ITエンジニア
ITエンジニアマーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、中途採用市場における下記の職種についての登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※コンサルタント(業務/IT)、業務系SE/PG、Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア、Webクリエイター、サーバエンジニア、ネットワークエンジニア、社内SE、セキュリティエンジニア、データサイエンティスト
コンサルタント(業務/IT)
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で 95% と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で 101% と微増
- プロジェクトの具体業務・働き方など「具体的」なキャリアイメージを魅力訴求する
コンサルタント(業務/IT)の登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で95%となり、やや減少傾向で推移した。年度の後半に差し掛かり、転職意欲が高い層と情報収集層で二極化が見られる時期であり、夏場の動きの強さから一巡した影響も考えられる。
登録者の「希望職種」の内訳を見ると、「ITコンサルタント」が 43% と最も多く、次いで「社内情報システム(社内SE)」が 17%、「マーケティング・商品企画・広告宣伝」が 8%、「業務系アプリケーションエンジニア」が 7% と続く構成となった。コンサル領域への志向は引き続き強く、IT基盤・企画系の志望も安定している。
登録者の「入社決定職種」の内訳を見ると、「社内情報システム(社内SE)」が 37% と最多で、次いで「ITコンサルタント」 19%、「業務系アプリケーションエンジニア」 17% が続いた。自身の経験が活かせる職種での決定が中心で、即戦力としての転職が主流となっている。
同職種で多い転職理由としては、より上流や広範なプロジェクトへ関わりたいというスキルアップ志向が強い。20〜30代では、ワークライフバランスを重視してリモート環境や働き方を改善したいという声も目立つ。
トレンドとしては、コンサル経験者を求める企業が増えていることに加え、IT以外の大手企業でもDX推進の需要が高まっており、業界外への転職も散見される。短期の転職意思というより、市場価値確認のために登録するケースも増えている。
コンサルタント(業務/IT)の求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は前期比101%とわずかに増加しており、需要は安定して高い状況にある。四半期の切り替わりに合わせ、来期を見据えた採用活動を強化する企業が散見されることが増加の背景として考えられる。
求人内容としては、領域を細かく分けずに「インフラエンジニア」「ITコンサルタント」など大枠で募集するケースが増えており、若手よりも即戦力を求める傾向が引き続き顕著である。プロジェクトニーズに応じて、案件ベースで採用ポジションを増やす動きもみられる。
トレンドとしては、SIer、コンサルティングファーム、自社プロダクト企業のいずれも採用強化が続いており、IT人材市場は売り手優位の状態が継続している。即戦力採用とポテンシャル採用の二極化が進む中、未経験層を育成前提で採用する企業も増えつつある。
コンサルタント(業務/IT)の採用成功POINT
・転職希望者の入社意思決定ポイントとして「条件」と同時に重要視されるのが「具体的な働き方」と「キャリアの柔軟性」である。転職希望者のほとんどが、現職でもコンサルティングを行っている場合が多いため、事業課題や組織課題から自身に任せられるミッションや、働き方は他社とどのように違うかなど、具体的な担当プロジェクトの情報提供がポイントになりそうだ。合わせて、「将来の方向性」「キャリアステップ」など、入社前に将来のイメージを持ちたがる転職希望者は増えている。
・求人では、「DX」や「デジタル」、「AI」といったあいまいなワードが飛び交う傾向が強いため、自社の採用背景や目指したい未来(ビジョン)、現状の課題とそれに向けての目標(ミッション)などを具体的に情報提供できると採用の差別化につながる。そのため選考の初期段階から、上記のポイントを押さえた情報をさまざまな手段を活用してアプローチすることが肝要である。職種柄、多忙な方が多く、選考回数・結果出しスピードを重要視し、リードタイムの短縮も採用成功のポイントとなる。
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採用成功にむけてアドバイスします。
業務系SE/PG
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で95%と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で98%と減少
- 転職希望者のニーズとその背景を理解し、業務内容や働き方の入社後イメージを明確化・訴求する
業務系SE/PGの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、95%と減少した。
減少の背景として、半期切り替えのタイミングによる現職多忙なことから活動を控える方や、異動による転職理由改善の可能性を見越して活動を先送りする方が出てきていることから、減少傾向にあるとみられる。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が53%と圧倒的に多い。次いで「社内情報システム(社内SE)」が20%、「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が14%となっており、経験を活かした転職をする方が多い傾向だ。
登録者の「入社決定職種」の内訳を見ると、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が 58% と最多で、次いで「社内情報システム(社内SE)」 25%と続いた。自身の経験が活かせる職種での決定が中心で、即戦力としての転職が主流となっている。
同職種の転職理由として多いのは、より上流や最新技術を使ったプロジェクトに携わりたいとスキルアップを希望する方や、ワークライフバランスを重視し、リモートワークや残業時間を重視される傾向が見られる。また、生成AIの台頭によりエンジニアとしてこのまま開発を続けていくことの不安から、インフラやクラウド、セキュリティの領域にもスキルを広げていきたいという希望も増加傾向にある。
業務系SE/PGの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、98%と減少傾向である。
減少の背景として、上半期である程度の採用人数を確保できた企業が、下半期で採用人数を絞り、方針を切り替え始めたことが影響していると考えられる。
求人内容としては、第二新卒や若手向けのポテンシャル求人よりも即戦力として早期に活躍できる人材を求める傾向にある。
トレンドとしては、既存システムの刷新や内製化の流れから、開発経験やテストの自動化などの業務効率化の経験がある人材へのニーズが高まっている。
業務系SE/PGの採用成功POINT
・転職希望者が転職先に求めるポイントとしては、「上流工程への挑戦」「身に着けられる技術の幅」「自社開発の割合の高さ」「経験と開発環境の親和性」「働きやすい環境」などが挙げられる。さらにAIが普及する中で自身の市場価値や開発技術を着実に身に付けておきたいという考えから「キャリアパスの豊富さ」「携わる案件・プロジェクトを選択できるか」「スキルを高められるか」などが重視されている。一方、獲得できるスキルや経験よりも「安定した働き方や待遇が自身の希望に沿うものかどうか」を重視し、社内SEなどへの転職を希望する方も一定数おり、二極化している印象がある。
・求人の訴求ポイントとしては、「エンジニアのキャリアを考えながらアサインする仕組み」「資格取得のためのサポートがあるのか」などといった技術環境的なアプローチが有効だ。合わせて、前述の通り出社回帰の流れがあることから、「リモートワークの有無や頻度」「フレックス制度の有無」「労働時間の管理(固定残業手当ではなく業務時間に合わせて支給される残業代など)」といった働き方に関するアプローチを意識して伝えていくことが重要である。
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Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で98%と減少傾向
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で99%と微減
- 「開発環境」や「働き方」で、他社との差別化・自社独自の魅力を打ち出すべき
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、98%とやや減少傾向である。現職と比較し、待遇面や成長環境でより良いところがあれば転職を考える、という方が増えている印象だ。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「WEBサービス系エンジニア・プログラマ」が58%と圧倒的に多い。次いで、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が16%、「社内情報システム(社内SE)」は11%となっている。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が36%、次いで「WEBサービス系エンジニア・プログラマ」が32%と僅差になっている。自社プロダクト開発など一定採用要件が高いWEBサービス系エンジニアでの転職は難易度が高く、併願で受ける業務系アプリケーションエンジニアに転職する方がいることが要因と考えられる。
同職種の転職理由として多いのは、モダンな開発環境で経験スキルを積みたい、自社プロダクト開発に関わりたい、リモートワークを活用した働き方を実現したいといった傾向がみられる。
トレンドとしては、生成AIを開発現場やプロダクトに活用する動きだ。WEBサービス系エンジニアの方は情報感度が高い方が多く、AIをどれだけ業務に活用できているかを企業選びの判断材料の1つとしている方も増加傾向だ。
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、99%と微減傾向である。エンジニアの慢性的な人手不足は続いているため、引き続き同職種の採用ニーズは高い。また、即戦力となる人材の積極採用ニーズも高まっている。
求人内容としては、フロントエンドやバックエンド、PM/PLといったマネジメント、フルスタックエンジニアやPdMなど、求人名で「任せる業務内容」や「求める人材要件」をある程度絞る傾向が強い。一方、業務範囲が幅広い場合は、「WEB系エンジニア」と大枠で求人を出す企業もいる。
トレンドとしては、自社プロダクトを持つ企業の採用基準が難化し、より即戦力採用を強化する企業が増えている。生成AIの活用も進んでおり、コーディングをメインで行うポテンシャル層のエンジニア採用がより厳しくなることが予測される。
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの採用成功POINT
即戦力で活躍できる人材の採用競争は過熱しており、いかに他社との差別化を進められるかが重要となる。
業務での生成AI活用や、クラウド環境での開発といったモダンな環境で最先端の技術に触れられるかという点は、多くのWEBサービス系エンジニアが求める条件となる。
また、他職種と比べてリモートワークを希望する割合が高く、フルリモートなど出社頻度が少ない働き方が実現できることも転職希望者へのアピールになるだろう。
即戦力となる人材は引く手あまたのため、継続的な学習や資格取得に取り組んでいる若手優秀層にもフォーカスを当てて、採用活動に取り組むことも採用成功のポイントである。
自社だけでは難しい、選考段階における意向醸成も
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Webクリエイター
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で92%と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で94%と減少
- 若年層への魅力訴求に加え、ミドル・シニア層での転職希望者を採用要件に含める
Webクリエイターの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、92%と減少傾向である。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「web・モバイル」希望が77%と圧倒的に多い。次いで「マーケティング・商品企画・広告宣伝」が9%、「出版・広告・販促・印刷」が8%となっている。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「web・モバイル」が71%、次いで「マーケティング・商品企画・広告宣伝」が20%となっており、経験を活かした転職をする方が多い傾向だ。
同職種の転職理由として多いのは、より上流や大規模なプロジェクトに携わりたいとスキルアップを希望する方や、ワークライフバランスを重視し、リモートワークや残業時間を気にする傾向が強い。また、「入社前に聞いていた情報と異なる」という理由で転職を検討する方も一定数いるため、選考内や入社前の面談等で、企業-転職希望者間で認識のギャップが生じないコミュニケーションを心がけることも重要だ。
トレンドとしては、複数のエージェントを利用している転職希望者が増えている。また直近の経歴が、「正社員以外」の方が増えているのも特徴だ。
Webクリエイターの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、94%と減少傾向である。
減少の背景として、AIの導入により、人員削減・部署縮小の傾向が広まっていることが影響していると考えられる。
トレンドとしては、即戦力となる人材の採用が引き続き主流である。また、AI導入により、コーダーポジションの求人は減少している印象だ。
Webクリエイターの採用成功POINT
・自社のリモートワーク廃止に伴い(例:週3リモートからフル出社に変更など)、融通の利く働き方を求めて登録される方も多く見受けられる。そのため、ワークライフバランス・働き方(リモートワーク、フレックス制度)の環境をアピールすることが、採用成功のポイントの一つである。
・経験豊富なWebクリエイターを採用する企業が増えており、それに伴って採用の難易度も上昇している。特に、若手の優秀層は書類応募段階で企業側からの積極的な介入が見られ、その後の面接を通じて自社の魅力を伝えようとする動きが活発化している。
採用のプロが、どんな層を狙ってどんな魅力を打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
サーバエンジニア
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で93%と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で100%と横ばい
- 選考や面談を通じて「具体的な業務内容・キャリアステップ・働く環境」の情報提供がカギ
サーバエンジニアの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、93%と減少傾向である。
減少の背景として、サーバエンジニアやクラウドエンジニアなどインフラエンジニア領域においては、境目が分かりづらくなっていることに加え、サーバエンジニア=基本的には要件定義・設計・構築あたりまでの上中流フェーズが該当し、サーバ運用・サーバ監視など下流工程の分野は、インフラエンジニア(運用保守監視系)として一括りになりがちの為、登録者数値として分散されていると思われる。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「インフラエンジニア」希望77%、「社内SE」希望18%、「ITコンサル」希望5%と経験を活かした活動希望の方が多い傾向となる。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「インフラエンジニア」が61%、「社内情報システム(社内SE)」が23%、「業務系アプリケーションエンジニア・プルグラマー」が7%となり、希望職種同様、経験を活かせる軸での決定が多い印象となる。
同職種の転職理由として多いのは、「評価制度の不透明さ」、「就業環境の改善希望(働き方変更、就業先変更、契約形態の変更希望など)」、「上流工程へのスキルアップ」、「年収アップ」などが挙げられる。
トレンドとしては、「エンジニアファーストであり、エンジニアの希望・意向(リモートワーク・勤務地・就業時間などの働き方・環境面を含む)にどれだけ寄り添ってくれるか?」に重きをおいている転職希望者の方が多い印象である。また、「評価制度が可視化され明確である」、「資格取得や単価アップなどが昇給の重要要素ではない」、「お客様の評価や該当プロジェクトにおける成果がいかに自身の評価につながるか」などを重要視し、転職先を検討する方も多い。自己研鑽へのモチベーションだけではなく、実務におけるモチベーション維持が出来る環境を期待している印象も受ける。サーバエンジニアの領域だけではないが、エンジニア側(特に経験者)としては、やりたい領域・業務を選べる時代にもなってきているため、登録者マーケットの傾向や変化に合わせたフォローアップ体制、評価制度の見直しなども必要になってきていると感じる。
サーバエンジニアの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、100%と横ばいである。
横ばいの背景として、上半期を終えた企業も多く、求人内容、採用計画・採用方針・予算などの見直しや修正が入っているケースも多くあったと想定している。よって、単純な横ばいというより掲載終了と掲載開始が通常期より多い時期の為、刷新されたタイミングでもあったと想定される。
求人内容としては、サーバ、ネットワーク、クラウド、セキュリティなどの領域を明確に分けづらい求人が増えている。加えて、選考内で適性を見ながら領域判断されたい企業も増えているため、「インフラエンジニア」の大枠での求人掲載が増加している。
転職希望者の志向性として、「将来的にはプロジェクトマネジメントなどを担っていきたい」、「設計構築などの上流工程に携わりたい」といった要望は引き続き強いため、求人票内で「入社後の業務イメージ」・「キャリアパス」・「評価制度」を明確に伝えることが重要だ。その一方で、「在宅勤務をしたい」、「研修制度やフォローアップ体制が整っている」、「給与や働く環境が向上するなら転職を考える」といった環境面に言及したニーズも多くある。そのため「入社後はどのような待遇・環境で働けるのか」という点を具体的に訴求する必要があるだろう。
サーバエンジニアの採用成功POINT
求人票への記載だけではなく、選考や面談を通じて、転職希望者へ直接情報提供することが採用成功のポイントである。特に、「入社後の具体的な業務」、「キャリアステップ例」、「評価制度、モデルケースはどのようになっているのか」といった部分は、多くの転職希望者が気にするため、細やかな情報提供が重要だ。
即戦力となる人材においては、複数社から最終面接合格を獲得する方も多く、他社とのバッティングや比較競争となる。差別化を図るためには、上述した訴求ポイントのほかにも、転職希望者が求める情報を、素早く・絶えずに提供し、「転職希望者との継続的な接点づくり」を意識することも採用成功へのポイントである。
doda求人掲載サービスなら採用のプロが求人広告に何を記載すべきか、
転職希望者の意向をふまえてアドバイスします。
ネットワークエンジニア
- 2025年9月~11月の登録者数は、 前3カ月(2025年6月~8月)対比で91%と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、 前3カ月(2025年6月~8月)対比で99%と微減
- 「ワークライフバランスの実現」あるいは「給与・待遇面の改善」を訴求ポイントに
ネットワークエンジニアの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比で91%と減少傾向である。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「インフラエンジニア」希望72%、「社内情報システム(社内SE)」が14%、「営業事務・一般事務職」が7%となった。前3カ月対比で、社内SEと営業事務を希望する方が微増しており、経験を生かすのではなく、新たなキャリアにチャレンジしたいと考える方が一定数いることがわかる。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「インフラエンジニア」が53%、「社内情報システム(社内SE)」が21%、「ITコンサルタント」が6%となった。
トレンドとしては、現職の経験を活かした「インフラエンジニア」や「社内情報システム(社内SE)」を希望する方は「ワークライフバランスの改善」を目的に転職活動をしている方が多い。また、他職種へのキャリアチェンジしたい方も一定数いる。
ネットワークエンジニアの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月比で99%と微減傾向である。
採用難の職種のため、各社「求人票の内容をリッチ化」させる傾向が強まっている。即戦力となる人材を求める場合は、「キャリアアップにつながる業務内容(クラウド/セキュリティ関連の知見を活かせる等)」、「上流工程から携われる」等のアプローチが重要である。未経験者を採用する場合には、「育成環境・研修体制」の詳細記載がポイントだ。
働く環境や待遇面を気にする転職希望者が多いため、「リモート環境」、「夜勤の有無」、「モデル年収」も漏れなく求人内でアピールし、転職希望者の関心を集めることが採用成功ポイントの一つだろう。
ネットワークエンジニアの採用成功POINT
ネットワークエンジニアの転職状況は、「最新技術」や「大規模案件」、「グローバル」などの要素に強く影響を受ける。そのため「どんな案件に携われるのか」「どんな技術を扱えるのか」といった情報や具体的なプロジェクトと案件数などを開示できると訴求がしやすくなる。
またその際に、「自社で経験を積むと、その後にどのようなキャリアパスが描けるのか」といった転職希望者一人ひとりに合わせた訴求を展開することで、他社との差別化を図ることができるだろう。
さらに、求人票だけでは伝えられないような情報(例えば「育成環境」や「入社後の現場配属への流れ」、「現場経験からのステップアップ」など)は字面でのイメージがしづらいため、面接やオファー面談の機会に情報提供ができると良い。つまり合否のみを決める面接だけでなく、転職希望者の接点と親和性を高められる場として活用すると採用成功のつながっていくというものである。
一方、同領域で未経験の転職希望者は、採用要件を見て応募を躊躇するケースも多いため、「資格保有者であれば経験不問」など、一部の要件を緩和する内容を求人票に記載し、応募につなげやすくすることも重要だ。
さらに経験者にいたっては、複数社からオファーを獲得しているケースが多いため、競合と差別化を図るためには上述した訴求ポイントのほかにも、転職希望者が欲しい情報を絶えず提供することが大切である。
doda求人情報サービスなら、IT業界専任の担当者がエンジニア目線で
求人原稿に何を記載すべきかアドバイスします。
社内SE
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で92%と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で100%と横ばい
- 「ワークライフバランスの実現」あるいは「給与・待遇面の改善」を訴求ポイントに
社内SEの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、92%と減少傾向である。
減少の背景として、半期切り替わりで異動・昇給・昇進など現職での状況変化が生じたことや、年末にかけて業務が変化したことなどから、「転職活動に時間を割けない」・「転職の必要性を再検討する」といった方が一定数いたことが影響していると考えられる。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「社内情報システム(社内SE)」が68%と最多で、キャリアチェンジしない(職種を維持したい)という方が多いのが特徴だ。次いで「業務アプリケーションエンジニア・プログラマ」7%、「インフラエンジニア」6%と続いた。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「社内情報システム(社内SE)」が68%、次いで「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が15%、「サポート・ヘルプデスク」が8%となった。
同職種の転職理由としては、「現職のIT投資」、「現職のITシステム環境」、「現場の人間関係」などへの不満から転職を検討する方が多い。加えて、「より大規模な環境やサービスに携わりたい」、「ワークライフバランスをよりよくしたい」という希望の声も引き続き多い状況だ。
他職種と比較し、社内SEは「キャリアチェンジをしない(職種を維持したい)」という傾向がトップクラスに高い。そのため、現職よりも「より良い」就業条件(ワークライフバランス)、職場の雰囲気、IT環境などを求めて転職活動を行う傾向にある。また、若いうちにSIerやSESなどで従事した経験のある層が、安定した就業環境を求めて社内SEに転職するというケースも増えている。
社内SEの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、100%と横ばいである。
事業会社では、依然として業務改革や新規事業・サービス開発、社内システム、インフラ環境の安定稼働といったプロジェクトが拡大しており、経験者を求める企業が増えている。競争率の高い「即戦力となる人材」の採用はスムーズに進まず、求人掲載期間が延びてしまい、膠着状態となっている企業が多い。若手やポテンシャル層の新規求人登録は少ないため、引き続き「即戦力となる人材」を要件とした求人が多く残るだろう。
一方で、現場環境に余裕がある企業は「教育前提でのポテンシャル採用」に早期に切り替えており、採用活動を成功させている。ポテンシャル採用を積極的に行うか、もしくは業務や求めるスキル・経験に見合う高年収帯を提示しているか、この二つが採用成功のカギと思われる。
社内SEの採用成功POINT
社内SE転向への希望者は依然として多いが、ITエンジニア全体の採用ニーズも高く、採用競争は激化している。したがって転職希望者の目指すキャリアに合わせて、自社の事業戦略や「DX戦略で実現したい具体的な目標・世界観」「他社との差別化(競合優位性)」などを適切に訴求することが重要だ。
また、複数の企業を併願している転職希望者も多く、システムベンダーや自社サービス企業、コンサルティングファームなどから好条件を提示され、採用競合に負けてしまうといったケースも増えている。
社内SEを志望する転職希望者は、ワークライフバランスを重視して残業時間削減などの就業環境を求める傾向があるが、給与や待遇に関する要望も重要なポイントとなっている。これらの要望を把握し、適切にフォローして母集団形成や人材を採用したい。
doda人材紹介サービスなら、採用のプロが貴社と候補者の間に立って
採用成功に向けて伴走します。
セキュリティエンジニア
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で107%と増加
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で103%と増加
- 即戦力となる人材に加え、微経験・未経験も視野に入れると採用成功の可能性が拓く
セキュリティエンジニアの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、107%と増加傾向である。
増加の背景として、昨今のサイバー攻撃の増加や新しい技術や環境の変化に伴い、各社でセキュリティエンジニア需要が増しているため、「現職よりも更に条件面の待遇改善」を期待し、転職活動を検討する方が増加していると考えられる。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、同業種の「セキュリティエンジニア」が圧倒的で61%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が9%、「インフラエンジニア」が6%となっており、いずれにしても経験を活かした転職先希望が多数を占めている。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「セキュリティエンジニア」が59%、「社内情報システム(社内SE)」が15%、「サポート・ヘルプデスク」が7%、「インフラエンジニア」が7%と続いている。90%以上がITエンジニア職種への入社決定となっている。
同職種の転職理由として多いのは、インフラ領域の中でも専門性を有しエンジニアの希少性が高いポジションであり、かつセキュリティを希望する人は自己研鑽などを通じて自らセキュリティ領域を選んでいる方が多い傾向にある。そのため、専門性を活かし同職種への「待遇改善」を目指すエンジニアが多い。
トレンドとしては、昨今のサイバー攻撃やランサムウェア攻撃などに迅速に対応するために、従来のセキュリティの知見だけでなくAIや機械学習を活用したセキュリティ対策が求められると考える。
セキュリティエンジニアの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で、103%と増加傾向である。
増加の背景として、サイバー攻撃がニュース等で取り上げられる中、セキュリティエンジニアの需要がどの企業でも増えていることが影響している。今後も求人数の増加の継続は見込まれる。
求人内容としては、セキュリティエンジニアでも製品運用やSOC、脆弱性診断など担当業務が多岐にわたるため、それぞれのポジションごとに求人が立ち上がっているケースが多い。
転職希望者は「経験を活かしたい」という志向性の方が多いため、入社後の担当業務や任せるミッションを詳細に求人票に記載することが重要である。
セキュリティエンジニアの採用成功POINT
セキュリティ領域は、他職種(サーバ・ネットワーク)と比べて市場規模も小さいため、未経験で挑戦ができる求人数が少ない。一方、転職希望者の中には、同職種の専門性/需要の高さに魅力感じ、職種経験はないが自らセキュリティ関連の資格取得をし、キャリアチェンジを希望する方が一定数いる。
経験のある即戦力となる人材は、各社より引く手あまたで採用が難化傾向にあるため、未経験だが有資格の方/微経験者なども採用要件に含めることで、母集団形成が拡大する可能性が考えられる。
母集団形成のために、何をどう打ち出すべきか、データをもとにアドバイスします。
データサイエンティスト
- 2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月比(2025年6月~8月)対比で88%と減少
- 2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で 102%と増加
- 経験者・ポテンシャル層採用ともに業務の具体的な内容を訴求に反映する
データサイエンティストの登録者動向

対象:2025年9月~11月にdodaにご登録いただいた方。
2025年9月~11月の登録者数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で88%と減少傾向である。
減少の背景として、夏以降は転職活動の一時的な落ち着きが見られる時期であり、情報収集フェーズに留まる方も一定数いることから、登録者数が減少したと考えられる。
登録者の「希望職種」の内訳と見ると、「データサイエンティスト」が86%と最も多く、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」「社内情報システム(社内SE)」がそれぞれ4%、「データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャー」が3%と続く。データ分析領域での職種維持を希望する傾向は前回と同様に強い。
登録者の「入社決定職種」の内訳をみると、「データサイエンティスト」が65%と最多であり、「社内情報システム(社内SE)」16%、「データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャー」11%、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」8%が続く。データ活用に近い周辺職種へキャリアチェンジする動きも一定数みられる。
同職種の転職理由として多いのは、「スキル・専門性を高めたい」という意欲や、「より事業に近い環境で分析業務に取り組みたい」というキャリア志向、また働き方の柔軟性を重視する声も引き続きみられる。
トレンドとしては、データ活用ニーズの広がりから、データサイエンス職以外の職種でも分析スキルを活かせる場が増えており、社内SEやエンジニア職を含めた幅広い選択肢を検討する登録者が増加している。
データサイエンティストの求人動向

対象:2025年6月~11月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※6月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
2025年9月~11月の求人数は、前3カ月(2025年6月~8月)対比で 102%と微増傾向である。データサイエンス領域の採用ニーズは高い状態が続くものの、企業側がより精度の高い採用を進めていることから、採用枠の拡大は限定的となっている。
データサイエンス人材の採用においては、「即戦力となる人材の採用」に重点を置く企業が増加しているため、選考基準の見直しや、よりスキルマッチを気にする傾向が強くなっている。
求人内容としては、事業会社・代理店・SIer・コンサル企業など幅広い領域でデータサイエンティスト求人が継続して発生している。一方で、未経験者枠や育成前提のポテンシャル採用は減少傾向にあり、SQLやPythonなどの基礎スキルに加え、分析実務の経験やデータ活用プロジェクトに携わった実績など 「即戦力性」 を重視する傾向が強まっている。
トレンドとしては、DX推進は依然として強く、データ活用の重要性は高いまま維持されている。しかし採用基準は年々厳格化しており、単なる分析スキルに加えて 分析結果をビジネスに落とし込む力(課題設定・解釈・提案) の評価が高まっている。可視化・モデル構築・事業活用まで一貫して対応できる人材がより強く求められている状況だ。
データサイエンティストの採用成功POINT
データサイエンティスト経験者は、学生時代からデータ分析の知見を深めている場合や、業務内容に対する具体的な希望を持っていることが多い。そのため、求人票には業務内容(例:データクレンジングがメインなのか、提案まで行えるのか、など)やスキルだけではなく「取り扱うデータ数」、「対象の業界・分野」などについても明確に記載して求める人材を着実に採用していく戦略が求められる。
しかし実際には、データサイエンティストとして入社したが実はアナリストがメインで分析業務に留まっていたり、人材不足によりデータベースエンジニア業務を兼務していたりといった理由で、早期退職となってしまうケースも少なくない。だからこそ業務内容の詳細やポジション・組織におけるミッションを求人票や面接時にしっかりと明示していくことが必要だ。合わせて面接時は、転職希望者からも質問してもらう機会を設けるなどして、ミスマッチのないポジションを探していくことが重要である。
未経験者やポテンシャル層へアプローチする場合、求めるスキルや知識、成長をサポートする体制などを具体的に記載することで、応募を獲得しやすくなるだろう。
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。
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ITエンジニア中途採用マーケットレポート(2025年12月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス