2025.10.27
人材紹介
doda1社に絞って成功!“業者扱い”から“相棒”へ──東京美術紙工協業組合×dodaの協働が生んだ採用成功のワケ
書籍全般の製本を幅広く手がける東京美術紙工協業組合(東京都板橋区)。ペーパーレス化が進む中で、転職希望者からは業界の将来性を不安視されることも少なくないといいます。そのため、理念や新規事業への取り組みを丁寧に伝え、共感を得ることが採用活動の大きな課題でした。
そこで同組合では人材紹介サービスをはじめとした「doda」のサービスを活用し、エージェントとの深い信頼関係を築き、一枚岩となって転職希望者に向き合うことで成果を上げています。互いを「相棒」と呼ぶ常務理事・木田茂氏とパーソルキャリア株式会社のエージェント・林諒彦氏の協働は、企業とエージェントが並走する理想形と言えるかもしれません。
エージェント任せでも、企業任せでもない。両者が本気で向き合い、転職希望者一人ひとりに情熱を伝える採用活動の真髄を聞きました。

「エージェントを業者のように扱っている」——企業に伝えた本音
——木田さんと林さんは長いお付き合いだと聞きました。

木田氏:林さんとはもう、出会って10年になりますね。
林氏:新卒1年目のころからお世話になっています。当時私は別の人材サービス会社にいて、新卒採用サービスの営業をしていました。入社1年目の夏、研修を終えて積極的に新規営業に動く中で、東京美術紙工協業組合さんを訪問したんです。
木田氏:当時のことはよく覚えていますよ。
林氏:経験も実績もほとんどない新人の私に、理事長と木田さんが時間を取って会ってくださいました。理事長とともに会社を盛り立てようとしている木田さんの想いを聞いて、「この人たちの役に立ちたい!」という気持ちになったのを覚えています。その後、パーソルキャリアへ転職してからも、中途採用でお手伝いできることになりました。
木田氏:ただ、私自身は業務を後任に委ねていかなければならない立場でした。そのため総務部門に採用業務を任せるようになったのですが、これがなかなかうまくいかなくて。
林氏:はい。応募が思うように集まらず、苦戦する状況が続いていました。
木田氏:そういえば私が採用業務を離れたばかりのころ、林さんから夜遅くに電話がかかってきたことがありましたね。電話の内容は、当社に対する率直な悩みでした。「エージェントを業者のように扱っているのではないか」と。当時、新しい担当者との間で機械的なやり取りが続き、林さんのモチベーションが下がってしまっていたのでしょう。
林氏:木田さんはずっと一次面接を全て担当し、就活生・転職希望者とのファーストコンタクトの段階から転職希望者に熱く語りかけてくれていました。しかし担当変更の後は同じようにはいかなかったんです。それまでは同社の選考を通じて情熱を感じ取っていた転職希望者も、一次面接で次々に不合格や辞退となる状況が続き、人事・採用担当者も頭を悩ませていました。
木田氏:本当に転職希望者が集まらないのか、採用ができないのか、私自身が現状を知りたく、再び採用活動の現場に戻ったんですよね。
林氏:ただ、パーソルキャリア側でも組織上の都合から担当変更となり、私の後に2人の担当者がつきました。その間の2年ほど、東京美術紙工協業組合の採用を苦戦させてしまっていました。
木田氏:当時の担当者が悪いわけではありませんが、マニュアル通りの進め方をしているように感じました。このままでは、私のペースについてきてもらえないと思いました。
採用立て直しのために担当復帰。1カ月で成果を出した「相棒」との仕事
——木田さんの「ペース」とは。
木田氏:私は、受け取ったボールをすぐに投げ返すスピード重視のスタイルで仕事をしてきました。書類選考をするときには当日中に合否を判断して連絡します。それに対してエージェントが迅速に動いてくれれば、1週間のうちには面接日程が決まります。
当社は2回面接を行いますが、書類選考から採用条件通知書を出すまで、早ければ2週間ほどで進められるペースです。このスピード感なら他社には負けないはずですが、エージェントが付いてきてくれないと実現できません。
だから、無理を承知で林さんに「もう一度当社を担当してほしい」とお願いしたんです。一緒に当社の採用を立て直してほしいと。
林氏:そんなふうに言われたら、「もう一度やるしかない」と思いましたね。日本の人材業界で、東京美術紙工協業組合さんに最も価値を返せるのは自分しかいないという自負もありました。すぐ上長に直談判し、再び担当させてもらえることになりました。
木田氏:林さんは現在大阪に異動されていますが、当時は東京で担当してくださり、その後も変わらず引き受けてくれたんです。遠隔でのやり取りも増えるだろうし、東京にいる別の担当者さんと連携することが前提になると思いますが、それでも「林さんの息のかかる範囲でやってほしい」と思っていました。また、「doda」の他のサービスを活用する際にも、林さんに最初の窓口になってもらいました。林さんの息のかかった状態で全てのサービスが動くようにしてほしいとお願いし、それを了承してもらったんです。
林氏:今では人材紹介サービスだけでなく、ダイレクト・ソーシングなど他サービスの担当者とも連携していますし、同じ目線でワンチームで向き合えています。
木田氏:他の人材サービス会社だと、なかなかこうはいきませんよ。情報共有はしてくれていても、サービス提案の段階ではいろいろな部署から営業されます。私からすると対応が大変ですし、同じ企業の中で担当者がどう連携しているかも見えづらい。パーソルキャリアでは全て林さんを媒介して提案してくれるようになり、本当に助かっています。
採用活動の成果もすぐに現れました。それまでは約2年間にわたり採用実績ゼロだったのですが、林さんが担当に戻ってからは、1カ月で2名の採用が決まりました。

——木田さんは、なぜ林さんとの間でここまでの信頼関係を築けたのだと思いますか。
木田氏:企業とエージェントは、「相棒」の関係であるべきだと思っています。なぜなら転職希望者に対して、企業とエージェントは一枚岩になって魅力を伝えなければいけないからです。しかし、相棒と呼べる関係にまでなれるエージェントは少ないのが現実です。
そうした中で林さんは、当社や私のことを深く理解して、本質的な部分で接してくれています。受発注の関係を越え、時には耳の痛いことも含めて、何でも腹を割って話してくれます。当社に改善すべき点があれば遠慮なく指摘してくれる。まさに林さんは、私や当社にとっての相棒なんです。
企業と転職希望者の本音をぶつけ合う。AIには任せきれない中小企業の採用活動
——林さんから見て、東京美術紙工協業組合の採用活動のネックはどこにあるのでしょうか。

林氏:率直に言って、東京美術紙工協業組合さんに最初から好印象を持つ転職希望者は少ないのが実情です。
よく理由に挙がるのは「業界の将来性」。ペーパーレス社会の中で、製本業界の将来性に不安を感じる人が多いのです。また、社名と実際の業務のギャップもあります。「東京美術紙工協業組合」という社名を見て華やかな業務内容をイメージする方が多く、工場での地道な作業内容などを知ってギャップを感じる人も少なくありません。
木田氏:私たちもそうした点はよく認識しています。縮小している業界だからこそ、新規事業に力を入れ、徐々に形にしてきました。
ただ、転職希望者と接する際に自分たちを飾って見せることは絶対にしたくないと思っています。現状の課題をありのままに話していますし、現場での地道な仕事の様子も包み隠さず見てもらっています。
——転職希望者と向き合う中で大切にしていることは。
木田氏:転職希望者と接するときには、当社への理解を深め、興味を持ってもらえるように努めないといけません。
現在ではAIが企業情報を収集し、要約して転職希望者に伝えてくれるようになりました。しかしどんなにAIが進化しても、AIが私自身を全て理解することはできませんし、どんな転職希望者を求めているかも理解しきれないはずです。
しかし人材紹介サービスの多くはいま、「データベースを見て勝手に転職希望者へアプローチしてください」というサービスに変わりつつあります。そのほうがエージェントにとっても企業にとっても効率的な面があるのはわかります。しかし、私たちよりもたくさんの転職希望者を知り、たくさんのデータベースを見てきたエージェントのプロが介さないと、職務経歴書の行間にある転職希望者の本音が見えないのではないでしょうか。
林氏:最近では自分の市場価値を知るために登録だけしている人も多いです。ただでさえ転職活動にアクティブな転職希望者が取り合いになっている中で、条件競争だけを続けていても、持続可能な採用活動にはなりませんよね。
木田氏:中小企業の場合は、定量ではなく定性で人材とのマッチングを図らなければならない面もあります。「前職で何億円売ったか」よりも、「地道に営業回りをする覚悟があるか」が大事な場合もあります。そうやって人と人とのコミュニケーションを重ね、深く相互理解をしていかなければ、当社のような規模の企業では採用につながりません。
林氏:私自身もこれまでに工場内を何度も見学させていただき、従業員の方々ともたくさん話をさせていただきました。その実感値をキャリアアドバイザーなどの社内関係者と共有し、東京美術紙工協業組合さんのリアルな姿を伝えられるよう努めています。
企業の本気がエージェントを突き動かし、転職希望者へ熱を届ける
——現在の採用市場では、転職希望者の多くが引く手あまたの状況だと思います。最終的に自社に振り向いてもらうため、どんなことに取り組んでいますか。
木田氏:選考が進むと転職希望者には情が移って、「絶対に当社に来てほしい」と思うんですよね。採用条件通知書を出す際には、私はその強い気持ちのまま転職希望者にラブレターを書いています。あなたに来てほしい、あなたじゃなければダメなんだ。そんな想いを伝えるラブレターです。
とはい言え、最終的な口説きは「doda」にやってもらうしかありません。だから林さんにも「絶対に入社してほしい」と、熱く熱くお願いしています。転職希望者へ想いの丈を伝えるためには、エージェントにも熱を伝えないといけませんから。
林氏:さまざまな企業を担当する中で、お客さまそれぞれに合った勝ち方を提案できるのが「doda」の強みだと思っています。過去のデータベースもありますし、どんなアクションを取れば入社受諾まで行けるかという勝ち筋も知っています。
そうした勝ち筋を伝えた上で、本気で取り組んでいただけるのが木田さんなんですよね。入社承諾者に向けたラブレターを書いてくださるのもそう。絶対に妥協しない木田さんの姿勢があるからこそ、私たちも自信を持って転職希望者の背中を押すことができます。
——「木田さんのような人事・採用担当者を育てたい」と感じる企業も多いのでは。

木田氏:どうすればいいんでしょうか(笑)。それは私自身の悩みでもありますね。
林氏:ここはエージェントが大いに貢献できる部分だと思います。
おこがましい言い方になるかもしれませんが、東京美術紙工協業組合さんの採用力を高めたのは「doda」を通じてお手伝いしてきた私たちだという誇りがあるんですよ。採用市場のリアルな部分を伝え、その中で勝つためにやるべきことをとことん提案して、それに応えていただくまでやりきっているつもりです。
木田氏:林さんとの関わりをはじめ、「doda」との協働を通じて私たちが成長できたことは間違いありません。本当に感謝していますし、これからも相棒として期待しています。もちろん私たちも妥協しません。
言うまでもないことですが、私たち中小企業は採用市場で非常に弱い立場にあると思っています。エージェントに本気で自社に肩入れしてもらいたいと思うなら、エージェントに頼るだけではなく、まず自分たち自身が本気で採用活動に立ち向かわなければならないでしょう。
それこそが、「人と向き合う」人事・採用担当者の本質的な役割であるように思います。

doda人材紹介サービスの導入・採用成功事例
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