ITエンジニア中途採用マーケットレポート(2025年9月発行)

2025年9月発行
職種別マーケットレポート

ITエンジニア

ITエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。

コンサルタント(業務/IT)

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で100%と横ばい
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で99%とほぼ横ばい
  • プロジェクトの具体業務・働き方など「具体的」なキャリアイメージを魅力訴求する

コンサルタント(業務/IT)の登録者動向

登録者詳細
コンサルタント(業務/IT)の登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で100%と横ばい傾向である。8月は直近1年間のうち、最多の登録者数となった。8月に増加した要因としては、転職活動の時間が確保しやすい夏季休暇があること、年内の転職を見越してこのタイミングから動き出す方が多いことなどが考えられる。主に、「働き方」や「環境面での改善」を求めて活動する方が多い印象だ。
■希望職種:コンサルタント(業務/IT)登録者が、転職先に希望する職種としては、「ITコンサルタント」が47%と圧倒的に多い。次いで「社内情報システム(社内SE)」が12%、「ビジネスコンサルタント」が8%となっている。
■入社決定職種:コンサルタント(業務/IT)登録者が、転職先に決定する職種としては、1位は「社内情報システム(社内SE)」で41%(前3か月比+11%)、2位「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」で27%(前3か月比+7%)、3位が「ITコンサルタント」で10%(前3か月比-7%)となった。
■トレンド:転職開始時に希望する職種は同職種(ITコンサルタント)が最多なのに対し、転職活動を経て決定した職種としては異職種(社内情報システム、業務系アプリケーションエンジニアなど)への転職が約7割であり、転職活動中や選考過程で、心境の変化が考えられる結果となった。ITコンサルタントを採用したい場合は、職種の魅力化訴求や意向上げが今後重要になるだろう。

コンサルタント(業務/IT)の求人動向

求人マーケット動向
コンサルタント(業務/IT)の求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で99%とほぼ横ばい傾向である。事業会社、SIer、ソフトウェアベンダ、Webサービスといった、さまざまな業種・業態で「DX」をテーマとしたプロジェクトが主流になっている点は相変わらずであるが、コンサル職においては通年採用も目立ち、数としては横ばいの結果となった。
■トレンド:依然求人数は多いが、決定割合は減っている為、充足率は下降傾向だ。決定割合が減っている要因としては、他職種への決定割合の増加(※登録者動向参考)に加え、コンサル職種を募集する企業数が増えたことで、競争率が高まっていると考えられる(例:SI企業もコンサル事業部を持つなど)。「コンサルタント」といっても業務範囲や企業により定義が様々である為、差別化や魅力訴求の具体性がより求められる市場と言えるだろう。

コンサルタント(業務/IT)の採用成功POINT

・転職希望者の入社意思決定ポイントとして「条件」と同時に重要視されるのが「具体的な働き方」と「キャリアの柔軟性」である。転職希望者のほとんどが、現職でもコンサルティングを行っている場合が多いため、事業課題や組織課題から自身に任せられるミッションや、働き方は他社とどのように違うかなど、具体的な担当プロジェクトの情報提供がポイントになりそうだ。合わせて、「将来の方向性」「キャリアステップ」など、入社前に将来のイメージを持ちたがる転職希望者は増えている。
・求人では、「DX」や「デジタル」、「AI」といったあいまいなワードが飛び交う傾向が強いため、自社の採用背景や目指したい未来(ビジョン)、現状の課題とそれに向けての目標(ミッション)などを具体的に情報提供できると採用の差別化につながる。そのため選考の初期段階から、上記のポイントを押さえた情報をさまざまな手段を活用してアプローチすることが肝要である。職種柄、多忙な方が多く、選考回数・結果出しスピードを重要視し、リードタイムの短縮も採用成功のポイントとなる。

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業務系SE/PG

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で95%と減少
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で98%と微減
  • 転職希望者のニーズとその背景を理解し、業務内容や働き方の入社後イメージを明確化・訴求する

業務系SE/PGの登録者動向

登録者詳細
業務系SE/PGの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で95%と減少傾向である。2025年1月からの登録者数推移を見ていくと、5月や8月は登録者の大幅増加の傾向がみられる。増加の要因としては、ゴールデンウイークや夏季休暇などの長期休暇のタイミングで、転職を考え始める方が多いことが想定される。
■希望職種:業務系SE/PG登録者が、転職先に希望する職種としては、1位が「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」で53%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が18%、「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が13%となった。前3か月と比べると、それぞれが占める割合の順位に大きな変動はない。
■入社決定職種:業務系SE/PG登録者が、転職先に決定する職種としては、1位が「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が54%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が29%となっており、経験を活かした転職をする方が多い傾向だ。

業務系SE/PGの求人動向

求人マーケット動向
業務系SE/PGの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で98%と微減傾向である。
■トレンド:業務系システムエンジニア(SE)やプログラマ(PG)の採用ニーズは依然として高いが、未経験者や微経験者への採用基準は厳しく、リーダーやマネジメントなど「即戦力」として期待できる層を採用要件にしている企業が多い。
一部企業では出社回帰流れがあり、「完全フルリモート可能」な求人は減少傾向である。一方で、転職希望者は「リモートワークができる環境」や「残業が少ない環境」といった柔軟な働き方の選択肢がある企業を希望する声が多い。またSES(システムエンジニアリングサービス)や客先常駐の仕事をしている場合は、「在籍企業からの評価が給与に反映される環境に行きたい」「希望する案件の経験が積めずスキルが身につかない」「案件を選べず運に左右されない環境で安定して技術を磨きたい」といった理由で転職活動を行うケースが多いようだ。

業務系SE/PGの採用成功POINT

・転職希望者が転職先に求めるポイントとしては、「上流工程への挑戦」「身に着けられる技術の幅」「自社開発の割合の高さ」「経験と開発環境の親和性」「働きやすい環境」などが挙げられる。さらにAIが普及する中で自身の市場価値や開発技術を着実に身に付けておきたいという考えから「キャリアパスの豊富さ」「携わる案件・プロジェクトを選択できるか」「スキルを高められるか」などが重視されている。一方、獲得できるスキルや経験よりも「安定した働き方や待遇が自身の希望に沿うものかどうか」を重視し、社内SEなどへの転職を希望する方も一定数おり、二極化している印象がある。
・求人の訴求ポイントとしては、「エンジニアのキャリアを考えながらアサインする仕組み」「資格取得のためのサポートがあるのか」などといった技術環境的なアプローチが有効だ。合わせて、前述の通り出社回帰の流れがあることから、「リモートワークの有無や頻度」「フレックス制度の有無」「労働時間の管理(固定残業手当ではなく業務時間に合わせて支給される残業代など)」といった働き方に関するアプローチを意識して伝えていくことが重要である。

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Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で102%と微増
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で98%と微減
  • 「入社意向醸成に向けた情報提供」と「選考スケジュールの早期化」がキーポイント

Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの登録者動向

登録者詳細
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で102%と微増傾向である。増加の背景としては、PHP等の動的型付け言語の市場ニーズの低迷からSIやOS系企業で働くエンジニアの案件待機が増加していること、またWebサイト制作に関わるマークアップエンジニアやWebデザイナーが生成AIの台頭により案件単価が低下したことにより将来性不安を感じ、転職活動を検討する方が増えていることが考えられる。
■希望職種:Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア登録者が、転職先に希望する職種としては、1位「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が61%、次いで「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が16%、「社内情報システム(社内SE)」が9%となっている。
■入社決定職種:Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニア登録者が、転職先に決定する職種としては、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が49%と最多。次いで「Webサービス系エンジニア・プログラマ」が27%、「社内情報システム(社内SE)」が24%となっている。
■トレンド:転職活動開始時には、職種維持(Webサービス系エンジニア・プログラマ)を希望していたが、転職活動中に多様なキャリアプランやキャリアパスの選択肢に触れ、結果的にキャリアチェンジ(業務系アプリケーションエンジニア、社内SE)をする方が一定数いるようだ。Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアを採用したい場合は、職種の魅力訴求や意向上げが今後重要になるだろう。

Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの求人動向

求人マーケット動向
Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で98%と微減傾向である。PHP等の動的型付け言語の市場ニーズの低迷に関連し、Webサービス系求人の全体数も減少したと考えられる。
■トレンド:3年以上の職種経験を持つ人材や、マネジメントポジションの採用に力を入れている企業が多い。しかし同じような層を狙う企業が多く、採用活動が難航しているため、若い人材を採用し、社内で育成する方針に切り替える企業も増えてきている。

Webサービス系プロジェクトマネジャー・エンジニアの採用成功POINT

同職種の経験者は引く手あまたのため、最終的な条件提示(特に待遇面)が入社の決め手となる。しかし、以下のフェーズ(段階別)の取り組みによっても入社意欲を高めることができるため、しっかりと抑えておくことが重要だ。

■応募検討段階
転職希望者は、関われる技術や環境(新しい技術への積極的な投資)、企業規模、希望のキャリアプランが叶うかどうか、などを総合的に考慮している。「リモートワークの有無・頻度」に注目する転職希望者が増えているため、制度や環境整備について発信することが重要だ。

■選考段階(書類選考通過後~意思決定)
希望するキャリアプランが実現可能かどうかだけでなく、会社やサービスの方針・将来性、社内に技術力の高いエンジニアが在籍している環境、技術勉強会などがあるかなど、社内の雰囲気や働く仲間との相性も注視しているため、面接時などの接点を活用してこれらの情報を届けることが大事である。

■その他
オンライン面接の導入や選考フローのシンプル化、土日の選考会の活用など、競合他社に遅れを取らないような選考体制構築と柔軟な対応も採用成功の重要な要素になる。

自社の魅力をどう訴求するか、スケジュール面でどう差別化するか…
自社だけでは難しい、選考段階における意向醸成も
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Webクリエイター

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で95%と減少
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で97%と微減
  • 若年層への魅力訴求に加え、ミドル・シニア層での転職希望者を採用要件に含める

Webクリエイターの登録者動向

登録者詳細
Webクリエイターの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で95%と減少傾向である。Webクリエイター関連職種に関しては、職業訓練校やWEBデザインスクールで学習後、一般企業での就業を目指す方、WEBデザインの経験を活かしてUI・UXデザイナーへのキャリアアップを目指す方が依然として多い。
■希望職種:Webクリエイター登録者が、転職先に希望する職種としては、現職の経験を活かせる「Web・モバイル」が74 %で最多。内訳としては「Webディレクター」と「Webデザイナー」への希望が強い傾向だ。次いで「マーケティング・商品企画・広告宣伝」が8%、「出版・広告・販促・印刷」が7%となっている。
■入社決定職種:Webクリエイター登録者が、転職先に決定する職種としては、「Web・モバイル」が69%で最多、次いで「マーケティング・商品企画・広告宣伝」が21%、「営業事務・一般事務」が4%となった。

Webクリエイターの求人動向

求人マーケット動向
Webクリエイターの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で97%と微減傾向である。
■トレンド:即戦力となり得る人材の採用が引き続き主流となっている一方で、若年層のポテンシャル採用の動きも広がっている。特に「Web(UI・UX)デザイナー」といった、マーケティング要素の強いデザイナーやディレクター関連の求人ニーズは各所で増加を続けている現状だ。

Webクリエイターの採用成功POINT

・自社のリモートワーク廃止に伴い(例:週3リモートからフル出社に変更など)、融通の利く働き方を求めて登録される方も多く見受けられる。そのため、ワークライフバランス・働き方(リモートワーク、フレックス制度)の環境をアピールすることが、採用成功のポイントの一つである。
・経験豊富なWebクリエイターを採用する企業が増えており、それに伴って採用の難易度も上昇している。特に、若手の優秀層は書類応募段階で企業側からの積極的な介入が見られ、その後の面接を通じて自社の魅力を伝えようとする動きが活発化している。

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サーバエンジニア

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で109%と増加
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で97%と微減
  • 転職希望者が欲しい情報を絶えず提供、求人票での訴求は転職後の活躍イメージを明確に伝える

サーバエンジニアの登録者動向

登録者詳細
サーバエンジニアの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で109%と増加傾向である。
■希望職種:サーバエンジニア登録者が、転職先に希望する職種としては、「インフラエンジニア」が67%と最多、次いで「社内情報システム(社内SE)」が19%、そして「ITコンサルタント」が5%となっている。
■入社決定職種:サーバエンジニア登録者が、転職先に決定する職種としては、「インフラエンジニア」が63%と最多、次いで「社内情報システム(社内SE)」が37%となった。
■トレンド:転職活動を始めるに当たって、「より高度な技術を身に付けたい」「上流工程に関わりたい」「年収を上げたい」といった前向き・上昇志向な理由が多いが、一方で働き方に関して「ワークライフバランスを整えていきたい」といった声も多く聞かれるようになってきた。昨今、リモートワーク制度などを廃止する企業も多くなってきており、働き方を優先する転職希望者が多くなっている傾向である。

サーバエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
サーバエンジニアの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で97%と微減傾向である。新年度を迎えたタイミングで採用計画の見直しから、求人数減少に寄与したと考えられる。また、サーバー、ネットワーク、クラウド、セキュリティなどの領域を明確に分けづらい状況から、「インフラエンジニア」の大枠で求人掲載する企業が増加しており、「サーバエンジニア」限定の求人が減少した要因と考えられる。
■トレンド:大手・中小のSIerや、自社サービスを持つ企業、コンサルティングファームなどは、採用強化が見受けられる。しかし、多くの企業が「同じ経験を持つ人材の採用」「即戦力」を狙っているため、結果、採用が難航する現状となっている。

サーバエンジニアの採用成功POINT

転職希望者の志向性としては、「設計構築などの上流工程に関われる」「仮想化・クラウド周りの経験を積むことができる」といった要望が多く、求人票での訴求は転職後の活躍イメージを明確に伝えることが重要だ。
その一方で、「在宅勤務をしたい」「給与や働く環境が向上するなら転職を考える」といった環境面に言及したニーズも複数ある。
そのため「転職後はどのような業務に関わり、どのような待遇で働けるのか」という点を具体的に訴求する必要があるだろう。
そのほかにも「転職後のキャリアアップや、入社後に詰める具体的な経験(案件)」「入社後のキャリアパスや教育制度、モデルケースはどのようになっているのか」といった情報の面接時での提供や、オファー面談などを通じてミスマッチを防ぐことに努めるなど細やかな工夫も大事である。これらが意思決定の重要な要素となるため注力したい。
一方で、複数の企業から採用(合格)を獲得する転職希望者もいるため、バッティングも激しい。そこで差別化を図るためには上述した訴求ポイントのほかにも、転職希望者が欲しい情報を絶えず提供して接点を切らさないことも大切である。

サーバエンジニアを採用するためには何を打ち出すべき?
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転職希望者の意向をふまえてアドバイスします。

ネットワークエンジニア

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で108%と増加
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で98%と微減
  • 「ワークライフバランスの実現」あるいは「給与・待遇面の改善」を訴求ポイントに

ネットワークエンジニアの登録者動向

登録者詳細
ネットワークエンジニアの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で108%と増加傾向である。25年8月は、直近1年間で過去最高の登録者数となった。
■希望職種:ネットワークエンジニア登録者が、転職先に希望する職種としては、「インフラエンジニア」が78%で最多、次いで「社内情報システム(社内SE)」が14%、「営業事務・一般事務職」が5%となった。「社内情報システム(社内SE)」、「営業事務・一般事務職」を希望する方が、前3カ月対比で微増した。現職の経験を生かすのではなく、新たなキャリアにチャレンジしたいと考える方が一定数いることがわかる。
■入社決定職種:ネットワークエンジニア登録者が、転職先に決定する職種としては、「インフラエンジニア」が39%、「社内情報システム(社内SE)」が37%、次いで「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が7%、「プリセールス」5%、「マーケティング・商品企画・広告宣伝」4%となった。これまでの経験を活かした職種に決定される方が前3カ月対比で減少しており、異なる職種への転向が少しずつ増えている点が特徴である。
■トレンド:現職の経験を活かした「インフラエンジニア」や「社内情報システム(社内SE)」を希望する方は「ワークライフバランスの改善」を目的としている方が多い。また、入社決定職種の傾向から、他職種を目指すキャリアチェンジ層も一定増えていることがトレンドである。

ネットワークエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
ネットワークエンジニアの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で98%と微減傾向である。転職希望者数は同3か月で増加したが、求人数が若干減少したことにより、本職種においては買い手市場に近づく結果となった。そのため、採用を予定している企業は早急に採用要件を明確にし、他社との差別化や、求人の魅力化などの整理を行う必要があるだろう。転職希望者数増加の恩恵を得やすいはずだ。
■トレンド:経験者採用の場合、転職希望者が働き方の改善を求めて転職活動を行うケースが多い。これを受けて求人の訴求ポイントとしては、「キャリアアップ(クラウド/セキュリティ関連の知見を活かせる など)を実現できる」「上流工程から携われる」や、「年収など待遇面の改善が果たせる」といった条件面の打ち出し、加えて「フルリモート/一部リモートワークができる環境」といった環境面でのアプローチが有効になるだろう。近年、各社は自社の魅力をアピールするために、詳細な情報を求人票に記載するようになっている。しかし、採用の体制や手法を見直すことも重要である。特に、経験者の転職事例がやや減少している昨今では、ネットワークエンジニアの将来性などを強調することが求人では求められるだろう。さらに、未経験者を採用する場合には、「夜勤がない就業体制であること」や「育成環境が整っていること」、あるいは会社の制度面に関心を持つ転職希望者が多いため、それらの情報を積極的に求人票に盛り込むことが必要だ。企業はこれらのポイントを明確にアピールすることで、転職希望者の関心を引きつけることができるはずだ。

ネットワークエンジニアの採用成功POINT

ネットワークエンジニアの転職状況は、「最新技術」や「大規模案件」、「グローバル」などの要素に強く影響を受ける。そのため「どんな案件に携われるのか」「どんな技術を扱えるのか」といった情報や具体的なプロジェクトと案件数などを開示できると訴求がしやすくなる。
またその際に、「自社で経験を積むと、その後にどのようなキャリアパスが描けるのか」といった転職希望者一人ひとりに合わせた訴求を展開することで、他社との差別化を図ることができるだろう。
さらに、求人票だけでは伝えられないような情報(例えば「育成環境」や「入社後の現場配属への流れ」、「現場経験からのステップアップ」など)は字面でのイメージがしづらいため、面接やオファー面談の機会に情報提供ができると良い。つまり合否のみを決める面接だけでなく、転職希望者の接点と親和性を高められる場として活用すると採用成功のつながっていくというものである。
一方、同領域で未経験の転職希望者は、採用要件を見て応募を躊躇するケースも多いため、「資格保有者であれば経験不問」など、一部の要件を緩和する内容を求人票に記載し、応募につなげやすくすることも重要だ。
さらに経験者にいたっては、複数社からオファーを獲得しているケースが多いため、競合と差別化を図るためには上述した訴求ポイントのほかにも、転職希望者が欲しい情報を絶えず提供することが大切である。

情報提供がカギのネットワークエンジニア採用。
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求人原稿に何を記載すべきかアドバイスします。

社内SE

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で100%と横ばい
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で97%と微減
  • 「ワークライフバランスの実現」あるいは「給与・待遇面の改善」を訴求ポイントに

社内SEの登録者動向

登録者詳細
社内SEの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で100%と横ばいである。8月は直近1年間のうち、最多の登録者数となった。増加の背景としては、夏季休暇期間にてキャリアの見直しを検討される方が増えたことや、年内の転職を目指される方が活動を本格化させるなど、様々な要因が考えられる。
■希望職種:社内SE登録者が、転職先に希望する職種としては、「社内情報システム(社内SE)」が73%最多で、キャリアチェンジを望まない(職種維持)方が多いのが特徴である。
■入社決定職種:社内SE登録者が、転職先に決定する職種としては、「社内情報システム(社内SE)」が68%、次いで「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が13%、「インフラエンジニア」が8%となった。
■トレンド:社内SEは、そのまま同職種を希望し、転職を決定する方の割合が、他のIT職種と比較してもトップクラスに高い傾向だ。そのため、転職先には、現職よりも「より良い就業条件」や「環境改善」を求めて転職活動を行う傾向にある。また、若いうちにSIerやSESなどで従事した経験のある層が、安定した就業環境を求めて社内SEに転職するというケースも徐々にだが増えつつある。

社内SEの求人動向

求人マーケット動向
社内SEの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で97%と微減傾向である。事業会社では、業務改革や新規事業・サービス開発、社内システム、インフラ環境の安定稼働といったプロジェクトが拡大しており、社内SEのニーズは増しているものの、即戦力性のある人材を求める企業が増えている。そのため、エージェントのみならず、他の採用チャネルや手法で採用活動を行う企業が増え、求人依頼先が分散していることが、求人数減少の要因として考えられる。
■トレンド:現在公開している求人が採用苦戦していることから、25年度下期に入っても新規求人の増加は想定されにくい。求人の傾向としては、即戦力となる採用とポテンシャル採用の二極化が目立つ。IT人材市場は売り手市場となっているため、「教育前提でのポテンシャル採用」のに切り替える企業も増えている。採用活動を成功させている企業の特長としては、ポテンシャル採用を積極的に行うか、高年収帯を提示しているか、この二つが挙げられる。

社内SEの採用成功POINT

社内SE転向への希望者は依然として多いが、ITエンジニア全体の採用ニーズも高く、採用競争は激化している。したがって転職希望者の目指すキャリアに合わせて、自社の事業戦略や「DX戦略で実現したい具体的な目標・世界観」「他社との差別化(競合優位性)」などを適切に訴求することが重要だ。
また、複数の企業を併願している転職希望者も多く、システムベンダーや自社サービス企業、コンサルティングファームなどから好条件を提示され、採用競合に負けてしまうといったケースも増えている。
社内SEを志望する転職希望者は、ワークライフバランスを重視して残業時間削減などの就業環境を求める傾向があるが、給与や待遇に関する要望も重要なポイントとなっている。これらの要望を把握し、適切にフォローして母集団形成や人材を採用したい。

社内SE採用に必須の選考段階での入社意向醸成・リードタイム短縮・魅力点の訴求。
doda人材紹介サービスなら、採用のプロが貴社と候補者の間に立って
採用成功に向けて伴走します。

セキュリティエンジニア

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で110%と増加
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で104%と微増
  • 育成を前提にした採用枠拡大や詳細な業務内容の情報開示で応募を集める

セキュリティエンジニアの登録者動向

登録者詳細
セキュリティエンジニアの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で110%と増加傾向である。他のIT職種と比べると登録者数は少ない職種ではあるが、25年8月は直近1年間で最多の登録者数となった。
■希望職種:セキュリティエンジニア登録者が、転職先に希望する職種としては、「セキュリティエンジニア」が最多55%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が10%、「インフラエンジニア」が7%という結果になった。
■入社決定職種:セキュリティエンジニア登録者が、転職先に決定する職種としては、「セキュリティエンジニア」が38%、次いで「社内情報システム(社内SE)」が21%、「インフラエンジニア」が17%となった。
■トレンド:前回レポート(2025年6月号)では、入社決定職種がセキュリティエンジニア「78%」であったのに対し今回は「38%」となり、職種維持した方が減少した。経験を活かす転職だけではなく、新たなキャリアへのチャレンジを希望する方が増えていることが見受けられる。この現象の原因は、一過性である可能性も考えられるが、セキュリティは独立した分野としてではなく、NW・SVなど他領域の知見と親和性がある職種のため、キャリアの選択肢が広く、他職種へもチャレンジしたいと思う方が増えたのかもしれない。

セキュリティエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
セキュリティエンジニアの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で104%と微増傾向である。クラウド環境の台頭からセキュリティ領域の重要性およびニーズは増す一方である。ポテンシャル採用に取り組む企業も一部いるが、セキュリティ分野の事業を確立している企業に留まっている印象だ。事業会社のセキュリティエンジニアの求人は、ガバナンス統制や下地を整備できる即戦力を求める求人が多い傾向である。

セキュリティエンジニアの採用成功POINT

登録者の入社決定職種の分析から、経験者採用を今後伸長したい場合は、他領域や他職種へのキャリアプランを明示しながら「キャリアの選択肢が多い就業環境」であることを訴求するのがポイントだろう。専門性が高い分野のため、セキュリティに特化した業務内容やキャリアパスに焦点を当てる求人や企業が多い中で、「他職種へもチャレンジできる」という情報は、他社との差別化にもつながるだろう。
未経験やポテンシャル層の登録者には、育成体制の整備を進めたうえで、昨今のセキュリティの重要性から「セキュリティエンジニアの市場価値の高さ」をブランティングし、魅力を訴求することが重要である。

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データサイエンティスト

ここがポイント
  • 2025年6月~8月の登録者数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で99%とほぼ横ばい
  • 2025年6月~8月の求人数は、 前3か月(2025年3月~5月)対比で99%とほぼ横ばい
  • 経験者・ポテンシャル層採用ともに業務の具体的な内容を訴求に反映する

データサイエンティストの登録者動向

登録者詳細
データサイエンティストの登録者動向(2025年9月)

対象:2025年6月~8月にdodaにご登録いただいた方。

■登録者数:2025年6月~8月の登録者数は、前3か月比で99%とほぼ横ばいである。25年8月は直近1年間で最多の登録者数となった。
■希望職種:データサイエンティスト登録者が、転職先に希望する職種としては、「データサイエンティスト」が74%と最多、「データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャー」が5%、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」「研究開発・R&D」がそれぞれ4%、そして「社内情報システム(社内SE)」「マーケティング・商品企画・広告宣伝」「ITコンサルタント」「Webサービス系エンジニア・プログラマ」がそれぞれ3%であった。
■入社決定職種:データサイエンティスト登録者が、転職先に決定する職種としては、「データサイエンティスト」が43%で最多、「業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ」が14%、「社内情報システム(社内SE)」が14%、「データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャー」が8%、「インフラエンジニア」が6%、「アプリケーション・ミドルウェア・デバイスドライバ・ファームウェア」「ITコンサルタント」「マーケティング・商品企画・広告宣伝」がそれぞれ5%であった。
■トレンド:転職活動開始時には職種維持(データサイエンティスト)を希望していたが、転職活動中に多様なキャリアプランやキャリアパスの選択肢に触れ、結果としてキャリアチェンジをする方も一定数いるようだ。

データサイエンティストの求人動向

求人マーケット動向
データサイエンティストの求人マーケット動向(2025年9月)

対象:2025年3月~8月にdodaにいただいた求人件数と登録者数
※3月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

■求人動向:2025年6月~8月の求人数は、前3か月比で99%とほぼ横ばいである。
■トレンド:DX推進の影響により、事業会社や代理店などでのデータサイエンティストのニーズは依然として高いものの、未経験者の育成枠を設ける企業は減少傾向にある。そのため、データサイエンティストを目指すには「自己研鑽」「資格取得実績の有無」「SQLやPythonの使用経験」など、一定レベル以上の基礎知識や実務経験が求められる傾向が強まっている。

データサイエンティストの採用成功POINT

データサイエンティスト経験者は、学生時代からデータ分析の知見を深めている場合や、業務内容に対する具体的な希望を持っていることが多い。そのため、求人票には業務内容(例:データクレンジングがメインなのか、提案まで行えるのか、など)やスキルだけではなく「取り扱うデータ数」、「対象の業界・分野」などについても明確に記載して求める人材を着実に採用していく戦略が求められる。
しかし実際には、データサイエンティストとして入社したが実はアナリストがメインで分析業務に留まっていたり、人材不足によりデータベースエンジニア業務を兼務していたりといった理由で、早期退職となってしまうケースも少なくない。だからこそ業務内容の詳細やポジション・組織におけるミッションを求人票や面接時にしっかりと明示していくことが必要だ。合わせて面接時は、転職希望者からも質問してもらう機会を設けるなどして、ミスマッチのないポジションを探していくことが重要である。
未経験者やポテンシャル層へアプローチする場合、求めるスキルや知識、成長をサポートする体制などを具体的に記載することで、応募を獲得しやすくなるだろう。

データサイエンティストを採用するためには、求人票にどんな情報を記載すればよいのか?
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※こちらのPDF版レポートは、経営者や人事・採用担当者の課題解決を手助けするWebメディア「d’s JOURNAL(ディーズジャーナル)」byパーソルキャリアからダウンロードできます。

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ITエンジニア中途採用マーケットレポート(2025年9月発行)ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス

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