モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポート(2021年2月発行)

2021年2月発行
職種別マーケットレポート

モノづくりエンジニア

モノづくりエンジニア中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。

機械設計

ここがポイント
  • 登録者数は引き続きやや減少傾向。若手層、転職未経験者を中心に転職活動への慎重な姿勢が目立つ
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比101%で横ばい。前年同期比65%で減少
  • (1)職務内容を明確化すること
    (2)ターゲットの経験と年齢と年収条件を適正化すること
    (3)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載すること

機械設計の登録者動向

登録者詳細
機械設計の登録者動向(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

引き続き、30歳以下の登録者が約半数を占めている状況。景気後退や新型コロナウイルスの影響による業績悪化により、現職への将来性や自身の市場価値に対する不安が募っており、職種チェンジも含めて検討する方が増えてきている印象。一方で、絶対に転職するというより、まずは情報収集、といった慎重な姿勢が若手層を中心に見られる。転職活動するか否かを含め、慎重に検討を重ねながら判断したいという方が多い。
30代以降の登録者も同様に、働き方や将来性の不安、早期退職制度により転職活動を考える方が多いと感じる。ただし、現職での勤続が困難でない限り、慎重に判断したいという方が多い。
初めて転職をする方を中心に、この先行きが見えにくい状況下で転職活動・決断をすることに不安を抱き、慎重な姿勢を貫く方が全体的に増えている。

機械設計の求人動向

求人マーケット動向
機械設計の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、求人数については、引き続き横ばいの状況が続いている。
組織の若返りや、自社にない技術を求める即戦力の補充など、年齢や経験面で比較的要求の高い求人の二ーズが引き続き目立っている。また、単なる設計に留まらず、市場分析から企画立案など、製品開発の上流を担うような求人や、部品単位やユニット単位に業務が分解・細分化された求人など、内容の多様化も見られる。
採用活動の長期化に伴い、Web面接導入を検討したり、面接確約を取り入れたりと、選考方法を工夫する企業が増えている。

機械設計の採用成功POINT

登録者数は相対的に多いものの、求人数も同様に多いのが機械設計領域であり、他社求人との差別化がポイントとなる。
職務内容を明確にし、求めるスキルや年収等の条件を適正化、転職希望者が求める情報を可能な限り求人票に記載することが重要である。

  • どんな製品を設計するのか、どのフェーズ(企画立案、構想設計、基本設計、詳細設計、試作評価など)を任せる予定なのか、を明確化すること
  • 採用背景を鑑み、求めるスキルや年収等の条件を適正化すること
  • 求めている人物像に対して必要な情報(採用背景、組織のミッション、担当する業務内容の詳細、入社後のキャリア、教育体制など)を求人票へ落とし込むこと

回路設計

ここがポイント
  • 登録者数はやや減少。会社や製品の将来性に不安を感じて転職する方が多い
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比107%で増加。前年同期対比64%と減少が続いている
  • 年齢やスキルの適正化・幅広い母集団形成が重要。スキルを限定しない求人や幅広い年齢層向けの求人の検討も視野に入れる必要あり

回路設計の登録者動向

登録者詳細
回路設計の登録者動向(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

2020年9月から10月にかけ、登録者数が減少傾向となったが、11月から2021年1月まではほぼ横ばいと、戻ってきている。
モノづくりエンジニアの他職種の中でも、40代以降の登録者数が多い職種であり、登録者数全体の約3割を占める。主な転職理由としては「製品の将来性」「人手不足を背景にした業務過多」が多く、年齢が高くなるにつれ、その傾向が顕著に見られる。20代~30代前半の若手層は、「現職よりも良い環境があれば」と慎重に動いている方が多い。

回路設計の求人動向

求人マーケット動向
回路設計の求人マーケット動向(2021年2月)

対象: 2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

後期採用シーズンに入るこの時期、例年の取りこぼしや次年度に向けての採用により、求人数が増え始める。新型コロナウイルスの影響で出遅れてしまっていた企業も体制を確立し、採用を開始している印象。一方で、組織の若返りや、自社にない技術を求める即戦力の補充など、年齢や経験面で比較的要求の高い求人ニーズは引き続き高い。特に5G向けのスマートフォン部品や高周波部品設計を対象とした求人は採用継続しており、それに応じて今後アナログ回路設計の募集も再燃すると考えられる。

回路設計の採用成功POINT

面接ではより詳細な情報提供が成功のカギ。会社の安定性やマーケットの成長性をアピールすることがポイントとなる。採用難度の高いポジションであるため、有効求人倍率は変わらず高くなっている。スキルレベル・年齢に偏りは少なく、幅広い層の転職希望者がいることがマーケットの特徴。

  • 世間の状況もあり、「会社の安定性」を気にする転職希望者も多いため、取扱製品だけではなく事業戦略や企業の成長性を伝える工夫が必要
  • 育成を前提とした若手エンジニアの採用の検討も必要であり、求人票に入社時のフォローアップ研修や、OJTの詳細を記載することで意向醸成につながる
  • 転職回数が少なく、転職意欲がそこまで高まっていない登録者にも進んでアプローチするための採用手法や、口説きを前提とした選考を行うことで、有効母集団を形成することが必要

組み込み・制御設計

ここがポイント
  • 2020年11月~2021年1月の登録者数は、2020年8月~10月対比105%で増加。前年同期比76%と前年並みまでは回復しておらず、直近ほぼ横ばい
  • 引き続き、新規求人数は横ばいで推移
  • 柔軟なターゲット設定と採用手法の検討、転職希望者への情報提供の差別化がカギ

組み込み・制御設計の登録者動向

登録者詳細
組み込み・制御設計の登録者動向(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

引き続き、即戦力層へのオファーが集中している状況。各社のオファーが重なる即戦力層は、企業が提供する情報や働き方、リモートワーク実施可否などを吟味・重視し、応募先を厳選する傾向が益々高まってきている。

組み込み・制御設計の求人動向

求人マーケット動向
組み込み・制御設計の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

新型コロナウイルスの影響により、当初の採用計画の見直し・採用活動停止がなされ、前年同期比76%程度に留まった。
一部自動車業界企業の採用ストップにより、CASEなどを実現するための増員計画が軒並み減少したことが大きく影響している印象。また、景気の影響により、即戦力人材ニーズが強くなっている。20代後半~40代に至っては前年と比較しても採用難易度は変わらず高い状況。

組み込み・制御設計の採用成功POINT

上記の通り、募集するターゲットによっては母集団形成に苦戦するため、人材紹介以外の手法(転職フェア、求人広告、リアル型イベントなど)の利用でアプローチ先を広げる必要がある。
また、応募者の転職理由(比較的多いものは、先進的な技術開発に携わりたい・グローバルに活躍できるフィールドがある・企業安定性)に合わせた訴求を行う必要がある。

  • 募集が集中する中堅層以外のベテラン層の採用や、学歴不問など若手ポテンシャル採用も積極的に検討する
  • 事業の展望や期待するミッションの詳細など職務内容に興味を持たせる十分な情報提供が必要である
  • 経験がマッチする希少な応募者に対しては選考期間や面接回数を短縮し、選考途中の辞退を防ぐ
    (大手企業においても応募者に応じて土曜日面接を実施するなど採用手法を工夫する傾向あり)

品質管理(品質保証)

ここがポイント
  • 2020年11月~2021年1月の登録者数は、2020年8月~10月対比85%で減少。しかし、直近は回復傾向
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比103%で微増。前年同期比73%と前年並みまでは回復しておらず、直近ほぼ横ばい
  • 詳細な職務内容やミッション、ターゲットに合わせた訴求ポイントを明確化することが重要

品質管理(品質保証)の登録者動向

登録者詳細
品質管理(品質保証)の登録者動向(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

登録者属性を見ると、年齢別では41歳以上の割合が33%となり、引き続き、他のモノづくりエンジニア職種の中で最も高い傾向にある。また、最終学歴の割合では高卒・専門卒者が38%と、フィールドエンジニア職に次いで高いシェアとなっている。
転職理由としては、在籍企業の将来性への不安や早期退職制度の影響が多い。また、家庭の事情で年収や勤務地(転勤有無)などの条件優先度が高く、応募検討できる求人が限定的になっている方も多い印象。

品質管理(品質保証)の求人動向

求人マーケット動向
品質管理(品質保証)の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

新型コロナウイルスに起因した景気後退による採用計画見直しがひと段落してきており、今年度の業績を踏まえて来年度以降の動きを注視する必要がある。品質に関する、より高度な基準を求められる中で、品質管理、品質保証対応の求人は高水準を維持している状況。また、品質管理のみならず、設計・製造との連携を行い、積極的な改善や現場を指導できる人材など、主体的な品質エンジニアがより求められてきている。

品質管理(品質保証)の採用成功POINT

2021年1月と2020年10月を比較すると、求人数は微増となり、一方で転職希望者の登録者数はほぼ横ばいとなっており、採用競合が増えた分、採用難易度は上がってきている。
企業により部門の名称が異なることも多いため、まずは一般的な職種名称に合わせ求人を作成することが重要。各人のミッションや、業務範囲、組織構成などを明確化し、他社との差別化を図ることも必要である。
ターゲティングにおいては、40代以上の登録者数が約3分の1を占めるため、採用背景や今後の戦略とのマッチ度を重視してベテラン層の採用も積極的に検討したい。
若手の転職希望者は、働き方や給与条件はもちろんだが、長期的な観点で「キャリアステップ」を重視する方が多いため、その点も訴求すると効果的。
即戦力採用の場合は、その企業における「品質」の考え方や重要度、期待や任せたいことをアピールすることが魅力化につながる。

生産技術・プロセスエンジニア

ここがポイント
  • 2020年9月の登録者は増加したが、以降は横ばいで推移している
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比105%で増加。前年同期比71%と前年よりは減少しているが、回復傾向にある
  • 転職者や採用競合を意識した採用要件の最適化と選考スピードがポイント

生産技術・プロセスエンジニアの登録者動向

登録者詳細
生産技術・プロセスエンジニアの登録者詳細(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

下期に切り替わるタイミングで転職を検討していた登録者の動きが落ち着いたという印象。学歴別では高卒者の割合が4分の1を占めることから、特に学歴に左右されず、多様な経歴の登録者が就業していることがわかる。これは、いわゆる製造現場で実績を残した方が配置転換などで就業していることを意味している。
転職の理由としては、コロナ禍による業績悪化および将来性不安によるものが多い印象。

生産技術・プロセスエンジニアの求人動向

求人マーケット動向
生産技術・プロセスエンジニアの求人マーケット動向(2020年11月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

採用ニーズとしては、未経験者採用や第二新卒層を採用する求人もあるが、即戦力性を求めて、同業他社や30・40代の中堅~ベテラン層をターゲットとする求人の割合が高くなってきている。また、職種ニーズとしては、設備の代替、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、IoT化など、さまざまな背景でニーズはあるものの、設備自動化・省人化、IoT化、生産設備から得たデータの活用など、効率化・デジタル化に強い人材の求人が多くなっている。

生産技術・プロセスエンジニアの採用成功POINT

新型コロナウイルスの影響で景気の先行き不透明感が高まっていることから、将来性不安や自社の設備投資が縮小となり、経験の幅が限定されるといった転職理由が多くなっている。そのため、募集背景(設備の代替、既存設備の維持・補修、設備自動化・省人化、増産対応など)を明確にすることで希望が叶う環境であることをアピールすることがポイントである。また、未経験採用や第二新卒層を採用するポテンシャル採用から即戦力採用に切り替わっているため、採用競合を意識し、差別化を図ることも重要。
差別化を図るポイントとしては、「業務におけるやりがい」「どのような経験が積めるか」「残業時間や出張頻度などの働き方」などさまざまなポイントが挙げられるが、選考回数や選考期間の短縮、要件の緩和(40代以上の採用検討や高卒以上の採用検討など)など、スピードやターゲティングでの差別化が有効と考えられる。

フィールドエンジニア・カスタマーサポート

ここがポイント
  • 引き続き登録者数は回復傾向にあり。「安定志向・就業環境改善志向」がさらに強まっている印象
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比111%で増加。前年同期比65%と前年よりは減少しているが、回復傾向にある
  • 「働き方」「取り扱い製品」に加え、「企業の安定性」を訴求することで応募率UP。ブルーオーシャンを狙う攻めの採用戦略を

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者動向

登録者詳細
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの登録者詳細(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

新型コロナウイルスの影響からか、登録者数は減少傾向であったが、例年通り時期的影響から来期に向けて回復傾向。
年代別の割合を見ても、30歳以下が43%と若手の転職活動が依然活発。転職理由は、「夜勤や突発勤務」「残業時間」「広範囲での出張」などの改善が多い印象。
新型コロナウイルスの影響が及んでおり、業績悪化に伴い転職を検討する方も増え始めている印象。そのため、事業の将来性やワークライフバランスを訴求した求人に応募が集まっている印象が強い。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人動向

求人マーケット動向
フィールドエンジニア・カスタマーサポートの求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

2020年5月~7月の結果に引き続き、前年同期比で最も減少幅が大きい結果に。求人が減少している要因としては、新型コロナウイルスの影響が大きく、客先への訪問や客先からの問い合わせが減ったことで採用計画の見直しや、採用活動の停止があったためである。ただし、求人数は増加傾向にある。これは、コロナ禍で企業がどう経営していくかについて各社が練った上での「採用」が再開されたためである。現在募集中の求人の傾向としては、やはり「即戦力」の募集が多く、ポテンシャル採用ではなくスキルを持つ経験者向けの求人が多い。一方で、個人・法人側ともに手探りの中で進める転職・採用になるため、今まで以上に両者慎重に面接内で吟味している傾向がある。

フィールドエンジニア・カスタマーサポートの採用成功POINT

働き方を変えたい、もしくは、扱う製品を変えたいという転職理由が同職種の個人側ニーズであるが、新型コロナウイルスの影響で、企業に安定性を求める声も上がっている。求人票の魅力化の一環として、事業の方向性や経営状況なども開示できる範囲で記載したいところである。また、いかに他社と差別化し、入社後のサポート体制やコロナ禍における就業環境といった観点で企業情報を提供できるかも大きなポイントとなる。選考結果並びに早期日程調整のスピード感も重要。
昨今の状況下で即戦力採用を行う傾向は致し方ないとはいえ、レッドオーシャンの30代にこだわるのではなく、ブルーオーシャンの40代、50代にまで目を向けることも採用成功のカギとなる。さらに、母集団形成のためには、転職回数や学歴など、スキル以外の要件緩和も非常に有効。実際に他職種でも同様の動きをとっている求人が多い。
新しい生活様式がとなり、働き方も大きく変わりつつあるため、Web面接への切り替えは継続して行っていきたい。

研究開発(化学)

ここがポイント
  • 2020年11月以降、登録者数は増加傾向。新年度に向け転職活動が活発化
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比116%と増加。前年同期比84%と前年よりは減少しているが、回復傾向にある
  • (1)採用要件を詳細に擦り合わせ、ターゲットを明確化させること
    (2)転職希望者が求める情報を可能な限り求人票へ記載すること

研究開発(化学)の登録者動向

登録者詳細
研究開発(化学)の登録者詳細(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

減少傾向が続いていたが、2020年11月に底を打ち、12月から増加傾向になっている。登録者の内訳傾向は変わらず、30歳以下で51%と若手層の登録者が多く、学歴に関しては、大学院卒が54%、大卒が27%と大きな割合を占めている。
初めて転職する方(転職回数0回)が66%を占めており、求人に応募する際にはまず興味のあるものだけに絞るなど、転職活動の仕方が消極的になりがちである。しかし、転職を考えている方は増加しており、任期付き研究員など、年度末に向け転職をしなければならない方も増えてきていると考えられる。
また、新型コロナウイルスの影響が落ち着くまで転職を待つ考えの方もいたが、終息がなかなか見えない中で、転職活動に踏み切る動きが見られるようになってきている。
これまで難航しがちであった面接日程調整も、Web面接の導入が進み、以前よりスムーズになってきている。また、自宅で受けられるオンライン企業説明会やウェビナーなどのイベントを活用し、応募先の検討や選考対策を行う方も見受けられる。

研究開発(化学)の求人動向

求人マーケット動向
研究開発(化学)の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数は回復傾向にあり、直近3カ月対比で増加となった。しかし、前年同期対比では新型コロナウイルスの影響もあり、減少となっている。しかし、「ヘルスケア領域」「電池材料領域」「化学×ITといったデジタルトランスフォーメーション」に関する求人は大手・中堅など、会社の規模を問わず引き続き増加傾向にある。

研究開発(化学)の採用成功POINT

化学マーケットは求める経験・能力が限定的であることが多いため、他職種と比較し、募集要項を明確化させることが必須である。基本的には、転職意欲が高くない、志向性として慎重な方が多い傾向にあるため、採用背景、事業・部署のミッション、研究開発のテーマ、就業環境、キャリアステップ、社風などの詳細情報を記載する必要がある。また、地方に事業所を構えている企業も多く、面接調整に難航する傾向があるため、Web面接を積極的に取り入れ、柔軟に選考を進めることがポイント。

設計職(建築・土木)

ここがポイント
  • 2020年11月~2021年1月の登録者数は、2020年8月~10月対比87%と減少。建築の設計職の募集が限られ、買い手市場となっている
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比101%と横ばい。前年同期対比81%と前年よりは減少しているが、回復傾向にある
  • 他社との違い・自社の強みを明確に言語化して訴求し、転職マーケットの状況を踏まえ幅広く採用ターゲットを検討していくことが重要

設計職(建築・土木)の登録者動向

登録者詳細
設計職(建築・土木)の登録者詳細(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

直近2021年1月は増加したが、復調となるかはまだ様子見が必要。
転職理由としては、「休日出勤や残業時間を減らしたい」など就業環境の改善と、「別の用途に関わりたい」「設計スキルの向上」「上流工程に挑戦したい」などのキャリアアップ志向の二軸に大きく分かれ、直近では会社の将来性に不安を感じている方も増加している印象。
新型コロナウイルスの影響から、建築の設計職の募集が限られ、買い手市場となっている。一方、土木の設計職は依然として求人数が登録者に対して多く、売り手市場となっている。
採用方法については、在宅勤務の増加やWeb面接が普及したことにより、現職と並行しながら選考の調整をスムーズに進めることができるケースも増えてきている。

設計職(建築・土木)の求人動向

求人マーケット動向
設計職(建築・土木)の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

求人数については、2020年5月から回復し、増加傾向にある。中でも、公共事業分野(官公庁や自治体からの受注案件)や維持管理業務(ファシリティ会社など)が増加傾向。
新型コロナウイルスの影響で、工事の延期や中止、戸建てニーズの停滞を受け、大手・中小に関わらず一部ストップしていた採用が再開され始めている。
企業によっては、Web面接を活用しているが、ゼネコンなどにおいては導入が行えていない企業もまだまだ多いため、Web面接を実施することが応募促進につながる可能性がある。引き続き、一級建築士、監理技術者などの資格取得者の採用難易度は高く、シニア層の採用を進める企業も多い。
設計補助・CADオペレーター、アウトソース企業での設計経験などを少しでも経験したことのある人材を育成していく方針にシフトする企業が増加傾向。また、中途採用においては中堅のベテラン層のニーズが最も高く、各社求める人材が重複しており、求人倍率が高まる傾向にある。プラント設計などは特に採用難易度が高く、プラント業界未経験者でも積極的に採用していく企業が増えている。

設計職(建築・土木)の採用成功POINT

  • 採用競争率の高い職種となるので、自社の強みは何か、中途入社者は自社のどこに魅力を感じて入社しているのか、情報を棚卸しし、積極的に転職マーケットに訴求し自社の存在感を高める必要がある
  • 就業環境(残業や土日の出勤など)が転職理由に影響している転職希望者が多く、就業環境改善への取り組みや、休日、残業実態の明記も応募意思獲得に不可欠である
  • 各社有資格者の30代の即戦力ゾーンを求める傾向があり、求人倍率が非常に高い状態のため、20代もしくはシニア層の積極的な検討も必要である
  • 特に設計職の場合、ビジュアライズされた情報(物件の写真など)がある方が応募につながりやすく、自社HPの改修、求人広告の利用など多角的な採用手法も検討すべきである
  • 採用難易度の高さ・競合他社の動向を踏まえた上で、想定しているターゲットのスキル・資格・経験は本当に全て必要であるのか、どの要件を優先度高く定義するか、ターゲットのペルソナを整理し、再定義する。雇用形態、処遇条件のみならず、自社の業務内容はそのターゲットに魅力的に見えるのかなど、客観的な視点で考えることが重要
  • 本職種における応募者は、複数社で書類選考が通過しており、現職も多忙である候補者が多いため、Web面接の活用が有効である

施工管理(建築・土木)

ここがポイント
  • 2020年11月~2021年1月の登録者数は、2020年8月~10月対比89%と減少。30歳以下の若手層が引き続き活況
  • 2020年11月~2021年1月の求人数は、2020年8月~10月対比103%と微増。前年同期対比85%と前年よりは減少しているが、回復傾向にある
  • 施工管理の転職マーケットの過熱度合いと、自社の特徴・魅力を見極め、適切なターゲットに訴求することが重要

施工管理(建築・土木)の登録者動向

登録者詳細
施工管理(建築・土木)の登録者詳細(2021年2月)

※対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた方

11月、12月は減少が続くも、2021年1月には前月対比120%まで回復し、例年通り年度の切り替わりに向け、登録者も増加してきている状況。登録者層は大きく変わらず、30歳以下の若手層が57%と依然として活況。2度目の緊急事態宣言では1回目ほど就業に影響は出ておらず、依然として「残業時間」「休日出勤」など就業環境の改善を転職理由とする方が主となっている。その中でも若年層は特にキャリアチェンジを希望する方が多いものの、未経験求人が減少していることもあり、経験を活かした転職活動に切り替える方も増えている。

施工管理(建築・土木)の求人動向

求人マーケット動向
施工管理(建築・土木)の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

施工管理職は、全技術系職種の中でも引き続き最も求人数が多く、採用激戦区。新型コロナウイルスの影響により、一時微減傾向にあったものの、直近3カ月の求人数は前年同時期どほぼ同水準に戻っている。そのため、以前のように大手企業を含め全分野で、一級施工管理技士など、高位資格取得者の採用は特に難航を極めている。
未経験からの採用はコロナ禍前と比較して減少しつつあり、即戦力の採用を待つ動きもある。一方で、経験者採用における競争がより激しくなっているため、長期にわたり採用ができていない場合は、応募時の資格要件・必須要件の緩和を検討する必要がある。

施工管理(建築・土木)の採用成功POINT

  • 全技術系職種の中でも求人数が多いため、求人が目に留まりやすいよう、自社の強みは何か、どの点(働き方、案件内容・規模、技術力、スキルアップなど)を転職希望者に訴求していくのが良いか、しっかり言語化し、他社と差別化していく必要がある。特に就業環境は具体的な事例や、整えられている理由を整理し、転職希望者へ訴求することが重要
  • 経験者採用であれば、資格・スキル・経験年数を限定しない幅広い採用ターゲットを検討したい。資格取得者をターゲットとした採用はどこの会社も行っているため、即戦力性とマーケットの過熱度合いを考慮したターゲティングを取り入れるとより効果的な採用が見込める
  • 未経験者採用であれば工程管理、対人折衝、リーダーシップなどのポータブルスキルや、建築、電気などの知識面での素養を持っている層をターゲットとすることで、入社後キャッチアップがスムーズに進む可能性が高い。育成体制、今後のキャリアパスなど、入社後のイメージがつきやすい情報は訴求することが重要
  • ただ求人を出すだけではなく、エージェントに対し積極的に情報を提供していくこと、求人広告、ダイレクトソーシング、転職フェア、社員紹介・知人紹介など、あらゆる採用チャネルを活用し、母集団形成のため待つのではなく、攻めの採用姿勢をとることが重要
  • 面接は選考する、という視点のみならず、応募者の意向醸成の場であるという意識を持ち、面接官トレーニングや訴求すべき情報を精査し、限られた時間を有効活用できるよう準備をする。また、応募者は日中の面接調整が困難なことが多く、複数社で書類選考を通過しているケースがほとんどのため、業務時間外・休日を含めた柔軟な面接日程調整も必要

過去のレポート

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