企画・マーケティング部門の中途採用市場レポート(2021年2月発行)

2021年2月発行
職種別マーケットレポート

企画・マーケティング部門

企画・マーケティング部門中途採用マーケットレポートは、dodaに登録いただいた求人・登録者から、下記の職種の登録者動向・求人動向・採用ポイントをまとめたレポートです。
※該当職種:マーケティング・広報職、企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)

新型コロナウイルスの影響で大きく変動する転職市場
採用成功のカギは「採用要件適正化」「スピード」「意向醸成」

マーケット概況

2020年11月~2021年1月における企画・マーケティング部門の求人数は、2020年8月~10月対比で微増となっており、2020年2月以降の減少傾向からの回復がみられる。
登録者数は年末にかけて減少傾向にあったが、1月には、2回目の緊急事態宣言や新年度に向けての人事異動を考慮し、4月入社に向けての活動希望者が増加している。先行きが不透明な中においても、新型コロナウイルスの影響を強く受けている企業と、受けていない企業での二極化が顕著となっており、リーマンショック時を教訓に、採用を完全にストップさせるのではなく、組織拡大への増員、マネジメント体制強化、業務フロー再構築など、組織改善・強化に向けた動きを進める企業が多く見られ、企画層、マネジメント層の求人割合が増加傾向にある。
転職希望者側は、新型コロナウイルスの影響により、業績不振から退職を余儀なくされたり、希望退職などを検討する企業も増えていることから将来に不安を抱いたり、と今後の見通しが立たないことから転職活動を開始する方が増加している。先行き不透明な状況から「現職以上に良いところがあれば転職を考えたい」「よりキャリアを高められる環境への転職を考えたい」という慎重に転職を進めたい方の登録が多い。また、40代以上の優秀なスキルを持った方の登録も増加しているため、即戦力として採用を検討する企業も増加している。
コロナ禍での就業環境の変化を受け、リモートワーク可能な環境の企業を希望するなど、社会環境の変化に柔軟に対応できる企業を希望条件に挙げる方が増えている。リモート環境下でのWeb面接を活用し、これまでより多くの面接を受けることが可能となっており、転職活動においても企業側、転職希望者側ともに環境変化への柔軟な対応が引き続き求められている。

採用成功のポイント

ポイントは「採用要件適正化」「スピード」「意向醸成」
配属部門からの増員要請であがってくる採用要件には、任せたい業務内容に対してオーバースペックであるケースや、採用マーケットとのズレが生じているケースが多く見受けられる。募集時には現場と適切に採用要件をすりあわせ、採用マーケットを考慮した要件で進めていくことが採用成功のポイント。営業職や技術職と比べて対象となる母集団が小さく、継続的に採用候補者があがってくるという状態にはなりにくい。また、初回の母集団の中で内定に至らない場合は採用が長期化するケースが多い。
総じて、当該領域の採用に成功している企業に共通するポイントは以下3つ。

・募集を行うタイミングで、現場と適切な要件定義をする
・募集後の初回の母集団で、内定・入社まで進める「短期集中型」の選考を進める
・選考からオファー提示に至るまで、常に求職者の希望に沿う情報を提供する

また、Web面接導入により転職希望者の面接場所への移動コスト軽減され、面接を受けやすい状況下にあるため、採用熱度が高い場合には、Webを活用して面接機会を増やし採用検討していくことが採用成功のポイントになる。

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マーケティング・広報職

ここがポイント
  • 登録者属性の変化はほとんど見られず、依然として若手~ミドルの登録者が過半数を占めており、コロナ禍の転職市場を不安視しつつも年齢の観点からキャリアアップを目的とした転職ニーズが強い
  • 2020年6月以降、求人数は横ばい。引き続き、今後の景況感を慎重に見極めながら採用活動を検討している模様
  • Web面接を活用して選考スピードを上げ、他社と差別化した情報提供を行うことがカギ

マーケティング・広報職の登録者動向

登録者詳細
マーケティング・広報職の登録者詳細(2021年2月)

対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた転職希望者

年齢
35歳以下が62%と引き続き若手~ミドル層の登録者が過半数を占めている。同登録者層は転職せざるを得ない方に加えて、景況変化の不安は感じつつも「今よりも良い、安心できる環境」への転職欲求が引き続き高い。
職種
依然としてWebマーケティングの登録者が最も多い。一方、他職種(販売促進・PR、広報、広告宣伝、その他マーケティング)の登録者数も追随しており、大差がない状況。
志向性
以前より懸念していた社内の評価体系や組織構成上の問題によるキャリアアップの難しさに加え、コロナ禍における会社の先行き不安が相まって、転職を決断する若手~ミドル層が多い。裁量が大きい、実力主義などの環境下にて、短期間で成果を出すとともに、それに見合う待遇を希望する求職者が多い印象。

マーケティング・広報職の求人動向

求人マーケット動向
マーケティング・広報職の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

Webマーケティング、データ分析経験者などデジタル人材を求める採用ニーズは依然として強い。特に新型コロナウイルスの影響を強く受けたアパレルや小売などは、リアル店舗による販売からECビジネスへの移行・強化の動きが活発化しつつあり、同ビジネスモデルの知見が深い人材の確保に動いている傾向が見られる。
業界・職種問わず、昨今の景況感を受け、多くの企業が厳選採用にシフトしつつあり、より明確かつ具体的な要件定義をし、即戦力性の高い人材を採用しようとしている。
未経験ポテンシャル採用で一定期間人材を育てる覚悟を持っている企業にとっては採用競合がいなくなっているため、絶好の機会であるともいえる。

マーケティング・広報職の採用成功POINT

求職者の働き方に対する考え方・価値観の変化は顕著で、それに対してポジティブな対応・変革をしている会社なのかを見定める求職者が増加している。今後は、前述の背景や選考のスピード感という観点からも、積極的にWeb面接を導入していくとともに、入社後の働き方の柔軟性を訴求することが重要。他社と差別化し(例:在宅勤務がコロナ禍の緊急措置ではなく、恒久的な制度であること、など)、魅力的な人材の確保に努めていくことも大事なポイントとなる。加えて、経験者・ポテンシャル採用については以下もポイント。
≪経験者採用≫
コンサルティングファーム、広告代理店、事業会社の企画職などが採用競合となるため、競争率が非常に高い。経験者は依然引く手あまたで企業のブランド力や処遇、ポストをドライに見比べる傾向が非常に強い。条件(処遇だけでなく入社後に期待していることや仕事内容)や中長期のキャリアパスで頭一つ飛び抜けた何かを訴求できる求人にする、あるいは、一次面接内でその点の具体的な情報提供をすることで、明確な動機付けをすることが有効である。
≪ポテンシャル採用≫
最低限必要な素地(数値に強い、折衝能力があるなど)を社内で明確に定義し、適切な採用要件のもとで採用スピードを上げることがポイントとなる(選考回数、結果通知までの日数を減らす、など)。面接内で入社後のフォローアップ体制など、育成にも力を入れている背景を伝えることにより、他社との差別化を図ることも重要。加えて、同領域の登録者は転職活動が難航し自信を失っている方も多いため、面接内外で期待値や評価点をフィードバックし、意向醸成を図ることも有効である。

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)

ここがポイント
  • 緊急事態宣言前に比べ微増。平均年齢は高め。フラットに環境や条件面、カルチャーフィットを見極めるため、明確に特定企業を志望する方は希少
  • 新型コロナウイルスが事業に与える影響により、採用熱度が二極化
  • 母集団形成には、求人への具体的な落とし込みが重要となり、選考フェーズでは「選ばれる立場」としての視点をもった意向醸成アクションがカギとなる

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の登録者動向

登録者詳細
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の登録者詳細(2021年2月)

対象:2020年11月~2021年1月にdodaにご登録いただいた転職希望者

年齢
総合職として他部署を経験した後に企画職に配属されるケースがほとんどのため、年齢層はやや高めとなり、36歳以上の登録者が全体の46%を占める。
職種
割合では商品・サービス企画が36%、ついで事業企画新規事業開発が28%、経営企画と営業企画がそれぞれ18%。中でも、「DX推進」「M&A」「BPR」などの業務経験者は希少。
志向性
30代前半までの若手は「より裁量が持て挑戦できる組織へ」、30代中盤以降は「これまでの経験を活かし、新たな挑戦ができる組織へ」という希望で転職活動をするケースが多い。コロナ禍をきっかけに、現職の業績不安や業界の不安でエージェント利用する求職者は増えており、面接時への企業側からの将来ビジョンや今後の事業見通しの情報提供も意向醸成のポイントになっている。また、どの年齢層も企業を比較し選考を進めるケースが大半のため、年収などの条件はもちろん、求職者のキャリア観・志向性と企業のビジョン・カルチャーとのフィット感など、定性面も企業選びの決め手となっている。

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の求人動向

求人マーケット動向
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の求人マーケット動向(2021年2月)

対象:2020年8月~2021年1月にdodaにご登録いただいた求人件数と登録者数
※2020年8月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。

全般として新型コロナウイルスが事業に与える影響により、採用熱度が二極化している。ECやSaaSを中心としたインターネットサービスの企業は引き続き採用熱度が高い一方、マイナスの影響を受けている企業については採用計画の見直しも含め、採用に対して慎重になっている。各企業が経験者採用に重きを置いているため、未経験求人やポテンシャルを期待しての求人は減少。事業会社だけなく、コンサルティングファームを含め、採用枠が減少しているため、若手優秀層を対象とする求人がインターネット系企業に集中している傾向。
職種別では新規事業開発や企業の成長戦略をリードできる事業企画、サービス・商品企画のニーズが引き続き活況。営業企画では、解析ツールを活用するデータ分析スキルを求める求人や、BPRなどの業務プロセスを改善する求人のニーズが多い。また、SaaS型ビジネスが活況となっているため「カスタマーサクセス」や「BtoBマーケティング」などの要素を求める求人も増加傾向にある。経営企画では、M&A経験者、中期経営計画策定経験者の求人が引き続き多い。

企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)の採用成功POINT

転職で実現したいこととしてキャリアアップや、事業・サービスへ共感できるかを重視する求職者が多い。そのため、母集団形成の段階で求人への具体的な業務内容の落とし込みや企業としての魅力、入社後に携わるプロジェクト、将来のキャリアプランの記載が重要となる。また、コロナ禍の影響などにより、40代以上の求職者も増加している。
優秀な人材も多いため、採用熱度が高い場合には積極的に面接を実施し、コミュニケーションや人柄を見て検討する企業が増加傾向。選考フェーズでは、複数企業を比較し選考を進めるケースが大半のため、面接時に人柄・スキルの面の見極めはもちろんだが、一次面接の段階から対話を重ねていくことで「入社の必然性」を作り出していくことが重要。採用成功のためには「選ばれる立場」という意識を持った「採用力強化」がカギとなる。
具体的には、面接時から組織の課題感や任せたいミッションを応募者へ明確に伝え、入社後のイメージをより具体化してもらう。また、面接時や面接後に詳細な評価ポイントをフィードバックする。このようなアクションから、他の選考企業と差別化し、応募者に「入社の必然性」を感じてもらうことが重要。

過去のレポート

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