2026.02.27
中途採用のキホン
KPI(重要業績評価指標)は、企業が目標の達成状況を定量的に測定するための指標です。主に営業やマーケティングといった分野で用いられる指標ですが、近年では採用の領域でも「採用KPI」として活用されています。
採用KPIを適切に運用すれば、採用活動の効率や精度が向上します。本記事で設定方法や運用に際して意識したいことなどを紹介しますので、今後の採用活動にぜひ役立ててください。

採用KPIとは?
採用KPIとは、採用プロセスを効率的に管理し、各フェーズでの目標の達成度合いを測定するための指標のことです。具体的には、主に以下の項目に対して設定されます。
採用KPIの主な項目
- 求人への応募数
- 合同説明会への参加数
- 採用チャネルごとの費用対効果
- 書類選考の通過率
- 面接の通過率
- 入社承諾前辞退の件数
- 採用単価
- 採用した人材の入社後の評価
- 採用後の人材の定着率
こうした項目に採用KPIを設定すれば、採用活動の中で「目標の数値にどの程度足りていないのか」「何を改善すれば良いのか」を把握できるようになります。また、目標の達成度合いが数値化されるため、社内での採用戦略に関する認識も合わせやすくなるでしょう。
採用KPIと採用KGIの違い
採用KPIは「採用KGI」と混同されることがありますが、両者には明確な違いが存在します。具体的な違いとしては、以下の要素が挙げられます。
採用KPIと採用KGIの違い
| 採用KPI | 採用KGI | |
|---|---|---|
| 言葉の意味 | 採用活動の重要業績評価指標 | 採用活動の重要目標達成指標 |
| 設定する目的 | 目標の達成度合いの数値化 | 最終目標の具体化 |
| 主な項目 | 求人への応募数や書類選考の通過率など | 採用人数や採用にかける期間など |
採用KGIとは、採用活動の「最終目標の達成度合い」を示す指標のことです。これに対して、採用KPIは採用活動の「中間目標の達成度合い」を示します。

採用KPIを設定するメリット
ここでは、採用KPIを設定することで得られる4つのメリットを紹介します。
採用KPIを設定するメリット
- 採用活動の状況を正確に把握できる
- 採用課題を明確にできる
- 採用活動の効果分析と改善がしやすくなる
- 関係者ごとの目標や役割を明確にできる
採用活動の状況を正確に把握できる
採用活動の進行状況が明確になることは、採用KPIを設定する大きなメリットです。
採用活動は多くのプロセスで構成されているため、円滑に進めるには「選考がどの程度進行しているのか」「目標の達成度合いは良好か」などを常に把握しておく必要があります。反対に各プロセスの進行状況を十分に把握できていなければ、スケジュール管理がうまくいかず、採用活動は失敗に終わってしまうでしょう。
その点、採用KPIを設定すれば採用活動の進行状況が可視化され、今後の取り組みをより円滑に進められるようになります。
採用課題を明確にできる
採用KPIは、採用活動のボトルネックを見極めることにも役立ちます。
例えば目標の人数を採用できなかった場合は、「応募数が足りなかった」「選考の過程でミスマッチがあった」など、さまざまな要因が考えられます。今後の採用活動で十分な成果を上げるには、どの工程に問題があったのかを把握した上で、対策を打つことが欠かせません。
採用KPIを振り返れば、各工程の数値を基に課題を特定できるため、目標の達成に必要なアクションも明確になります。
採用活動の効果分析と改善がしやすくなる
採用KPIを設定するメリットとしては、取り組みの効果分析や改善の効率化につながることも挙げられます。
採用活動を成功させるには、PDCAサイクルの運用が不可欠です。取り組みの中で効果分析を行い、その結果に応じて活動をブラッシュアップしていくことで、目標達成の可能性を高められます。
PDCAサイクルの運用に当たって、取り組みの進行状況を把握できる採用KPIは大変有用です。「現状どの程度の成果が出ているのか」「今後重点的に取り組みたい活動は何か」が明確化され、PDCAサイクルをより円滑に回せるようになります。
関係者ごとの目標や役割を明確にできる
採用KPIを設定すれば、採用活動の関係者一人ひとりの役割も明確になります。
採用活動は、自社の人事・採用担当者だけでなく、求人代理店や協力会社など、外部の関係者と共に行う場合があります。その際、各者の役割を明確化しておかなければ、連携がうまくいかずに採用活動が滞ってしまうかもしれません。
一方で、採用KPIを設定すれば関係者ごとの目標や役割、責任が明確になり、おのおのが自主的に行動しやすくなります。また採用KPIによって、一人ひとりの採用活動の成果が数値化されるため、モチベーションアップにもつながります。

採用KPIを設定するポイント
続いて、採用KPIを設定する際に意識したい2つのポイントを見ていきましょう。
採用KPIを設定する際のポイント
- 採用KGIを先に決める
- 歩留まり率から各採用プロセスを評価する
採用KGIを先に決める
採用KPIを設定する際は、事前に採用KGIを決めておくことが大切です。採用KGIを明確にすることで、採用活動の最終目標が定まるため、その達成に向けた採用戦略の立案や、採用KPIの設定も容易になります。
結果として、一貫性のある精度の高い採用活動を行えるようになるでしょう。
歩留まり率から各採用プロセスを評価する
採用KPIは、「歩留まり率」という数値を基に設定することが一般的です。
歩留まり率とは、各採用プロセスで次の選考に進める人材の割合を示す数値のことです。「2人採用するには何人と面接すれば良いか」「12人と面接するには書類選考を何人通せば良いか」といった具合に、プロセスをさかのぼって設定します。
例えば書類選考に応募してきた転職希望者が20人で、そのうちの10人を面接に通した場合、書類選考の歩留まり率は50%となります。この数値が極端に低い採用プロセスには問題が起きていると考えられるため、取り組みの最適化を図りつつ採用KPIを達成できるよう、しっかりと改善しましょう。
採用KPIの立て方と設定手順
本項では、採用KPIを設定する手順を、各フェーズでの具体的な取り組みとともに紹介します。
採用KPIを設定する際の流れ
- 1.採用KGIを設定する
- 2.採用チャネル別に目標とプロセスを細分化する
- 3.各採用プロセスの歩留まり率を割り当てる
- 4.KPIツリーを作成する
STEP1.採用KGIを設定する
まずは、採用活動の最終目標である採用KGIを設定します。その際は、以下の「SMARTの法則」という考え方を念頭に置いておくと良いでしょう。
SMARTの法則
- Specific(具体的):誰が見ても明確でわかりやすい目標か
- Measurable(測定可能):目標の達成度合いを数値で測定できるか
- Achievable(達成可能):現実的に達成可能か
- Relevant(関連性):経営戦略や事業戦略との関連性があるか
- Time-bound(期限の具体性):目標達成の期限が明確か
SMARTの法則は、効果的な目標を設定するために必要なフレームワークです。目標の精度や実現可能性を高める重要な枠組みとして、多くの企業が活用しています。
採用活動全体の見通しを立て、適切な採用KPIを設定するためにも、SMARTの法則に基づいて採用KGIを決めることをお勧めします。
STEP2.採用チャネル別に目標とプロセスを細分化する
続いて、採用チャネルごとの予算や採用プロセス、採用人数などを明確にします。各項目の具体例は以下の通りです。
各採用チャネルで明確にしたい項目とその具体例
| 採用チャネル | 予算 | 採用プロセス | 採用人数 |
|---|---|---|---|
| 求人サイト | 200万円 | 書類選考 会社説明会 1次面接 2次面接 最終面接 採用 |
8人 |
| 合同説明会 | 70万円 | 合同説明会 書類選考 1次面接 最終面接 採用 |
2人 |
| 人材紹介サービス | 150万円 | 書類選考 1次面接 最終面接 採用 |
2人 |
| 合計 | 420万円 | ― | 12人 |
採用チャネルにはそれぞれ特性があり、応募してくる人材の属性や必要な予算、最適な採用プロセスなども異なります。適切な採用KPIを設定できるよう、チャネルごとの目標と採用プロセスを細分化しておきましょう。
関連記事:採用チャネルとは?8手法の特徴とメリット・選び方を解説
STEP3.各採用プロセスの歩留まり率を割り当てる
次に、採用プロセスごとの歩留まり率の割り当てに移ります。過去の採用実績や競合他社の採用状況などを基に、適切な数値を設定してください。
採用プロセスごとの歩留まり率の例は以下のとおりです。
採用プロセスごとの歩留まり率の例
| 採用チャネル | 採用プロセスと歩留まり率 |
|---|---|
| 求人サイト | 書類選考:70% 1次面接:60% 2次面接:50% 最終面接:40% 入社承諾:60% |
| 合同説明会 | 書類選考:50% 1次面接:60% 最終面接:40% 入社承諾:60% |
| 人材紹介サービス | 書類選考:90% 1次面接:60% 最終面接:40% 入社承諾:40% |
なお歩留まり率は、企業の業種や規模、採用計画によって大きく異なります。「自社ではどの程度に設定すれば良いのか…」とお困りの人事・採用担当者は、管理テンプレートや採用の支援サービスを利用することも一つの方法です。
STEP4.KPIツリーを作成する
ここまでの工程を終えたら、最後にKPIツリーを作成しましょう。
KPIツリーとは、採用プロセスごとの採用KPIを可視化したもののことです。採用KGIと歩留まり率から逆算してそれぞれの採用KPIを決めるケースが多く、最終的には次のようなKPIツリーが完成します。

上記の図を参考にKPIツリーを作成し、最終的な採用KPIを決めてください。

採用KPIを運用する際のポイント
採用KPIを運用する際は、以下の5つのポイントを意識したいところです。
採用KPIを運用する際に意識したいポイント
- 各採用プロセスの正しい数値を把握する
- 達成できる目標を設定する
- 採用KPIの状況によって採用活動の改善を行う
- 定期的に見直し・改善を行う
- 採用KPIの数値に固執しないよう心がける
各採用プロセスの正しい数値を把握する
採用プロセスごとの数値目標と現状とのギャップを常に把握しておくことは、採用KPIを運用する上で重要なポイントです。
採用活動の状況は日々変化していくため、事前に定めた採用プロセスごとの数値目標と実際の数値にはギャップが生じます。その差を埋めるには対策を講じる必要がありますが、リアルタイムの情報を把握していなければ、有効な施策は打ち出せません。
常に最新のデータを収集・分析して、各採用プロセスで生じた問題を速やかに解決し、採用KPIの達成につなげましょう。
関連記事:採用フローとは?新卒・中途の違いや運用のポイント、注意点を解説
達成できる目標を設定する
採用KPIの運用時は、目標の実現可能性を十分に検討する必要があります。到底達成できないような目標を設定していると、採用活動が難航することに加えて、人事・採用担当者のモチベーションの低下にもつながる恐れがあります。
SMARTの法則に沿って採用KPIを適宜見直し、必要に応じて目標を調整すると良いでしょう。
採用KPIの状況によって採用活動の改善を行う
採用KPIを運用する際のポイントとしては、状況に応じて採用活動の軌道修正を行うことも挙げられます。
採用KPIを運用していると、「このままでは達成が難しい…」という状況に陥ることがあります。その際は、採用プロセスのどこに問題があるのかを把握して、具体的な解決策を導き出さなければなりません。
例えば面接の通過率が低い場合は、書類選考の採用基準が緩い可能性があります。こうした状況を変えるには、人事・採用担当者の間で情報共有の場を設けて、採用KPIを基に採用基準を見直すことが不可欠です。
関連記事:採用活動とは?企業側における成功ポイントや採用トレンドをご紹介
定期的に見直し・改善を行う
採用KPIの達成が困難な場合は、その数値や項目自体を柔軟に変更することも大切です。なぜなら、求人市場のトレンドや社会情勢などの推移によって、採用環境は大きく変動するためです。採用環境に合わない採用KPIを運用し続けても、人事・採用担当者のモチベーションが下がるばかりで、十分な成果は得られません。
四半期もしくは半年に1度を目安に、求人市場のトレンドや社会情勢を調査し、採用KPIの数値や項目を見直しましょう。
採用KPIの数値に固執しないよう心がける
各数値目標の達成にこだわり過ぎないことも、採用KPIを運用する際のポイントの一つです。
採用KPIは、あくまでも採用KGIを達成するための中間目標です。採用KPIの達成に固執すると、最終的なゴールを見失って採用活動が失敗に終わる可能性があります。
例えば求人への応募数の採用KPIに固執し、採用チャネルに多額の予算を割くと、採用単価の採用KPIが未達で終わってしまいます。また、面接の通過率を上げるために採用基準を下げれば、人材の入社後にミスマッチが起こり、かえって不利益を被ることもあるかもしれません。
採用KPIには採用活動を円滑に進められるというメリットがある反面、上記のようなデメリットもあることを念頭に置き、適切に運用しましょう。

採用KPIの運用時の注意点
次に、採用KPIを運用する上での注意点をお伝えします。「採用人数を重視する場合」「採用の質を重視する場合」の2パターンに分けて紹介するので、それぞれ確認してください。
本項で紹介する注意点
- 採用人数を重視する場合の注意点
- 採用の質を重視する場合の注意点
採用人数を重視する場合の注意点
最終的な採用人数を重視する場合は、面接の通過率や入社承諾率を落とさないことが大切です。
採用人数の目標を達成するには、前提として書類選考の通過率を高める必要があります。しかし、そのために書類選考の採用基準を緩めると、自社の経営理念や業務内容への理解が浅い人材を面接に進めてしまう可能性が高まります。結果として、ミスマッチが生じて面接の通過率や入社承諾率が落ちてしまうわけです。
採用人数を増やすために採用基準を緩める際は、ミスマッチが起こらないよう十分に注意しましょう。また、面接の通過率や入社承諾率の変動を常に把握し、必要に応じて施策を見直すことも欠かせません。
採用の質を重視する場合の注意点
採用の質、つまり「採用後のミスマッチを減らすこと」を重視するのであれば、各採用プロセスでの取り組みのブラッシュアップが求められます。
例えば、書類選考の通過率は高いものの、面接の通過率が低い場合は、各選考の担当者の間で求める人材像の認識がずれている可能性があります。また入社承諾率が低い場合は、「面接で自社の魅力をアピールできていない」「面接の進め方が悪い」といった問題が生じているのかもしれません。
採用の質を高めるには、採用KPIから採用プロセスの問題点を見つけ出し、改善策を講じることが重要です。
採用KPIに関するよくある質問
本項では、採用KPIに関する疑問を解消するべく、よくある質問にお答えします。
採用KPIに関するよくある質問
- 1.採用KPIとは何のことですか?
- 2.採用KPIの例を教えてください
- 3.採用KGIとは何のことですか?
Q1.採用KPIとは何のことですか?
採用KPIとは、各採用プロセスでの目標の達成度合いを測定するための指標のことです。求人への応募数や書類選考の通過率、面接の通過率などに対して設定することが一般的で、採用活動の状況把握や効果分析の際に役立ちます。
Q2.採用KPIの例を教えてください
合同説明会の採用KPIを例に挙げると、各採用プロセスでの数値は次のようなイメージです。
合同説明会の採用KPIの例
説明会の参加人数:32人
1次面接の合格人数:16人(1次面接の通過率:50%)
最終面接の合格人数:8人(最終面接の通過率:50%)
採用通知を送る人数:6人(選考合格率:75%)
実際に入社する人数:3人(入社承諾率:50%)
ただし、採用KPIの適切な数値は企業の業種や規模、採用計画によって大きく異なるため、上記の数値はあくまでも参考程度にとどめてください。
Q3.採用KGIとは何のことですか?
採用KGIとは、採用活動の最終目標の達成度合いを示す指標のことです。主に採用人数や採用にかける期間などに対して設けるもので、これを設定すれば、採用活動の成果を客観的に評価できるようになります。
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採用KPIは、採用活動の状況把握や効果分析、施策の改善などに役立つ
採用KPIとは、採用活動の中間目標の達成度合いを示す指標のことです。これを設定すれば採用活動の進行状況が明確になる上、効果分析や施策の改善も容易になります。
採用KPIを運用する際は、各採用プロセスでの数値をリアルタイムで把握しつつ、必要に応じて施策や数値自体を見直すことが大切です。自社にとって適切な採用KPIを設定・運用して、採用活動を成功に導きましょう。
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