスタイルの変化を背景に、好調な半導体関連業界ではプロセスエンジニアのニーズが増加。未経験者や第二新卒層を採用する求人もあるが、即戦力を求め、同業他社や30代・40代の中堅~ベテラン層をターゲットとする求人の割合が高くなってきている。
生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT
求人動向として、自動化やIoT化を推進するための即戦力を求める求人が増加傾向にあるが、職務内容は「IoT化の推進」、必須要件は「生産技術の経験」と広く定義されていることが多い。
即戦力採用においては、具体的にどういった業務を任せたいのか、そのためにどういった業務経験を求めているのかを詳細に記載することが重要となる。また、新型コロナウイルスの影響による現職の業績悪化や将来性への不安による転職が多いため、会社の方針として、自動化やIoT化を推進することや、そのために実際どんな取り組みを行っているのか、どれくらい投資しているのかなど、転職希望者の不安を緩和するような情報提供も重要となっている。
なお、30代の即戦力を求める求人が多いが、30代の登録者は全体の約26%となっているため、40代以上や20代後半など、対象年齢層については幅広く検討することが望ましい。
フィールドエンジニア・カスタマーサポート
- 登録者数は横ばい傾向。「安定志向・就業環境改善志向」が継続して増加傾向
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比114%と増加
- 「働き方」「取り扱い製品」に加え、「企業の安定性」を訴求することで応募率UP。ブルーオーシャンを狙う攻めの採用戦略を
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
新型コロナウイルスの影響から、登録者数は減少傾向であったが、4月以降復調に向かう。しかし、7月はやや減少傾向に転じている。年代別では、30歳以下が約44%と、若手の転職活動が依然活発だが、一方で41歳以上も約30%と依然割合の多い状況となっている。転職理由としては、「夜勤や突発勤務」「残業時間」「広範囲での出張」など、就業環境の改善を求める層が多い状況にある。
求人数としては今年から増加傾向にあり、売り手市場が加速。求職者側が企業を選べる状況となっているため、よく吟味しながら応募する方が増加している背景から、応募自体を慎重に行うケースが増えている。結果、勤務地や残業時間、出張頻度などの就業条件を重視し、厳選応募の傾向が強い。求人票には、ワークライフバランスの実現や、就業環境の詳細などを記載し、訴求していくことが応募者獲得につながっていくだろうと考える。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
コロナ禍での採用戦略を練った上で、人手不足の解消や組織の底上げを目的とした即戦力人材の採用活動を再開している企業が増えている。
現在募集中の求人の傾向としては、やはり「即戦力」の募集が多く、ポテンシャル採用ではなくスキルを持つ経験者向けの求人が多い。一方で、個人・法人側ともに手探りの中で進める転職・採用になるため、今まで以上に両者が慎重に面接などの場で吟味しながら進める傾向にある。
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT
働き方を変えたい、もしくは、携わる製品を変えたいという転職理由が同職種の個人側ニーズである。新型コロナウイルスの影響で、企業に安定性を求める声も上がっている。求人票を魅力的にする一環として、事業の方向性や経営状況なども開示できる範囲で記載したいところである。また、いかに他社と差別化し、入社後のサポート体制やコロナ禍における就業環境といった観点で企業情報を提供できるかも大きなポイントとなる。選考結果並びに日程調整のスピード感も重要だ。
昨今の状況下では、即戦力採用を行う傾向は致し方ないとはいえ、レッドオーシャンの30代にこだわるのではなく、ブルーオーシャンの40代、50代にまで目を向けることも採用成功のカギとなる。さらに、母集団形成のためには、転職回数や学歴など、スキル以外の要件を緩和することも有効である。実際に他職種でも同様の動きをとっている求人は多い。
新しい生活様式となり、働き方も大きく変わりつつあるため、Web面接への切り替えは継続して行っていきたい。
研究開発(化学)
- 登録者数は増加傾向。Web面接の普及も追い風となり、転職活動が活発化
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比93%と微減
- (1)採用要件を詳細に擦り合わせ、ターゲットを明確化させること
(2)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること
研究開発(化学)の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
2021年5月~7月の登録者数は、前年同期比で31%増加。対前月比では22%の減少となったが、例年の同期間は登録者数が一時的に減少する傾向にあるため季節要因が大きいと見られる。登録者の内訳は変わらず、30歳以下で約56%と若手層の登録者が多く、学歴に関しては、大学院卒が約53%、大卒が約27%と大きな割合を占めている。
特筆すべき情報としては、初めて転職する方(転職回数0回)が約67%を占めており、求人検討の際に厳選して応募するなど、転職活動に対して慎重な姿勢が目立っている。
転職を考えている方は全体として増加傾向。新型コロナウイルスの影響による業績不振から早期退職を選択されるケースや、新型コロナウイルスの終息がなかなか見えない中で、転職活動に踏み切る動きが見られるようになってきている。
選考としては都道府県を跨いだ移動が制限されている中で、Web面接の実施を望む声が多く、自宅で受けられるオンライン企業説明会やウェビナーなどのイベントを活用し、応募先の検討や選考対策を行う方も多く見受けられる。
研究開発(化学)の求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
大手~中堅化学メーカーまで新年度の求人ニーズが発生しているものの、求人数は微減傾向に。昨年度は、新型コロナウイルスの影響で一時的に採用活動が停止し、求人が減少傾向となったが、今年度はやや回復傾向にあり、即戦力だけではなく、第二新卒層の求人ニーズも増加傾向に転じている。
「ヘルスケア領域」「電池材料領域」「化学×ITといったデジタルトランスフォーメーション」「カーボンニュートラル」「環境性能の向上」に関する求人は、大手・中堅など、会社の規模を問わず引き続き増加傾向にある。また、トレンドとして、新規開発に向けた異業界の知見を持った即戦力人材採用のニーズも増加している。
研究開発(化学)の採用成功POINT
マーケットは求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較し、募集要項を明確化させることが必須である。基本的には、転職意欲が高くない、志向性として慎重な方が多い傾向にあるため、採用背景、事業・部署のミッション、研究開発のテーマ、就業環境、キャリアステップ、社風などの詳細情報を記載する必要がある。
また、各企業において「研究開発」と言っても業務の幅が異なることが多いため、どこからどこまでが当該ポジションにおける業務範囲なのか(量産化フェーズからは別部門が対応するのか、量産化まで対応するのか、量産化・工場の安定稼働まで対応するのか など)を明確に記載する必要がある。
さらに、地方に事業所を構えている企業も多く、面接調整に難航する傾向があるため、Web面接を積極的に取り入れ、柔軟に選考を進めることもポイントといえよう。
設計職(建築・土木)
- 2021年5月~7月の登録者数は、2021年2月~4月対比102%とほぼ横ばい状態。30歳以下の若手層が引き続き活況
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比107%と微増
- 他社との違い・自社の強みを明確に言語化して訴求、転職マーケットの状況を踏まえ幅広く採用ターゲットを検討していくことが重要
設計職(建築・土木)の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
登録者層は大きく変わらず、30歳以下の若手層が約51%と依然として活況。引き続き「残業時間」「休日出勤」など就業環境の改善を転職理由とする方がメインとなっている。その中でも若年層はキャリアチェンジを希望する方が多いものの、未経験者向けの求人が減少していることから、希望求人へ一定期間チャレンジした後、経験を活かした転職活動へ切り替える方も増えている。
設計職(建築・土木)の求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数については、2020年5月から回復して増加傾向に。新型コロナウイルスの影響による工事の延期や中止、戸建てニーズの停滞を受け、大手・中小に関わらず一部ストップしていた採用が再開され始めている。
面接に関してはオンラインを活用する企業も増えてきているが、未導入の企業もまだ多く、Web面接を実施することが応募促進につながる可能性がある。
引き続き、一級建築士、監理技術者などの資格取得者の採用難易度は高く、シニア層の採用を進める企業も多い。
設計補助・CADオペレーター、アウトソース企業での設計経験などを少しでも経験したことのある人材に対して、今後育成していく方針にシフトする企業が増加傾向にある。また、中途採用においては、中堅のベテラン層のニーズが最も高く、各社で求める人材が重複しており、求人倍率が高まる傾向にある。
設計職(建築・土木)の採用成功POINT
- 採用競争率の高い職種となるので、自社の強みは何か、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのか、情報を棚卸して、積極的に転職マーケットに訴求、かつ自社の存在感を高める必要がある
- 就業環境(残業や土日出勤など)が転職理由に影響している転職希望者が多く、就業環境改善への取り組みや、休日、残業実態の明記も応募意思獲得に不可欠である
- 各社有資格者の30代の即戦力層を求める傾向があり、求人倍率が非常に高い状態のため、20代だけでなくシニア層の積極的な受け入れの検討も必要である
- 設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など、情報提供チャネルの選定を含めた多角的な採用手法も検討すべきである
- 採用難易度の高さ・競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当にすべて必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するか、ターゲットのペルソナを整理し、再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はそのターゲットにどう魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で考えることが重要である
- 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、現職も多忙である候補者が多いため、Web面接の活用が有効である
施工管理(建築・土木)
- 2021年5月~7月の登録者数は、2021年2月~4月対比113%と増加。30歳以下の若手層が約58%となり引き続き活況
- 2021年5月~7月の求人数は、2021年2月~4月対比100%と横ばい
- 施工管理の転職マーケットの過熱度合いと、自社の特徴・魅力を見極め、適切なターゲットに訴求することが重要
施工管理(建築・土木)の登録者動向
※対象:2021年5月~7月にdodaにご登録いただいた方
前年同月(5~7月)対比は、114%。特に5月は20%増加している状況。登録者層は大きく変わらず、30歳以下の若手層が約58%と依然として活況。さらに転職回数0回比率も約52%と高い状況。引き続き「残業時間」「休日出勤」など就業環境の改善を転職理由とする方が多い傾向。若年層については、キャリアチェンジを希望する方が多いものの、未経験求人の減少に伴い、経験を活かした転職活動を主として行う方も増えている傾向にある。
施工管理(建築・土木)の求人動向
対象:2021年2月~7月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
求人数は、2021年2月~4月対比でも横ばいであるが、全技術系職種の中でも求人数が最も多い傾向は変わらず、採用難易度は高い。新卒採用が5月で落ち着き、6月より中途採用に本腰をいれる企業も増えており、6月から7月の求人増加率は109%と、直近では増加傾向の強い部類に入る。
未経験者採用では、コロナ禍前と比較し減少傾向で、即戦力中心の採用が増えている。経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する必要があるだろう。
施工管理(建築・土木)の採用成功POINT
- 全技術系職種の中でも求人数が多いため、求人が目に留まりやすいよう、自社の強みは何か、どの点(働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど)を転職希望者に訴求していくのが良いか、しっかり言語化し、他社と差別化していく必要がある。特に就業環境は具体的な事例や、整えられている理由を整理し、転職希望者へ訴求することが重要
- 経験者採用であれば、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどこの企業も行っているため、即戦力性とマーケットの過熱度合いを考慮したターゲティングを取り入れると、より効果的な採用が見込める。また、働き方の改善という魅力やメリットを打ち出す場合、自社ではどこから業務を請け負い、どの工程を担当し、どういった体制で現場を回しているかなどの情報から、なぜ自社に転職することで働き方が改善するのかを訴求することが重要
- 未経験者採用であれば工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築、電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社後キャッチアップがスムーズに進む可能性が高い。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報は訴求することが重要
- ただ求人を出すだけではなく、エージェントに対し積極的に情報を提供していくこと、求人広告、ダイレクトソーシング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルを活用し、母集団形成のため待つのではなく、攻めの採用姿勢をとることが重要
- 面接は選考する、という視点のみならず、応募者の意向醸成の場であるという意識を持ち、面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう準備をする。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も必要
※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。
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モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2021年8月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス