企画・マーケティング部門の中途採用市場レポート(2022年2月発行)

2022年2月発行
職種別マーケットレポート

企画・マーケティング部門

企画・マーケティング部門中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:マーケティング・広報職、企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)

2021年11月~2022年1月の求人数は、2021年8月~10月対比で増加傾向へ

マーケット概況

2021年11月~2022年1月における企画・マーケティング部門の求人数は、2021年8月~10月対比で115%の増加となっており、2021年9月以降からの大幅な増加が見られる。先行きが不透明な中においても、採用を完全にストップさせるのではなく、新規事業の進出、組織拡大への増員、マネジメント体制の強化、業務フロー再構築などに向けた動きを進める企業が多く見られ、マネジメント層などの即戦力求人の割合が特に増加傾向にある。
一方、登録者数に関しては、企画・マーケティング職は年末年始に繁忙期を迎えることも多く、例年通り鈍化傾向にはあるが、年明け以降徐々に動きが活発化している傾向にある。
求職者側は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、業績不振から退職を余儀なくされたり、希望退職などを検討するケースも増えていることから、将来に不安を抱き、今後の見通しが立たない現況を打破すべく転職活動を開始する方が増加。「現職以上に良いところがあれば転職を考えたい」「よりキャリアを高められる環境への転職を考えたい」という慎重に転職を進めたい方からの登録が多い傾向にある。また、40代以上のスキルフルな方の登録も増加しているため、即戦力として採用を検討する企業も増加している。
コロナ禍での就業環境の変化を受け、リモートワーク環境が整った企業を希望するなど、社会環境の変化に柔軟に対応できる転職先を希望条件に挙げる方が増えている。さらに、リモート環境下でのWeb面接を活用し、これまでより多くの面接を受けることが可能となっていることから、転職活動においても企業側、転職希望者側ともに環境変化への柔軟な対応が引き続き求められている。

採用成功のポイント

ポイントは「採用要件適正化」「スピード」「意向醸成」
配属部門からの増員要請で上がってくる採用要件には、任せたい業務内容に対してオーバースペックであるケースや、採用マーケットとのズレが生じているケースが多く見受けられる。募集時には現場と適切に採用要件をすり合わせ、採用マーケットを考慮した要件で進めていくことが採用成功のポイント。営業職や技術職と比べて対象となる母集団が小さく、継続的に求職者から応募がある状態にはなりにくいため、初回の母集団の中で採用に至らない場合は、採用活動が長期化することが多い。面接通過者には都度、評価点をフィードバックすることや事業・職務の魅力を伝えることにより、求職者は入社後に活躍するイメージを持ちやすくなり、入社に向けた意向醸成につながりやすい。

総じて、当該領域の採用に成功している企業に共通するポイントは以下3つ。

・募集を行うタイミングで、現場と適切な要件定義をする
・募集後の初回の母集団形成で、最終選考合格・入社まで進める「短期集中型」の選考を進める
・選考から採用条件の提示に至るまで、常に求職者の希望に沿う情報を提供する

また、Web面接導入により転職希望者の面接場所への移動コストが軽減され、面接を受けやすい状況下にあることから、選考期間は従来より短くなっている。求人数の伸びが大きいため、採用熱度が高い場合には、Webを活用して面接機会を増やし、採用検討していくことが採用成功のポイントになる。

企画・マーケティング部門の転職支援経験が豊富なキャリアアドバイザーチームが、貴社の担当営業と連携し、採用を支援します。お気軽に貴社担当営業にお問い合わせください。

マーケティング・広報職

ここがポイント
  • 依然として若手~ミドルの登録者が過半数。在宅勤務や副業の可否を重視する転職希望者も目立つように
  • 2021年11月~2022年1月の求人数は、 2021年8月~10月対比111%と増加
  • Afterコロナを見据え、多様な働き方、魅力的なキャリアパスなどを訴求ポイントに

マーケティング・広報職の登録者動向

登録者詳細
マーケティング・広報職の登録者詳細(2022年2月)

対象:2021年11月~2022年1月にdodaにご登録いただいた転職希望者

年齢
35歳以下の登録比率は約66%、依然として若手~ミドル層の登録者が過半数を占めている。同登録者層は転職せざるを得ない方に加えて、景況変化の不安は感じつつも「今よりも良い、安心できる環境」への転職欲求が引き続き高い。
職種
依然としてWebマーケティング(ネット広告・販促PRなど)の登録者がもっとも多いものの、他職種(販売促進・PR、広報、広告宣伝、その他マーケティングなど)の登録者数も追随。データアナリスト・データサイエンティスト、MDといった注目の職種の登録者も徐々に増えてきている。
志向性
現職の評価制度やキャリアアップの難しさに加え、コロナ禍における会社・部署の先行き不安により、転職を決断するケースが多い。与えられた職域での裁量の大きさを重視する傾向が強く、成果に見合う待遇を求める登録者の割合が多い。在宅勤務や副業を希望する登録者も多く、働き方に関する相談も増えてきている。

マーケティング・広報職の求人動向

求人マーケット動向
マーケティング・広報職の求人マーケット動向(2022年2月)

対象:2021年8月~2022年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

オフライン(展示会出展など)のマーケティング手法だけでなく、オンライン手法の検討や直接エンドユーザーとやりとりをするD2Cの広がり、デジタルマーケティングの積極活用から、自社サイトにおけるWebマーケティング、データ分析経験者などデジタル人材の求人数は依然として多い。
また、今後はコロナ禍に伴う社会の変化(働き方や生活スタイルなど)や個人の志向性のダイナミックな変化を捉えながら、新しいサービスや商品、マーケット・手法などを創造する必要性が高まるものと考えられる。そのため、時代や事業の変化に柔軟に対応できる、即戦力性の高い人材のニーズ拡大が予想される。

マーケティング・広報職の採用成功POINT

転職希望者の働き方に対する考え方・価値観の変化は顕著で、それに対してポジティブな対応・変革をしている会社なのかを見定める転職希望者が増加している。
オンラインを活用した選考や多様な働き方の訴求など、他社と差別化をすることで魅力的な人材の確保につながる。(例:リモートワークや時差出勤、フレックスタイム制度など/コロナ禍の緊急措置ではなく、恒久的な制度を整えることがポイント)。また、リモートワークが推進されることによって時短就業をしていた方がフルタイム就業へ切り替えるケースも見逃せないトレンドである。
加えて、経験者採用・ポテンシャル採用については以下がポイントになる。
≪経験者採用≫
コンサルティングファーム、広告代理店、事業会社の企画職などが採用競合となるため、競争率が非常に高い。経験者は引く手数多で企業のブランド力や処遇、ポストをドライに見比べる傾向が非常に強い。条件(処遇だけでなく入社後に期待していることや中長期のキャリアパス)で頭一つ飛び抜けた何かを訴求できる求人にする。あるいは、一次面接内でその点の具体的な情報提供をすることで、明確な動機付けをすることが採用成功のポイントとなる。
≪ポテンシャル採用≫
最低限必要な素地(数値に強い、折衝能力があるなど)を社内で明確に定義し、適切な採用要件のもとで採用スピードを上げることがポイントとなる(選考回数、結果通知までの日数を減らす、など)。また面接実施の際は、入社後のフォローアップ体制や人材育成にも力を入れている背景を伝えて、他社との差別化を図ることも重要。加えて、同領域の登録者は転職活動が難航して自信を失っている方も多いため、面接内外で期待値や評価点をフィードバックし、意向醸成を図ることも有効である。

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)

ここがポイント
  • 36歳以上の登録者が全体の約45%を占めるものの、若手の登録数も増加傾向にあり
  • 2021年11月~2022年1月の求人数は、 2021年8月~10月対比113%と増加
  • 自社の組織課題や任せたいミッションを明確に、入社後の業務イメージを湧かせ、選考の評価ポイントをフィードバックするなど工夫を

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の登録者動向

登録者詳細
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の登録者詳細(2022年2月)

対象:2021年11月~2022年1月にdodaにご登録いただいた転職希望者

年齢
総合職として他部署を経験した後に企画職に配属されるケースがほとんどのため、年齢層はやや高めとなり、36歳以上の登録者が全体の約45%を占める一方、若手層の登録も増加傾向にはある。
職種
全体の割合を見ると、商品・サービス企画が約37%、次いで事業企画・新規事業開発が約26%、経営企画と営業企画がそれぞれ約18%。中でも「DX推進」「M&A」「BPR」「SDGs」などの業務経験者は希少である。
志向性
30代前半までの若手は「より裁量が大きく、より挑戦できる組織へ」と考えており、30代中盤以降は「これまでの経験を活かし、新たな挑戦ができる組織へ」という希望で転職活動をするケースが多い。
コロナ禍をきっかけに、現職の業績不振や業界への不安で、エージェントを利用する転職希望者は増えている。面接時における企業側からの将来のビジョンや今後の事業見通しの情報提供も、意向醸成のポイントになっている。
また、どの年齢層も複数の企業の選考を並行して比較しながら進めるケースが大半のため、年収などの条件はもちろん、求職者のキャリア観・志向性と企業のビジョン・カルチャーとのフィット感など、定性面も企業選びの決め手となっている。

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の求人動向

求人マーケット動向
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の求人マーケット動向(2022年2月)

対象:2021年8月~2022年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2021年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

コロナ禍を追い風に、特にECやSaaSを中心としたインターネットサービス、製造業は引き続き採用熱度が高い。また、コンサルティングファームや代理店を中心に、これまで止めていた若手優秀層の採用を再開する企業も増えつつある。
職種別では新規事業開発や企業の成長戦略をリードできる事業企画、サービス・商品企画のニーズが引き続き活況。営業企画では、解析ツールを活用するデータ分析スキルを求める求人や、BPRなどの業務プロセスを改善する求人のニーズが多い。また、SaaS型ビジネスが活況となっているため「カスタマーサクセス」や「BtoBマーケティング」などの要素を求める求人も増加傾向にある。経営企画では、M&A経験者、中期経営計画策定経験者の求人が引き続き多い。新規事業推進に向け、プロジェクト推進業務経験者を採用したいという要望も増加しつつある。

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の採用成功POINT

転職希望者は「キャリアアップできるか」「事業・サービスに共感できるか」を重視する。そのため母集団形成の段階から具体的な業務内容や事業・サービスの理解度を高めることが重要。コロナ禍の影響などにより、40代以上の転職希望者も増加しており、入社後に携わるプロジェクト、将来のキャリアプランがあいまいな求人への応募を避ける傾向が強くなっている。
また、コミュニケーション能力や財務・経理の知見をもった若手層へのアプローチで採用成功している企業も傾向としてある。
オンライン選考が一般化しているため、面談形式で気軽にコミュニケーションを取れるスタイルの選考を実施する企業も増えつつある。優秀な人材へアプローチするスピードが早まっているため、柔軟な対応による早期の人材確保が求められている。
また複数企業を比較する転職希望者が大半のため、面接時の人柄・スキルの見極めはもちろん、「入社に向けた動機付け」が何よりも重要となっている。具体的には、自社の組織課題や任せたいミッションを明確に伝えること、入社後の業務やタスクをイメージできるまで落とし込むこと、選考段階における詳細な評価ポイントをフィードバックすることなどが必要だろう。
このようなアクションによって、ほかの選考企業との差別化が図ることができ、応募者に「入社の必然性」を感じてもらうことができる。

※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。

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