応募が集まる求人広告の書き方とは?例文と注意すべき法律も紹介

求人広告コラム

応募が集まる求人広告の書き方とは?例文と注意すべき法律も紹介

2025.08.28

求人広告

近年の売り手市場により採用難易度は上昇しているため、求人広告に情報を羅列するだけでは応募は見込めません。効率的に自社が求める人材を採用するには、法律を順守しながら求人広告の原稿に工夫を凝らす必要があります。

本記事では、求人広告の効果的な書き方を例文と併せてご紹介します。転職希望者が応募したくなる求人広告を作成するための、参考にしてください。

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目次

効果の高い求人広告を書くために準備しておきたいポイント

転職希望者からの応募を集める魅力的な求人広告を書くために、以下に挙げた3つのポイントを押さえておきましょう。

効果的な求人広告を書くためのポイント

  • 求める人材像を明確にする
  • 自社に適した求人広告を利用する
  • 自社の魅力や特徴をまとめる

求める人材像を明確にする

求人広告を書き始める前に、まずは自社が求める人材像を具体化しましょう。「どのような人材を求めているのか」「どのような層に求人広告を見てもらいたいか」を言語化することで、転職希望者に伝えなければならない内容や優先順位が明確になります。

人材像が定まっていない状態で採用活動を実施すると、採用後のミスマッチにつながるリスクが高まります。
人材像を明確にすることは、自社が伝えたい内容を前面に押し出した訴求力の高い求人広告を作成するために欠かせないステップです。

自社に適した求人広告を利用する

一口に求人広告といってもその種類はさまざまであるため、自社に合う媒体を見極めることが肝要です。明確になった人材像に当てはめて、効果的に訴求できる広告媒体を選択しましょう。
以下に、求人広告の主な種類とその特徴をまとめました。

求人広告の主な種類と特徴

種類 特徴
求人広告サイト ・利用者が多く、幅広い層に周知できる
・自社が求める人材を、迅速に採用できる可能性がある
求人検索エンジン ・基本的に、求人情報の掲載期間や掲載数に制限がない
・どのような職種・雇用形態でも求人情報を掲載できる
自社の採用サイト ・自社に興味を持つ転職希望者を効果的に集められる
・サイトや求人情報の内容を自由に修正できる
SNS ・自社の価値観や理念を、身近な形で周知できる
・転職希望者と気軽にやりとりができ、入社後のミスマッチの防止につながる
求人情報誌 ・Web媒体を利用していない層にアプローチできる
・エリアを絞った採用活動ができる
求人チラシ ・特定のエリアに絞った採用活動ができる
・地域に根付いた求人内容の掲載で、地元の転職希望者にアプローチできる

上記の通り、広告媒体は主にWebと紙の2種類に分けられ、インターネットが普及した現代では、Web媒体を使った採用活動が主流の手法といえます。
Webの広告媒体を活用する際は、各ツールの特徴を確認した上で最良の選択を取りたいところです。

関連記事:求人媒体とは?種類や特徴、費用の目安と効果、注意点を解説

自社の魅力や特徴をまとめる

自社が求める人材像とそれに合う求人広告が明確化できれば、転職希望者に伝えたい自社の魅力や特徴をまとめます。単なる会社紹介で終わらないよう、入社する魅力やはたらくメリット、将来的に目指せるキャリアや年収、そして待遇など、詳細に記載することが理想的です。

また、自社の魅力をまとめる際は、転職希望者の目線に立って考えることも重要です。
例えば、経験者を採用したい場合に、「未経験大歓迎」「簡単な仕事」といった文言を並べると、ミスマッチな採用につながる可能性が高くなります。
転職希望者にとって、魅力的に映る内容を訴求できるように整理しましょう。

【項目別】応募が集まる求人広告の書き方と例

ここからは、以下の7項目に分けて求人広告の具体的な書き方を紹介します。

応募者を集める求人広告の項目別の書き方

  • タイトル・キャッチコピー
  • 職種名
  • 業務内容
  • 給与・待遇
  • 募集の背景
  • 会社紹介
  • 求める人材像

タイトル・キャッチコピー

求人原稿の顔ともいえるものが、タイトル・キャッチコピーです。転職希望者からの第一印象を左右する情報であるため、必要な情報を過不足なく盛り込んだ内容にまとめる必要があります。

30~40文字程度を目安として、自社の魅力がダイレクトに伝わるようなタイトル・キャッチコピー案を考えましょう。まずは、複数人で思い付くままに案を出し合い、人材像に当てはまる内容にブラッシュアップしていきます。
「自分が探していた会社だ」「具体的な求人情報を知りたい」と転職希望者が興味を持ち、次のステップへと行動を移す内容になっているか、社内で確認することをお勧めします。

タイトル・キャッチコピーの例

・【未経験者歓迎】◎カスタマーサクセス ◎年間休日120日 ◎平均残業時間10時間以下
・英語を活かせる【事務スタッフ】土日祝休み ◎基本定時退社 ◎平均年齢28歳
・社員のほとんどが未経験!【営業アシスタント】◎リモートOK ◎転勤なし

なお、いくら時間をかけてつくり上げたとしても、他社と似通っていては転職希望者の目に留まりません。他社との差別化を図るためにも、強いインパクトを与えられるようなタイトル・キャッチコピーを模索してみてください。

職種名

新たな就職先を探すに当たって、職種を気にしない転職希望者は少数でしょう。ほとんどの人材が確認するといえる職種名は、それほど転職希望者の関心を集める項目ということです。

例えば求人サイトに掲載する場合、職種別に分類されることが多く、求人一覧ページに同じ職種名が並ぶことも珍しくありません。つまり、関心度の高い職種名であっても、書き方を工夫しなければ転職希望者の目に留まらない可能性があるのです。

「営業職」「事務職」「販売職」などが職種名にあたりますが、採用広告に載せる際はそこに一工夫凝らしましょう。具体的には以下のイメージです。

職種名の書き方例

NG例 OK例
営業職 ・○○の営業 ◎年間休日120日以上 ◎転勤ナシ ◎入社半年で月収50万円以上も可能
・インサイドセールス ◎完全リモート勤務 ◎産休育休取得実績多数 ◎定時退社/残業ナシ
事務職 ・経理アシスタント ◎未経験大歓迎 ◎残業月10時間以内 ◎土日祝休み
・一般事務(データ入力など) ◎未経験/第二新卒歓迎 ◎経験不問 ◎最大10連休取得可
販売職 ・接客スタッフ ◎未経験歓迎 ◎Web面接1回のみ ◎年2回5連休可
・店長候補 ◎平均年収720万円/賞与年2回 ◎プライム上場グループ

このように、具体的な働き方がイメージできるよう、明確に書くことがポイントです。

なお、求人サイトによっては職種名に記載できる内容が制限されていることがあります。上記の例が必ずしも活用できるわけではない点にご注意ください。

業務内容

職種名と同様に、業務内容も転職希望者の関心度が高い項目の1つです。業務内容が魅力的に映らなければ、応募されない可能性があります。かといって魅力的に見せるためにうそを書くことも厳禁です。どのような業務を依頼することになるのか、事実に基づいてできるだけ具体的に書きましょう。

業務内容として載せる情報は、端的にわかりやすくまとめることがポイントです。専門用語や、自社の社員だけが理解できる独自の呼称を使用することはお勧めしません。自社が求めている人材像に当てはめた上で、転職希望者にとってメリットのある内容にまとめてください。

業務内容の書き方例【OA機器会社:営業事務】

注文データの入力作業や商品の在庫管理といった、営業事務の業務をお任せします。Excelを使った、請求書や発注書などの書類作成がメインです。書類作成は、すでにあるテンプレートに情報を入れるだけなので、未経験の方でも難しくありません。これまでExcelを使う機会が少なかった方も、慣れるまで先輩社員がサポートするので安心してご応募ください。

例えば、「簡単な仕事」「未経験でもできる」といった文言は、メリットとなりやすい一方で、根拠がなければ説得力に欠けてしまいます。上記のように「なぜ未経験でも難しくないのか」という理由を添えて転職希望者の安心感を高め、応募数の増加を図りましょう。

給与・待遇

給与・待遇は、入社後のトラブルを防ぐためにも慎重に記載しなければなりません。
詳しくは後述しますが、求人広告にて給与・待遇を記載する場合には、労働基準法や最低賃金法といった法律を守らなければなりません。応募数を増やしたいからといって虚偽の給与・待遇を記載すると、応募後や入社後のトラブルとなり得る点に注意してください。

まず給与欄には、賃金形態と基本給を記載します。基本給に幅がある場合は、下限と上限それぞれの金額を記載してください。
待遇面では、パートやアルバイト、契約社員、そして正社員などの雇用形態と正社員登用の有無、年間休日の記載も重要です。

給与・待遇の書き方例

【給与】月給20万円以上(固定残業代36,000円/20時間分含む)※20時間超過分は別途支給
【雇用形態】正社員
【休日】年間休日120日以上/完全週休2日制/年末年始休暇/年次有給休暇など

なお、固定残業制(みなし残業制)を採用している企業は、固定残業代の表記にも気を配りましょう。固定残業代を記載する場合は、上記のように「何時間分の固定残業代を支給するのか」「時間を超過した場合には別途手当を支給する」という点を明確に示す必要があります。

企業のイメージダウンを避けるためにも、給与はもちろん待遇も正確な情報を記載しましょう。

募集の背景

転職希望者にとって、「その企業がなぜ募集することになったのか」という背景は気になるところです。「欠員募集・増員募集」のいずれかを明示するだけでも、企業が求めていることを転職希望者自身が理解しやすくなります。以下の例を参考に、どのような内容を記載するか検討してみてください。

募集の背景の書き方例

NG例 OK例
欠員募集の場合 ・欠員が発生したため ・これまで担当していた社員が、退職するため
増員募集の場合 ・事業拡大のため ・市場の動向に伴い、社内の事業部拡大に向けて人員を増やす必要があるため

いずれの背景であっても「欠員の発生」「事業拡大」と一言で済ますのではなく、そこに至った理由を明らかにできる範囲で記載すると、転職希望者の納得感も高まるはずです。

会社紹介

会社紹介では、自社の事業内容や、扱っている商材の紹介を通して、「何をしている会社なのか」「どのような強みがある会社なのか」などをアピールします。こうした事実に基づいた情報では、ビジョンや理念も忘れずに伝えてください。

会社紹介の書き方例

当社は今年で創業15年を迎え、業界では高い顧客満足度を誇る会社です。成長速度が求められるため、年齢に関係なくさまざまなプロジェクトに携われる点が魅力の1つです。少数精鋭ですが、その分社歴や年齢にかかわらず一人ひとりが大きな裁量を持って活躍できます。

なお、会社紹介欄は求人広告によって掲載できるボリュームや、表示される場所が異なります。スペースに合わせて、転職希望者に対する期待や求人にかける想いなどを、メッセージとして盛り込んでもよいでしょう。

求める人材像

すでに冒頭で説明していますが、求人広告に載せる人材像はできる限り具体的に記載しましょう。転職希望者が「自分のことを指している」と認識しやすくなり、結果的に希望に合う人材からの応募が見込めるためです。

求める人材像があいまいだと、応募の数が担保できないだけでなく、採用後のミスマッチにつながるケースも考えられます。以下の例を参考に、記載する情報の粒度感を確認しておきましょう。

求める人材像の書き方例【IT企業:Webマーケティング担当者】

・チームで協力して、顧客と向き合える
・自ら考えて行動し、周囲のメンバーと主体的にコミュニケーションを取ることができる
・決められたフローに沿って、正確に業務を進めることができる
・デジタルマーケティングに興味がある
・データ分析や数値設定など、数字を扱う業務に興味がある

「このように行動できる人」「このような気持ちで働ける人」を軸に考えると、上記の書き方となります。ほかにも業種・業態によってさまざまな考え方ができるため、あらゆる角度で人材像を言語化してみてください。

求人広告を書くときに意識したいポイント

ここからは実際に作成する際のポイントも確認していきます。「求人広告からの応募が増えない」という結果を防ぐためにも、以下で紹介する5つのポイントを意識しましょう。

求人広告を作成する際に意識したいポイント

  • 自社のアピールポイントを洗い出す
  • 内容を具体的に記載する
  • 内容を詰め込み過ぎないように意識する
  • 良い点・悪い点の両方を記載する
  • 自社の雰囲気が伝わる写真を載せる

ポイント①自社のアピールポイントを洗い出す

まずは、転職希望者にアピールしたい自社の魅力を洗い出しましょう。給料が高いことなのか、残業の少ないことによるワーク・ライフ・バランスなのかなど、企業ごとにその魅力は異なります。創業から黒字経営が続いているのであれば、企業の安定性が魅力となるでしょう。

自社の強みを洗い出すことはもちろん、転職希望者に対するアピールの手法や伝え方も工夫する必要があります。

関連記事:【具体例あり】転職希望者を引きつける求人広告の魅力アップ術

ポイント②内容を具体的に記載する

企業の魅力を十分に伝えるためには、以下の5項目に分けて内容を考えることがお勧めです。

求人広告に載せる内容

項目 詳細
事業内容 ・企業そのものの魅力を伝える項目
・ビジネスモデルやビジョン、社会への貢献度など、自社の方向性を示す
仕事内容 ・求人広告で募集している仕事の魅力を伝える項目
・具体的な業務内容や仕事のやりがいなど、この項目で転職希望者が具体的にイメージできる粒度で示す
文化 ・企業文化や社風といった魅力を伝える項目
・企業の雰囲気をわかりやすく示す
社員 ・共に働く社員の魅力を伝える項目
・年齢や働いている社員のタイプなど、どのような想いで働いている社員がいるのかを示す
制度 ・入社することで得られる制度の魅力を伝える項目
・制度の利用状況や制度がつくられた背景など、社員に評判の良い制度をアピールする

中でも仕事内容は、すでに述べているようにできる限り具体的に書いてください。内容が薄く働くイメージが湧かないと、転職希望者は不安に感じて応募をためらってしまいます。

上記の5項目を軸に、募集の背景や求める人材像といった内容も含めて、求人広告の原稿を完成させましょう。

関連記事:その求人は転職希望者が知りたい情報が載っている?応募が集まる求人広告に仕立てる改善ポイントを解説

ポイント③内容を詰め込み過ぎないように意識する

求人広告の内容は具体的に記載することがポイントとお伝えした一方で、詰め込み過ぎると逆効果になる点には注意しなければなりません。
転職希望者に対してアピールしたい気持ちが前面に出ると、内容を詰め込み過ぎてしまうものです。しかし、情報が多過ぎる求人広告は、転職希望者が気後れしてしまい、かえって応募につながりません。

転職希望者の目線に立ち、情報量のバランスを見極めることが大切です。

関連記事:“あれもこれも”詰め込んだ求人票は逆効果!転職希望者にあわせた「求人票を分ける」メリットを解説

ポイント④良い点・悪い点の両方を記載する

自社の魅力をアピールする求人広告ですが、良いことだけを強調し過ぎることは避けましょう。企業側がネガティブと捉えている悪い部分も正直に記載することで、求人広告としての信頼度を担保できるためです。

良いことしか記載されていない求人広告は、転職希望者に警戒心を抱かせるだけでなく、入社後にミスマッチを起こすリスクがあります。
また、求人広告では伏せていた情報を後から伝えると、「それを聞いていたら応募しなかった」というように、転職希望者にマイナスな印象を与えることにもなりかねません。

どのような企業でも、良い面・悪い面の両方があるものです。自社の悪い部分も知った上で入社受諾してくれた人材であれば、入社後も良好な関係性を保てるでしょう。

ポイント⑤自社の雰囲気が伝わる写真を載せる

自社の雰囲気や職場環境などを、文字だけで伝えることは簡単ではありません。求人広告には、写真を載せられることも多いので、社員やオフィスの写真を載せて自社の魅力を十分にアピールしましょう。

ただ単に見栄えの良いきれいな写真ではなく、普段の業務の様子や職場の雰囲気が伝わるような写真を選ぶことが理想です。

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求人広告を書くときに注意しなければならない法律

求人広告を書く際には、以下に挙げた法律を必ず確認してください。法律を確認しないまま進めると、知らずに違反してしまうケースがあるためです。

求人広告で注意しなければならない6つの法律

  • 労働基準法
  • 労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)
  • 男女雇用機会均等法
  • 職業安定法
  • 最低賃金法
  • 著作権法

労働基準法

労働基準法は、労働条件の最低基準を定めた法律です。雇用する側、つまり求人広告を出す企業は、労働基準法で定められた基準以上で労働条件を決定しなければなりません。
例えば、労働時間や休暇、休日の条件は以下の内容で定められています。

法定の労働時間、休暇、休日

  • 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
  • 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
  • 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

そのほか、時間外労働やフレックスタイム制についても記載されているので、詳細を確認した上で、法律に触れない内容にまとめましょう。

(引用:厚生労働省『労働時間・休日に関する主な制度』)

労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)

労働施策総合推進法では、年齢を指定した求人を禁止しています。「50歳以上の管理職募集」「若い方限定募集」など、人材のスキルや適性ではなく、年齢で年齢を制限することが基本的に認められていません。
これは、労働者一人ひとりが持つスキルや適性を発揮できる機会が、年齢を理由に阻害されることを防ぐためです。

なお、例外的に年齢制限を設けることが認められるケースもあります。例えば、「長期勤続によるキャリア形成を図る観点での若年者の募集」という項目です。このケースでは、「職業経験は不問」をはじめ、クリアしなければならない要件を満たせば、例外での表記が認められます。

(参照:厚生労働省『募集・採用における年齢制限禁止について』、ハローワーク インターネットサービス『年齢制限該当事由について』)

男女雇用機会均等法

男女雇用機会均等法に基づき、特定の性別に制限した募集は法律違反となる可能性があります。男性や女性にかかわらず、いずれかの性別を限定、あるいは歓迎していると誤認されるような表現は避けてください。

「ウェイトレス」「営業マン」など、性別を限定していると誤認されるような職種名も厳禁です。法律に抵触しないためにも、「ホールスタッフ」「営業担当者」など、性別によって表現が変わらない言葉に言い換えましょう。

なお、芸術・芸能分野や守衛、警備など、特定の業務を遂行するための内容であれば、性別を限定することが例外的に認められています。
これ以外の分野で求人広告を作成する場合は、男女差にとらわれない要件の設定が必須です。

(参照:厚生労働省『男女雇用機会均等法のあらまし

職業安定法

職業安定法では、求人広告や募集要項を掲載するときに記載しなければならない項目が定められています。

職業安定法で定められている項目

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 就業時間
  • 休憩時間
  • 休日
  • 時間外労働
  • 賃金
  • 加入保険
  • 受動喫煙防止措置
  • 募集者の氏名・名称(企業名)
  • 派遣労働者として雇用する場合

なお、最初に提示していたものから、条件を変更しなければならないときは、変更した旨と変更前後の内容を記載する必要があります。
虚偽の記載でなくとも、転職希望者が誤解するような表示にならないように、細心の注意が必要です。

(参照:厚生労働省『労働者を募集する企業の皆様へ』、厚生労働省『求人企業の皆さまへ』)

最低賃金法

日本では最低賃金法によって、賃金の最低限度額が定められています。

最低賃金は、特定の産業で定められたものと地域ごとに定められたものの2つに分けられます。例えば、東京都の最低賃金は、2024年10月1日時点で1,163円となっているため、1時間あたり1,163円以上の賃金で雇用契約を結ぶ必要があるということです。

最低賃金法で定められた賃金未満で契約した場合でも、雇用主は最低賃金以上の給与を支払わなければなりません。最低賃金以上の賃金を支払わない場合は、50万円以下の罰則が科せられますのでご注意ください。

(参照:厚生労働省『地域別最低賃金の全国一覧』)

著作権法

求人広告は著作物に該当するので、著作権法が適用される点も押さえておきましょう。

転記した文章や写真を求人広告として掲載すると、著作権法に触れる恐れがあります。ここで注意しておきたい点が、作成された求人広告の著作権は掲載する側の広告主、つまり求人を出している企業ではなく、掲載される媒体側にあるということです。

求人広告に対して、差し止めが請求されるだけでなく、最悪の場合は法的措置が取られる可能性もあります。求人広告の文章だけでなく、図表や写真も著作物として扱われるため、無断で転用することは避けてください。

求人広告に記載すべき項目

すでに触れている内容ですが、改めて求人広告に記載しなければならない項目を整理しましょう。
求人広告には、職業安定法に基づいて以下の項目の明示が必須とされています。

求人広告に記載するべき項目

業務内容
契約期間
試用期間
就業場所
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
賃金
加入保険
受動喫煙防止措置
募集者の氏名・名称(企業名)
派遣労働者として雇用する場合

賃金の条件で固定残業制を採用する場合は、労働時間数を明示しないまま基本給に含めた記載はできません。「月○○時間分を時間外労働とみなし、○○円を支給する」という内容を別途明記してください。

最後の項目は、記載の通り派遣労働者として雇用する場合にのみ、「雇用形態:派遣労働者」といった記載が必要です。

いずれの項目も、正確な情報をわかりやすく具体的に記載することを心がけましょう。

記載すべき項目が入っていないとどうなる?

前述した項目が1つでも明記されていなければ、職業安定法違反となり、拘禁刑や罰金といった罰則が科せられます。

また、記載すべき項目は含まれているものの、求人広告で虚偽、あるいは誤解を生じさせるような表示も違反の対象です。実際に募集する企業とは違う企業名で求人広告を掲載する、また「正社員での募集」と記載していながら、実際にはアルバイト・パートとして採用するといったケースが該当します。

虚偽の表示で募集を行った場合は、職業安定法違反として「6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」の対象となるため、十分に注意してください。

応募が集まらない求人広告の特徴

求人広告からの応募が集まらないことには、さまざまな理由が考えられます。主な特徴と、対処方法を以下の表にまとめました。

応募が集まらない求人広告の特徴と対処方法

特徴 対処方法
仕事内容の情報があいまい 転職希望者が入社後のイメージを持てるように、できるだけ具体的に記載する
自社に合っていない求人広告を利用している 求人広告ごとの転職希望者層を把握した上で、採用したい人材像や層に合う媒体を選定・活用する
競合他社と比べて条件が劣っている 競合他社の条件を確認した上で、可能な限り条件を調整する

記事内で紹介してきた内容を網羅できていれば、応募が集まらないという事態は防げるはずです。想定していた応募数が確保できていない場合は、原稿そのものや、掲載する求人広告を見直すなどの対応を取りましょう。

求人広告の作成で注意したいこと

求人広告を作成する際は、法令遵守の観点以外にも注意しなければならない点があります。既出の内容と重複する部分もありますが、ここで挙げる3点は特に重要な内容のため必ずご確認ください。

求人広告の作成で注意したいこと

  • 禁止ワードを使わない
  • 明示すべき項目を外さない
  • ネガティブな情報を隠さない

注意点1.禁止ワードを使わない

求人広告の文章を考える上では、「性差別につながる表記」「年齢差別につながる表記」「特定の人物を差別・優遇する表記」「実態とは異なる条件の表記」の使用は避けてください。
これらは、禁止ワードと呼ばれるもので、使用すると各種法律に抵触する恐れがあります。

また、法律違反でなければ使ってよいわけでもありません。求人広告は、転職希望者はもちろん掲載企業など、さまざまな方が目にするものです。企業のイメージダウンとなり得るので、使おうとしている表記が問題ないかどうかは必ず確認しましょう。

注意点2.明示すべき項目を外さない

職業安定法によって定められている項目は、求人広告に漏れなく明示してください。

全ての項目を網羅できているかどうかが不安な人事・採用担当者もいるかもしれません。ほとんどの求人広告では、決められたフォーマットが用意されているため、最低限記載しなければならない項目が抜けてしまうことは防げるはずです。

特に、求人広告を初めて作成する場合は、必須の項目を事前に確認することをお勧めします。

注意点3.ネガティブな情報を隠さない

企業にとってネガティブな情報も、求人広告には隠さず正直に掲載しましょう。

ポジティブな情報だけを強調し過ぎると、転職希望者にかえってマイナスな印象を与える可能性があります。またミスマッチにより、入社後の早期離職につながるリスクも考えられます。

信頼感を抱いてもらうためにも、労働条件や企業の雰囲気など、ポジティブ・ネガティブ双方の情報を包み隠さずに伝えましょう。

効果的な求人広告を作成する流れ

求人広告からの応募数を増やして、自社が求める人材を採用するには、原稿の品質を上げることが重要です。効果的な求人広告を、一から作成する場合の流れを以下にまとめました。

効果的な求人広告を作成する際の流れ

  1. 求める人材像を明確にする
  2. 希望する人材に合う採用広告を選ぶ
  3. 競合他社の応募要件を分析する
  4. 自社の魅力が十分に伝わる原稿を作成する
  5. 応募要件を定期的に見直す

どのような求人原稿を作成するとしても、自社が求める人材像をまず明らかにしなければ、応募や希望する人材の採用は見込めません。このとき、1つの求人広告につき、人材像も1つに絞ることがポイントです。複数の人材像を基に原稿を作成すると、内容があいまいになり方向感がぼやけてしまいます。

上記に挙げた流れで、自社独自の強みを存分に押し出した求人広告をつくり上げましょう。

関連記事:求人広告とは?媒体ごとの特徴や費用・掲載までの流れを解説

効果的な求人広告を出すためには、人材像を明確にした上で必要な項目を具体的に明記することが大切

今回は、応募が集まる求人広告の書き方を、例文を添えて紹介しました。

求人広告を書く上では、自社が求める人材像に基づいて、職業安定法で定められた項目を具体的に明記しましょう。多くの転職希望者が安心して応募できるよう、良い面だけでなく、悪い面も正直に伝えることが大切です。

より効率的に自社が求める人材を採用するには、人材紹介サービスの利用も一案です。dodaが展開する「求人情報サービス」「doda ダイレクト」などを活用して、多様な転職希望者にアプローチを取りましょう。業界や職種ごとに、専任の担当者がサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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