2025.05.02
中途採用のキホン
転職希望者へ直接アプローチできる「ダイレクト・ソーシング」では、スカウトメールの文面が成功を左右するといっても過言ではありません。
「この会社で働きたい!」と思ってもらえるスカウトメールを書くには、いくつかのコツを押さえる必要があります。
そこで本記事では、スカウトメールを書く際に意識したいコツをお伝えします。業種別の例文も紹介しますので、ダイレクト・ソーシングを活用したい人事・採用担当者はご参考ください。
dodaでは、さまざまな採用支援サービスを提供しています。各サービスの詳細や資料請求・ご相談については、以下からお気軽にお問い合わせください。
目次
- スカウトメールとは
- スカウトメールの件名の書き方
- スカウトメールのNG例・OK例
- 業種別 ・スカウトメールの例文
- 条件別・スカウトメールの例文
- スカウトメールを再送する際の例文
- スカウトメールを書く上でのポイント
- ポイント①誰に・何を・どのように伝えるのか明確にする
- ポイント②冒頭で自社に入社するメリットを明示する
- ポイント③待遇や福利厚生を具体的に記載する
- ポイント④会社説明は簡潔に記載する
- ポイント⑤ネガティブワードの使用を避ける
- ポイント⑥誤字・脱字に気をつける
- スカウトメールを送る際のポイント
- スカウトメールに反応してもらえない原因
- スカウトメールの効果的な活用方法
- スカウトメールが注目されている背景
- スカウトメールを活用して、転職希望者に「攻め」のアプローチを
スカウトメールとは
企業が転職希望者に対して、自社への応募を促すために送るメール、あるいはその手法を「スカウトメール」と呼びます。
ダイレクト・ソーシングサービスのデータベースを参照し、特定の条件に合致した人材にメールを送付することで、自社の求める人材へより効果的にアプローチできます。その後、転職希望者から返信があれば、面接の日程調整などの採用プロセスを進めていくのが一般的な流れです。
求人広告をはじめとする従来の採用方法との大きな違いは、転職希望者からの応募を待つ「受け身」ではなく、企業自らアプローチする「攻め」の採用である点です。転職希望者よりも求人の数が多い売り手市場の昨今、スカウトメールを有効活用することで転職希望者に自社の存在を知らせて、興味を抱いてもらえるようになります。
スカウトメールの件名の書き方
「スカウトメールのコツ」と聞くと、メール本文をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、返信率を高めるには、まずタイトルを工夫する必要があります。なぜなら、スカウトメールを開封してもらうことが最初のステップであるためです。
転職希望者に「開封してみよう」と思わせられるタイトルを考えましょう。
具体的なNG例とOK例を以下に挙げます。
スカウトメールの件名の書き方
NG例 | OK例 | |
---|---|---|
例① | 当社で営業職を募集しています | 【未経験・入社1年目で平均月収45万円】商品力が高いから営業未経験でも稼ぎやすい! |
例② | 未経験からITエンジニアにチャレンジしませんか? | 50人の未経験者をゼロからITエンジニアに育てた研修があります |
上記のNG例に共通しているのは、当たり障りのない件名であるという点です。対し、OK例では企業の魅力が伝わるよう、具体的な情報を盛り込んだ件名となっています。
例①では、「稼ぎやすい」という独自の魅力を「商品力が高いから」という根拠とともに伝えています。これによって、転職希望者が「どんな商品なんだろう」「この仕事なら楽しそう」と興味を抱いてメールを開封してくれるかもしれません。
また例②では、業界未経験の転職希望者に安心感を与えるため、未経験でもITエンジニアという専門職で活躍できる理由として、研修制度をアピールしています。
このように、スカウトメールを受け取った転職希望者に興味を抱かせる内容や、転職に伴う不安を払拭できるような要素を件名に盛り込むことがポイントです。
スカウトメールのNG例・OK例
NG例
まずはNG例を取り上げます。
初めまして。株式会社○○の採用担当です。
弊社は××という事業を展開しており、さまざまなサービスや商品を取り扱っています。
代表の△△は雑誌やTV番組など、数多くのメディア出演歴があります!
年間売上は○○円を達成し、この勢いのまま業界トップクラスの企業へと成長するため、今後も新規事業を立ち上げていく予定です。
今回は営業職を募集いたします。研修制度が充実しておりますので未経験の方もご安心ください。
少しでもご興味がありましたら、求人ページで詳細をご覧になった上でぜひご応募ください!
NG例の特徴
- 送り主が誰なのかがわからない
- 自社に関する情報が多い
- 強みに関する部分の根拠が明示されていない
上記のNG例では、「株式会社○○の採用担当」ということしかわからず、受け手は親近感を抱くことができません。また、転職希望者が欲しい情報ではなく、自社の情報が冒頭から長く続いてしまっています。
さらに「研修制度が充実している」「未経験でも安心できる」という、転職希望者が求めている強みの部分が漠然としており、説得力に欠けています。
OK例
NG例を踏まえた上で、OK例の文面も見てみましょう。
初めまして。株式会社○○の採用担当の■■と申します。
ご経歴を拝見し、◇◇社でのご経験を、弊社で現在募集している△△のポジションで活かしていただけると思い、ご連絡いたしました!
未経験可の営業職を希望されているという点からも、弊社であればご期待に沿える環境が用意できると考えております。
当社で働く魅力の一部をご紹介させてください。
———————
◎充実の研修制度を完備。未経験でも1カ月以内に成約!
営業職が未経験でもノウハウをつかめる、実践的な研修制度が整っています。
弊社ではこれまでに5人 の営業職未経験者が入社していますが、その全員がこの研修を受け、入社1カ月以内に成果を出しています。
◎1年に2回、昇給の機会をご用意!
未経験の方は月給○円からのスタートですが、毎年6月と12月の2回、昇給のチャンスがございます。
1回で月給2万円昇給するので、成果次第では1年に4万円の昇給も可能です。
———————
いかがでしょうか。
ほかにもお伝えしたいことがいろいろとありますので、ぜひ一度、直接お話をさせていただければと思っております。
お返事をいただければ、カジュアル面談の日時のご案内をお送りいたします。
もちろん、「このまま選考に進みたい」というご要望がございましたら、その旨もお伝えください。
それでは、お返事を心よりお待ちしております!
OK例の特徴
- 送り主の名前が明記されている
- 根拠が明示されている
- 転職希望者がメリットをイメージできる情報が盛り込まれている
NG例と異なり、上記のOK例では全体的に情報の具体性が高く、また転職希望者が求めている情報に絞られています。転職希望者目線で見ると自分にスカウトメールが送られてきた理由も明示されているため、「自分に向けたものだ」という気持ちで読めるでしょう。
さらに、情報を具体的に伝えつつも必要最低限に絞り込み、「詳しく聞きたいのであればカジュアル面談かエントリーへ」と、次のアクションにつなげている点もポイントです。
業種別 ・スカウトメールの例文
業種によって、スカウトメール内でアピールすべきポイントは異なります。以下では、転職希望者に魅力を感じてもらえるスカウトメールの例文を業種ごとにご紹介します。
なお、以下でご紹介するのは業種ごとのメール本文のみです。冒頭のあいさつと、文末のカジュアル面談の案内は先ほどの「OK例」をご参照ください。
営業職
先ほど、NG例・OK例では未経験者を対象とした営業職のスカウトメールの例文を取り上げましたので、ここでは経験者に向けた例文を紹介します。
Web履歴書を拝見させていただきました。
営業職で活躍されてきたあなたに、その能力をぜひ当社でも活かしていただけないかと考え、ご連絡を差し上げました。
当社の営業職で働く魅力の一部をご紹介させてください。
———————
◎新規開拓は一切なし!インバウンド営業で80%以上の受注確率
当社の営業職では、新規開拓は一切ありません。
独自性のあるコンテンツを公式サイトで発信しているため、コンテンツ経由でのお問い合わせを毎日いただいています。
受注確率は80%以上!営業職経験者であれば、既存のノウハウですぐに成果を出せます。
◎インセンティブ制度完備で月収40万円以上も可能!
営業経験のある方の月給は、28万円以上をお約束しております。
詳細な給与は、面接でご相談の上決定させていただきたいと考えております。
その上で、弊社にはインセンティブ制度もあるため、成果次第では月収40万円以上も可能です。
———————
同職種の経験者にアプローチする場合は、「前職と比較される」と意識しましょう。インバウンド営業のため新規開拓の必要がなく、さらに高収入を実現できるという点は、営業職経験者にとって非常に魅力的なポイントとなり得ます。
なお収入については、「高収入が狙える」だけでは根拠がなく、かえって怪しく感じられる可能性もあるため、基本給やインセンティブ制度に言及することをお勧めします。
商材が売りやすく、結果それが売上やインセンティブにつながっているのであれば、商材の強みについて言及しても良いでしょう。
ITエンジニア
Web履歴書を拝見し、○○開発のご経験を弊社で活かしていただけると考え、ご連絡をさせていただきました。
弊社では、リリースから半年で100件以上のお問い合わせをいただいているプロダクト『△△』を開発しております。
既に多くの導入成功事例を生み出しており、お客さまのご要望に応えるべく、現在はエンジニア採用を強化しています。
弊社について、詳細は以下をご覧ください。
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▽ワークスタイル
・残業時間:月10時間程度(定時で帰宅しているメンバーも多くいます)
・リモートワーク・時短勤務:OK
・年間休日:120日以上
・エンジニア人数:6人(男性4人、女性2人)
※弊社代表も現役エンジニアです!
▽開発言語
Java、Pythonなどを用いています。
▽案件事例
・株式会社○○様:システム開発・運用
・○○株式会社様:完全移行支援
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在宅でも業務が完結するITエンジニアは、転職先企業の条件としてリモートワーク可能であることを重視する傾向があります。ほかにも、時短勤務やフレックスタイム制など、ワークライフバランスを充実させられる制度があれば明記しましょう。
また、転職希望者自身のスキルと現場のミスマッチを防ぐために、業務内容や開発言語も記載されていると安心です。開発言語に関しては正式な表記が決まっているため、現場のITエンジニアにメール文面をチェックしてもらうことをお勧めします。
事務職
Web履歴書を拝見し、5年間にわたる総務のご経験を活かしていただけると考え、お声がけをさせていただきました。
弊社では現在、経理・財務などを担うバックオフィスの強化に力を入れている次第です。
簡単ではございますが、弊社で働く魅力をご紹介させてください。
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◎月給○万円以上、賞与・昇給年2回、年間休日120日以上
ご経験者の方には○万円以上のスタートをお約束しております。
昇給の機会が年に2回ございますので、さらなる収入アップも可能です。
◎女性管理職多数在籍
弊社では、育児と仕事を両立している女性管理職も多数在籍しております。
お子様の体調不良などで早退・お休みが必要になったときもご安心いただける環境が整っています。
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事務職をはじめとするバックオフィスは、業務内容が各社似通っていることがあります。自社を魅力的に感じてもらうためには、待遇や勤務条件をていねいに説明することが大切です。
また、女性管理職が活躍している部署で、女性の転職希望者にスカウトメールを配信するのであれば、その旨を伝えるとモチベーションを高められる可能性もあります。
大型トラックドライバー
ドライバー経験者で無事故・無違反の安全運転記録のあるあなたなら即戦力として活躍いただけると思い、ご連絡いたしました。
弊社のトラックドライバーのお仕事では都内23区内の固定ルートで、精密機器を配送いただきます。
詳細は以下をご覧ください。
———————
◎定時で帰れる勤務形態
固定ルートの配送ですので、基本的には定時帰宅が可能です。
月平均残業時間は10時間以内ですので、大幅に残業することはございません。
勤務時間は8:00~17:00、年間休日120日以上です。
◎平均給与35万円
経験者の方には月収35万円からのスタートをお約束しております。
詳細な給与については、面接でしっかりとご相談させていただければと思います。
———————
トラックドライバーのスカウトメールでは、給与体系や休日数、拘束時間といった条件を明確にしましょう。また、運行エリアや車両タイプといったトラックドライバーならではの勤務条件を明記しておくことも大切です。
経験者にスカウトメールを送る場合は、経験の有無だけでなく、安全運転記録にも言及すると「自分のスキルを見てくれた」という信頼を抱かせることにつながります。
介護・医療サービス
Web履歴書を拝見しました。
介護職としてご活躍されてきた経験を、弊社で新規オープンするデイサービス施設で活かしていただけると考え、ご連絡いたしました。
5年間の現場経験のあるあなたであれば、施設の中核を担っていただけると考えております。
弊社で働く魅力の一部をご紹介します。
———————
◎ワークライフバランスを重視!
年間休日120日以上で、有給取得率は80%以上です。
従業員のワークライフバランスを大切にしております。
◎ご家庭との両立が可能な環境
独自の育休制度をご用意しております。
また、女性管理職も多数在籍しているため、ご家庭の都合でお休みの取りやすい環境です。
———————
介護職には労働環境や、待遇に不満があり転職を考えるケースも少なくありません。そのため、介護職のスカウトメールでは、ワークライフバランスに関する内容や、給与が前職より高く提示できそう な場合は給与面も併せて言及すると良いでしょう。
特に新しい施設のスタッフなど、即戦力を求める場合は転職希望者にとって前職が比較対象となります。そのため、人間関係や職場環境など、自社ならではの強みも盛り込んでみてください。
条件別・スカウトメールの例文
転職希望者の中には、管理職ポジションでの入社や、育児離職からの復帰 を考えているケースもあります。このような少し特殊なケースでも、スカウトメールで意識すべきポイントが異なります。
管理職
マネジメントのご経験を活かしていただけると考え、ご連絡させていただきました。
弊社は3年間で毎年成長率●%達成、××領域における業界No.1のシェア獲得など、右肩上がりに成長中です。
それに伴い、現在弊社では、IPOを視野に入れた事業拡大と人員の大幅な増加を予定しております。
あなたには、ご経験を活かして弊社事業の中核となる部長職をお任せしたいと考えております。
組織づくりのほか、部署内の予算など、全体の裁量権をお任せする予定です。
少しでもご興味を持っていただけましたら、一度カジュアル面談というかたちでお話の機会をいただけないでしょうか。
管理職ポジションで経験者を採用するのであれば、スカウトメールの書き方も管理職を意識したものとなります。具体的には、募集の経緯や入社後に任せたい業務を詳細に書きましょう。
また管理職の場合、スカウトメールの文面では自社のアピールを控えめに抑え、自社で働く魅力についてはカジュアル面談で話すことをお勧めします。
これは、管理職経験者の場合は前職で既に重要なポジションに就いており、一般社員よりもメリットを実感している可能性が高いためです。
育児離職からの復帰希望者
子育てと両立できるお仕事をお探しであれば、ぜひ弊社をご検討ください!
弊社であれば、毎日定時退勤が可能です。また、お子様の体調不良など、必要な時にはお休みを取ることができます。
当社の強みは以下をご覧ください。
———————
◎子育てと両立している社員多数!
子育てと仕事を両立している社員が、管理職にも多数います。
そのため、急なお休みが必要になったときも快く受け入れてくれる環境です!
◎月平均残業時間は10時間以下
残業はほぼありません。
管理職も18時過ぎには退勤しているので、保育園のお迎えや晩ご飯の準備にも間に合います。
———————
育児離職した転職希望者が望んでいることは、子育てと仕事の両立です。そのため、スカウトメールの文面ではその点に絞って自社の強みをアピールしましょう。
上記の例文では、「管理職も残業していない」という旨を明記することにより、役職を問わず定時で退勤できることが伝わります。
また、残業や休日といった制度以外の面で併せて訴求したいポイントが、周囲の人間関係です。「同じような境遇で働いている仲間がいる」ということが伝わると、転職希望者にとって安心材料となります。
スカウトメールを再送する際の例文
スカウトメールを送付しても、何らかの理由で転職希望者から返信が来ないことは往々にしてあります。その際は改めてメールを送ると、たとえ1通目は反応がない場合でも2通目でリアクションを得られる場合があります。
なお、スカウトメールを再送する目安は状況にもよりますが、1通目の送信から3~4営業日ほどたってからとすると良いでしょう。
例文は以下をご覧ください。
たびたびのご連絡、失礼いたします。
株式会社○○の採用担当の■■でございます。
先日、弊社の○○職に関してご案内のメールを送らせていただきましたが、その後ご検討はいかがでしょうか。
ご転職の意向が今すぐになくとも、ご興味をお持ちいただけると幸いです。
ぜひともお話をさせていただきたいので、ご返信を心よりお待ちしております。
不明点などがございましたら、遠慮なくご連絡ください。
何とぞよろしくお願いいたします。
まずは「たびたびのご連絡、失礼いたします」「先日、メールを送らせていただきましたが~」と記載し、初めての連絡ではないことに触れます。その上で、本文は1通目の内容を使い回さず、新規に作成することが大切です。
「この前も同じメールが来たけど、忘れていてとりあえずメールを送ったのかな?」と誤解されては、自社の信頼が落ちてしまいます。再送だからこそ、ていねいなフォローを心掛けましょう。
スカウトメールを書く上でのポイント
上記でお伝えした以外でも、業種・シチュエーションに限らず、スカウトメールを書くに当たって意識したい基礎的なポイントがあります。以下で解説する6つのポイントを押さえましょう。
ポイント①誰に・何を・どのように伝えるのか明確にする
まずは「誰に」「何を」伝えるのか?を明確にした上で、伝え方を工夫することが何よりも大切です。
誰に
「誰に」、つまり対象は誰なのか?が明確でなければ、スカウトメールを受け取った転職希望者は「なぜ自分にこのメールが送られてきたのか」が理解できません。「自分のために送られてきたものだ」と理解することで初めて、求人に興味を抱きます。
欲しい人材の条件に一致する転職希望者に対し、「あなたの○○という経歴を活かせます」といったように、個別に魅力が伝わる文言を盛り込みましょう。
何を
「何を」伝えるのか?は転職希望者により異なります。例えば、収入を増やすことを重視している転職希望者には給与面を訴求し、働き方に重点を置いているのであれば勤務時間や休暇に関する情報を詳細に伝えます。
どのように
同じ情報を伝えても、伝え方によって転職希望者が興味を持ってくれるか否かは異なります。そのため、「どのように」伝えるのか?も非常に重要です。
一読しただけで自社の魅力が伝わるようなキャッチフレーズを取り入れたり、文章をコンパクトにまとめたり、といった工夫を考えましょう。
ポイント②冒頭で自社に入社するメリットを明示する
転職希望者が、自社に入社することで将来的に得られるメリットを冒頭の段階で訴求することも、スカウトメールのポイントとして挙げられます。例えば、年収や将来のキャリアパスを提示すると、向上心の高い転職希望者は「この会社に入れば、こんな良い未来が待っている」とイメージしてくれます。
ポイント③待遇や福利厚生を具体的に記載する
転職希望者にとって、待遇や福利厚生は転職先候補を判断するための重要な基準の一つです。スカウトメールでも具体的に記載することで、返信してもらえる可能性が高まります。
特に、ワークライフバランスを重視する風潮が強まる昨今、給与や休日、残業時間についてはスカウトメールの段階である程度明らかにしておくことをお勧めします。
また、キャリアアップ志向の転職希望者にスカウトメールを送る場合は、昇給や評価制度に関する内容も明示すると良いでしょう。
ポイント④会社説明は簡潔に記載する
自社の情報は、わかりやすく・端的に伝えます。「端的に」という点が重要で、スカウトメールの文面で具体的な内容まで伝え過ぎないように意識しましょう。
なぜなら、転職希望者に「この会社について、もっと知りたい」と感じさせることで意向を上げることができるためです。
とは言え、スカウトメールの文面に自社に関する内容が一切書かれていなければ、転職希望者に興味を持ってもらえません。そのため、まったく書かないのではなく、ある程度は記載したいところです。またWebで検索してすぐに得られる情報よりも、スカウトメールならではの情報を載せたほうが、特別感のあるメールになります。
ポイント⑤ネガティブワードの使用を避ける
「大量募集」「急募」といった、いわゆるネガティブワードの使用は控えることも、スカウトメールの作成で意識したいポイントとして挙げられます。具体例は以下をご覧ください。
ネガティブワードの具体例
- 大量募集
- 急募
- 学歴不問
これらの単語は企業側の都合であり、転職希望者に「離職率が高い企業なのではないか」と懸念を抱かれる恐れがあるのです。
さらに上記のようなネガティブワードは、転職の場では「言葉の印象が軽い」と捉えられる可能性もあります。
転職希望者にとって転職は、人生を左右すると言っても過言ではない大切なイベントです。転職希望者と企業の双方が、転職・採用に対し真剣に向き合うためにも、軽い印象を与える言葉は控えましょう。
ポイント⑥誤字・脱字に気をつける
スカウトメールの件名や本文には、誤字・脱字がないよう、注意しなければなりません。
いち企業として転職希望者に信頼してもらうために、プロフェッショナルな文面を意識する必要があります。誤字・脱字のようなケアレスミスは徹底的になくし、質の高い文章に整えることが大切です。
スカウトメールを送る際のポイント
スカウトメールの効果を上げて、採用活動を効率的に進めるには、メールを送る際にも意識したいポイントがあります。
ポイント①業務内容と転職希望者の経歴がマッチしているか確認する
スカウトメールの送信先は、募集職種とマッチしている経歴の転職希望者に絞り込みましょう。当然ながら、スカウトメールで訴求している内容と受け手の経歴が乖離 していれば、せっかく良い文面を作成したとしても魅力に感じてもらうことはできません。
そもそも、スカウトメールを使うダイレクト・ソーシングは従来の採用手法と異なり、企業から転職希望者にアプローチする手法です。つまり、スカウトメールを受け取った段階では基本的に、転職希望者の企業理解は浅く、自社への志望度も低い状態といえます。
その状態から自社に興味を抱いてもらう必要があるので、ある程度は募集職種と経歴がマッチしている転職希望者を絞り込むことをお勧めします。
あるいは、未経験者でも活躍できる環境なのであれば、その旨を根拠とともに記載することで、メールを受け取った転職希望者が自分事として捉えられるでしょう。
ポイント② 新規登録したばかりのユーザーや経歴を更新したユーザーを選ぶ
スカウトメール送信先の転職希望者を絞り込む際は、個々人の経歴だけでなくステータスも確認するとより良いでしょう。具体的には、新規登録したばかり、あるいはログイン日が最近で、プロフィールを更新したばかりの転職希望者です。
このようなユーザーは転職の意欲が高く、スカウトメールを頻繁に確認している傾向があります。積極的にスカウトメールを送信し、自社の存在・魅力をアピールしましょう。
ポイント③送信時間にもこだわる
スカウトメールの開封率は、タイトルだけでなく送信時間によっても左右されます。転職希望者が自身のスマートフォンを見る可能性の高い時間帯に送信することで、スカウトメールの効果を高められる可能性があります。
具体的には、以下の時間帯を狙うと良いでしょう。
スカウトメールの送信にお勧めの時間
- 出勤時間帯(8:00~9:00)
- 昼休みの時間帯(12:00~15:00)
- 終業直後の時間帯(17:00~18:00)
なお、夜遅い時間帯には、たとえ自動送信であっても送らないほうが賢明です。「こんな時間まで残業する職場なら、大変そう…」というマイナスの印象を抱かれる恐れもあります。
スカウトメールの種類
実は、スカウトメールには3つの種類があります。特徴や適した使い方が異なりますので、それぞれの概要もご確認ください。
オープンオファー
「オープンオファー」は、サービスに登録している不特定多数の転職希望者にスカウトメールを送って自社の魅力を伝える方法です。送信先に特定の条件を求めないので、細かい条件設定を必要としない場合の募集に向いています。
その特徴から、後述する条件一致オファーや完全一致オファーと異なり、送信先ごとに異なる内容の文面を都度用意する手間がかかりません。
しかし、そのぶん本来狙いたい層に絞った訴求もできないということなので、スカウトメールの送信頻度や時間を考慮して戦略を練る必要があります。
条件一致オファー
サービスに登録している転職希望者のうち、特定の条件に一致する層にまとめてスカウトメールを送信する方法が「条件一致オファー」です。例えば、年齢や勤務可能エリア、経験職種や取得している資格などの条件で登録ユーザーを絞り込むことができます。
一度に多くの転職希望者にアプローチできるので、幅広く母集団形成を行えるのが大きなメリットです。一方で、条件で絞り込んでいるとは言え、ある程度多くの人数にまとめてスカウトメールを送信するので、文面が画一的な内容になってしまうという側面もあります。
さらに層を絞り込んでアプローチしたいのであれば、次に紹介する完全一致オファーも検討してください。
完全一致オファー
希望の条件で送信先を指定する方法としては「完全一致オファー」も挙げられます。条件一致オファーとの違いは、求める条件に完全一致する転職希望者にのみスカウトメールを送るという点です。
条件一致オファーよりもさらに間口が狭くなるので、そもそもの送信先自体がなかなか見つからないことも考えられます。ですが、だからこそ条件が完全一致する転職希望者が見つかった場合には、応募してもらえる可能性が高いというメリットもあります。
数少ないチャンスを有効活用するためにも、スカウトメールの文面をよりブラッシュアップすると良いでしょう。
スカウトメールに反応してもらえない原因
スカウトメールの平均返信率は、7~16%程度とご利用いただく 状況によってもばらつきがあります。自社の返信率がこの数値よりも著しく低い場合は、原因を確認した上で適切に改善を図る必要があるでしょう。
具体的な原因としては、以下が挙げられます。
スカウトメールの返信率が上がらない原因
- 明らかな定型文で書かれている
- 自社のアピールが強い
- 専門用語やネガティブワードが含まれている
- 文章のボリュームが多すぎる
基本的には、本記事でこれまでにお伝えした、スカウトメールを書く上でのポイントと同じです。返信率が低い場合は、まず各ポイントを押さえられているか?を確認してください。
その上で気をつけたいポイントが、スカウトメール本文の文章量です。文章があまりにも長いと、転職希望者が途中で離脱してしまうことも考えられます。
文章量の目安は、スマホの画面に収まる500文字程度です。パソコンでスカウトメールを作成していると、ついパソコン基準で考えてしまうかもしれませんが、スマホを目安に考えましょう。
スカウトメールの効果的な活用方法
スカウトメールは、さまざまな職種・業種での募集で活用できる手段です。その上でも特にお勧めしたい活用方法として、専門職での募集と、求人広告で見つけづらい特殊なポジションでの募集が挙げられます。
まず専門職に関しては、転職希望者の数がある程度限られているため、自然応募が集まりにくい傾向にあります。しかしスカウトメールを活用すれば、数少ない転職希望者に対する直接的なアプローチが可能です。このように「攻めの姿勢」でのアプローチによって、効果的に応募を集められることが期待できます。
また、特殊なポジションで新たな人材を募集する場合は、既存の求人広告では転職希望者に見つけてもらええない可能性があります。そのような場合も同様に、条件に一致する転職希望者にスカウトメールを送りましょう。「そもそも、こういったポジションがあるんだ」ということを知ってもらえる機会が増えることで、応募数の増加が見込めます。
スカウトメールが注目されている背景
昨今、スカウトメールが注目を集めている主な背景として、労働人口の不足による人手不足が挙げられます。
内閣府が公開している『令和6年版 高齢社会白書』によると、出生数は減少を続けており、その影響で生産年齢人口(15~64歳人口)までもが減少しています。このまま少子高齢化が進むと、生産年齢人口は令和12年には7,000万人台まで減り、令和52年には4,500万人台にまで減るとされているのです。
そして働き手の数が減ることで、転職市場では求人の数が転職希望者の数よりも多い状態、つまり「売り手市場」が続いています。転職希望者側から企業を選べる現状で、自社を選んでもらうには、適切なアプローチが欠かせません。
「この会社に入りたい!」と転職希望者に思ってもらうためには、自社の存在を認知させるスカウトメールを有効に活用したいところです。
(参照:内閣府『令和6年版高齢社会白書』)
スカウトメールを活用して、転職希望者に「攻め」のアプローチを
今回は、採用活動で活用したい「スカウトメール」の書き方をお伝えしました。自社の魅力が伝わる文面は、イメージできたでしょうか。
スカウトメールを書く際は、転職希望者目線で考え、「自社に入社したら、どんなメリットがあるか」を明確にしましょう。また、送信先の絞り込み条件やメールを送る時間帯もよく考え、スカウトメールの効果を最大化させることが大切です。
スカウトメールを活用して自社への応募を増やす戦略を考えてみましょう。
なお、なかなか応募が集まらない場合は、doda ダイレクトをご検討ください。開封率75%の「プレミアムオファー」のほか、スカウトメール経由で採用活動を効率的に進めるさまざまな仕組みがございます。
dodaでは、さまざまな採用支援サービスを提供しています。各サービスの詳細や資料請求・ご相談については、以下からお気軽にお問い合わせください。
効果的な母集団形成につながった
doda導入・採用成功事例
返信率が上がるスカウトメールの書き方を例文付きで解説ページです。【中途採用をお考えの法人様へ】dodaサービスのご案内 - 採用成功への扉を開く、総合採用支援サービス