中途採用した人材が定着しない理由と対策方法

中途採用した人材が定着しない理由と対策方法

中途採用した人材が定着しない理由と対策方法

2026.02.27

中途採用のキホン

中途採用でよくある課題の一つとして、「採用した人材の早期離職」が挙げられます。早期離職、つまり人材がなかなか定着しない状況が続くと、採用活動が長期化してしまうため、早めに改善したいものです。

そこで本記事では、中途採用の人材が定着しない理由とともに、その対策方法を解説します。

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中途採用での定着率はどれくらい?

一般的に、中途採用の人材はどの程度定着しているのでしょうか。厚生労働省が2025年3月に発表した『中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書』では、日本全国の計14の企業での中途採用の定着率が公表されています。

それぞれの企業で事情は異なるかつ、日本全国の企業の中でもほんの一部ではありますが、多くの企業では80~90%という高い定着率で中途採用の人材がはたらいているようです。

また同報告書では、日本全国の企業2,417社が答えた、中途採用に関する調査の結果も公表されています。このうち、採用者の定着状況への満足度に関する設問について見てみましょう。

過去3年間の採用者の定着状況への満足度
(引用:厚生労働省『中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書』p44)

「満足している」を4点、「満足していない」を1点として計算した平均値では、管理職のみが3点台、ほかの職種(総合職・高度専門職・現業職)では2点台後半となっています。管理職以外の3職種では、中途採用の定着率に対して「不満」とまではいかないものの、定着状況には少し物足りなさを感じているようです。

(参照:厚生労働省『中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究 結果報告書』)

中途採用の人材が定着しない理由

中途採用の定着率について、多くの企業・職種の方が「満足している」とは言い切れない状況であることがわかりました。それでは、なぜ中途採用の人材が定着しないのでしょうか。ここでは、7つの理由を取り上げます。

中途採用の人材が定着しない理由

  • 労働条件が合っていない
  • 社風や人間関係が合っていない
  • 労働環境が合っていない
  • 企業の方針が合っていない
  • 業務内容が合っていない
  • 成長を実感できない
  • 入社前後のギャップが大きい

労働条件が合っていない

まず挙げられる理由としては、「給与や待遇などの条件が合わない」といったものがあります。たとえ興味のある仕事だったとしても、労働条件が合わなければ採用した人材のモチベーションが低下し、条件の良い他社へ再び転職してしまうことが考えられます。

応募の段階で条件をきちんと確認していたとしても、入社後に「想定と違った」と感じてしまい離職につながることもあるでしょう。

社風や人間関係が合っていない

自身がはたらく職場の社風や、周囲の人間関係は、労働者にとって非常に重要な要素の一つです。そのため、社風や人間関係が合わない場合もまた、中途採用した人材の早期離職につながる恐れがあります。

特に中途採用で入社した人材は、新しい環境の人間関係になじめなければ孤独感を抱くこともあるでしょう。また、「上司の態度が威圧的」「従業員間での陰口が常態化している」といった環境は、ストレスにつながります。
このような要因があれば、採用を行っても人材はなかなか定着しないことが考えられます。

労働環境が合っていない

労働条件とは別で、実際にはたらく「労働環境」が合わない場合も、中途採用の人材が定着しない原因となり得ます。

例えば、残業時間について「基本的にほとんどない」と聞いていたものの、入社のタイミングがちょうど繁忙期だったがために毎日残業がある、というケースもあるでしょう。もし本当に繫忙期以外は残業がほとんどなかったとしても、入社前に十分な説明がなければ「聞いていた話と違う」と感じられて、離職につながることが考えられます。

企業の方針が合っていない

入社後に、企業の方針と自身の価値観のギャップを感じて離職に至るケースもあります。

例えば「自身の裁量で自由にはたらきたい」と考えている人材が、厳格なルールが多い企業に入社した場合は、早期に離職する可能性が高いでしょう。企業の方針は入社しなければわからないことも多いため、このように早期離職の要因となることがあるのです。

業務内容が合っていない

入社前と想定していたものと異なる業務を任せられることでも、離職につながる恐れがあります。

中途採用の人材は、面接やカジュアル面談の場で、業務内容を事前に擦り合わせた上で入社を決めています。スキルアップやキャリアチェンジ、ワーク・ライフ・バランスの実現など、明確な軸があり、これらを実現できると判断したからこそ、入社を決意しているのです。
そのため、実際の業務内容が想定と異なり、理想がかなえられない場合、早期離職の要因となることが考えられます。

成長を実感できない

業務内容が合っていたとしても、成長を実感しにくい環境では、やはり中途採用の人材が定着しません。

「上司からフィードバックを受ける機会が少ない」「評価基準の仕組みがあいまい」という環境に身を置いていると、はたらく上で努力する意味を見いだすことが難しくなるでしょう。その結果、モチベーションの維持が難しくなり、将来に対する不安が募ることが考えられます。
成長を実感できない環境は不安を生み、離職を促す要因となるのです。

入社前後のギャップが大きい

中途採用した人材が入社前に抱いていた企業イメージと、入社後の実態にギャップがある場合も、人材が定着しない理由となるでしょう。

近年は採用広報や採用ブランディングを通じて、業務内容や社風など、さまざまな観点から企業が自社の魅力を発信する動きがあります。
しかし、過剰なブランディングを行ったり、特定の側面のみを強調してしまったりすると、入社前後のギャップにつながりかねません。

中途採用した人材は、入社前に抱いていたイメージを基に「この会社が良い」と判断して入社を決めているため、イメージにギャップがあると早期離職の要因となり得ます。

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中途採用した人材が定着しないことで企業が受ける影響

中途採用した人材が定着しないことにより、企業は内外でさまざまな影響を受ける可能性があります。ここでは、企業が受ける5つの影響を解説します。

中途採用した人材が定着しないことで企業が受ける影響

  • 退職連鎖が起きる可能性がある
  • 従業員のモチベーションが下がる
  • 採用にかけたコストが損失してしまう
  • 売上や成果の損失につながる
  • 企業ブランドを毀損する可能性がある

退職連鎖が起きる可能性がある

中途採用で複数の人材を採用した場合、1人がすぐに退職すると、ほかの人材も後に続く「退職連鎖」が起きるというリスクがあります。周囲が、すでに退職した従業員と同じ不満を感じていると、同じ理由で退職することがあるのです。

同じ部署で退職連鎖が起きると、業務効率や生産性の低下にもつながるでしょう。また、採用活動を再び行わなければならないため、人事・採用担当者の負担も増します。

従業員のモチベーションが下がる

中途採用した人材が定着しないことにより、先輩となる既存の従業員のモチベーションが下がることも懸念されます。なぜなら、早期離職が起きると再度採用活動を行うこととなり、そのたびに新人教育をやり直さなければならないためです。

せっかく新人教育を行っても結局その人材がすぐに退職してしまうと、さらなるモチベーションの低下を招きます。

採用にかけたコストが損失してしまう

人材の早期離職は、コストの面でも企業にリスクを及ぼします。1人の人材を採用するだけでも、一定のコストが発生します。中途採用した人材が早期に離職すると、これらのコストが全て損失となってしまうのです。

売上や成果の損失につながる

自社の売上や成果といった、採用とは一見遠いように思える要素も、早期離職の影響を受けます。例えば、中途採用した人材が定着せずに人手不足が続くと、思い描いていたような事業展開ができなくなり、売上や成果の損失につながることが考えられます。

また、新しい人材を採用しないことで社内の価値観に多様性が生まれず、柔軟性のある事業運営が行われなくなることもあるでしょう。結果、売上や成果が伸びない、といったことも起こり得ます。

企業ブランドを毀損する可能性がある

中途採用した人材が定着しないことで、転職市場で自社のイメージが悪影響を受ける可能性もあります。なぜ、そのようなイメージが広まるのかというと、実際にはたらいたことのある人の口コミが転職希望者向けのサイトなどで閲覧できるためです。

「入社前に聞いていた話と違った」「人間関係が悪い」といったように、悪い口コミが書き込まれると、イメージの悪化を招きます。自社に興味を持っている転職希望者がいたとしても、そのような口コミを見たら応募を取りやめることがあるかもしれません。

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中途採用で人材を定着させるための対策方法

中途採用を行う上で人材を自社に定着させるには、入社前と入社後、それぞれのフェーズで適切な対応を取ることが大切です。ここでは、各フェーズでの対策方法を解説します。

入社前の対策方法

人材が入社する前の段階から企業が取れる対策方法としては、以下の4つが挙げられます。

入社前の対策方法

  • 求人情報は具体的な内容を記載する
  • 社風や環境のリアルな情報を伝える
  • 採用基準を見直す
  • 採用サイトで自社の情報を発信する

求人情報は具体的な内容を記載する

先ほど挙げた、中途採用の人材が定着しない理由の多くは、企業方針や業務内容など、具体的な情報が入社前に共有されていないことに起因するものでした。そのため、求人情報を掲載する段階で、可能な限り具体的な内容を記載することが、離職の防止につながります。

人事・採用担当者と、中途採用の人材を受け入れる現場の担当者で密に連携し、実態に即した情報を求人情報に盛り込みましょう。例えば、既存の従業員の残業時間やリモートワークの実施状況、評価制度などが適切に記載されていると理想的です。

求人情報を掲載する求人広告の作成に当たっては、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
応募したくなる求人広告とは?求人の書き方や文章例、応募を増やすコツを解説
その求人は転職希望者が知りたい情報が載っている?応募が集まる求人広告に仕立てる改善ポイントを解説

社風や環境のリアルな情報を伝える

求人情報の文面や、面接などでは、社風やはたらく環境といった言語化が難しい要素に関しても、可能な限り具体的に伝えましょう。

例えば、文章だけでなく画像や動画を用いて、自社のリアルな情報を伝えることで「社風が合わなかった」という理由での離職を防げる可能性があります。また、実際のエピソードを交えて、企業理念に込められている思いを伝えるという方法を取っても良いでしょう。

採用基準を見直す

「中途採用した人材が、思うように活躍できずに辞めてしまう」というケースでは、人材と自社で価値観が合っていない可能性があります。
このような価値観のミスマッチによる早期離職を防ぐには、採用基準を見直すことが重要です。

採用基準を見直すに当たって、まず「定着しなかった人材は、なぜ活躍できなかったのか」を整理しましょう。

その際、経験やスキルなどの条件面だけで判断するのではなく、性格や価値観といった適性面にも目を向けることが大切です。例えば「言われたことを丁寧にこなすことが求められる仕事」なのか、それとも「主体的に動くことが求められる仕事」なのかによって、合う価値観は異なります。

「退職した人材が活躍できなかった理由」を洗い出すことで、自社が本来求めるべき採用基準が明確になっていくでしょう。以下の記事では、採用基準を見直すべきケースや見直しのポイントについて解説しています。

関連記事:採用基準とは?決め方、見直す項目やポイントと注意点を解説

採用サイトで自社の情報を発信する

採用サイトを作成し、自社の詳細な情報を発信することも、ミスマッチの防止につながります。採用サイトとは、求人情報や募集要項などが掲載されている、採用広報専用に作成した自社のサイトのことです。

求人広告にも自社の情報を掲載することはできますが、併せて採用サイトも活用すれば、より具体的かつ自由に情報を発信できます。企業理念について深く解説したり、先輩従業員へのインタビューなどのコンテンツを充実させたりすることで、よりリアルな情報を多くの転職希望者に届けられるでしょう。

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入社後の対策方法

中途採用した人材が入社してからは、以下のような対策を行うと、定着率の改善が期待できます。

入社後の対策方法

  • 定期的な1on1や面談を行う
  • オンボーディング施策を行う
  • メンター制度を設ける
  • 社内のコミュニケーションを活性化させる
  • 相談窓口の設置を行う
  • マニュアルの整備を行う
  • 評価制度の見直しを行う

定期的な1on1や面談を行う

入社してから一定の期間は、人事・採用担当者との面談を設けるとよいでしょう。直属の上司やメンターによるフォローも大切ではありますが、あえて人事・採用担当者が面談を行うことで、中立的な立場から状況を確認し、適宜フォローを行えるようになります。

面談の目的はあくまでも、「不安の解消」や「現場に適応できているかどうかの確認」です。「業務や人間関係に関する悩みはないか」など、新人が抱えがちな悩みにフォーカスし、率直に話せる機会を設けることで、安心感を高めます。

オンボーディング施策を行う

オンボーディングとは、新人が早期に活躍できるよう、自社に定着させることを目的にサポートするプロセスのことです。このオンボーディングとなる施策も、中途採用の人材に対して実施できると理想的です。

具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

オンボーディング施策の具体例

  • 入社後1カ月間の研修スケジュールを事前に共有する
  • 業務以外のことでもメンターに相談・質問しやすい環境をつくる
  • ランチでの歓迎会やチーム紹介を行う
  • フォローアップ研修を定期的に実施する

このようなオンボーディング施策を行うことで、中途採用で入社した人材の不安や孤立感の解消につながり、自社への定着を促せます。

メンター制度を設ける

上司とは別で、日常的に相談を受けたり助言を行ったりする「メンター」というポジションの先輩従業員を割り当てることも、人材の定着につながります。

特に、年齢の近い先輩をメンターとすると、立場が近いために新人からも話しやすく、日々の疑問や不安を気軽に解消できるようになるでしょう。オンボーディング施策と併せて、不安や孤立感を解消するために検討したい施策の一つです。

社内のコミュニケーションを活性化させる

新人のフォローアップを行う上では、メンターだけでなく、同じ部署・チームの全員がはたらきかけることが大切です。「困っていることがないか気を配る」「積極的に声をかける」といったように、新人を歓迎する姿勢を見せましょう。

コミュニケーションがおのずと活性化する環境をつくり上げることで、中途採用の人材が定着する風土が生まれます。

相談窓口の設置を行う

ハラスメントや人間関係のトラブルなど、職場の困りごとを相談できる窓口を設置することも有効です。
直属の上司やメンターとは別で、いつでも気軽に相談できる場があることで、万が一問題が起きた場合も、早期解決やストレスの軽減につながるでしょう。

マニュアルの整備を行う

マニュアルをあらかじめ整えておくことで、初めて業務を行う新人でもスムーズに仕事を進められるようになります。

業務の進め方や基礎的な知識のほか、心構えなどもまとめておくことで、教育担当者の負担を軽減できるというメリットもあります。また、パソコンの初期設定などで新人がすぐに業務に取りかかれない「待ち」の時間が発生した場合も、マニュアルを読んでもらうことで時間を有効活用できるでしょう。

評価制度の見直しを行う

評価基準があいまいな場合や、従業員にとっての納得感が弱い場合は、評価制度を見直しましょう。「何を評価されているのかがわからない」といった状況では、従業員のモチベーションが上がらず、中途採用してもすぐに離職してしまうことが考えられます。

例えば、評価基準が明確化されていないのであれば、文書化して面談などで丁寧に説明します。評価制度が形骸化してしまっている場合は、半期ごとに目標を設定して中間で確認を実施し、振り返る、といったサイクルで運用すると、モチベーションの向上に寄与するでしょう。

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中途採用の人材が定着しない場合は、採用前・採用後両方のフェーズで改善が必要

「中途採用した人材がすぐに辞める」という、多くの企業が抱える悩みには、いくつかの理由があることがわかりました。採用前と採用後、それぞれのタイミングで実施すべき対策を行い、中途採用の人材ができるだけ長くはたらいてくれる環境を整えましょう。

なお、「doda」ではさまざまな採用支援サービスを提供するとともに、業界・職種を熟知した担当者によるアドバイスを行っています。自社の採用フローを改善し、人材が定着できる環境をつくりたい人事・採用担当者は、ぜひお問い合わせください。

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