2025.05.30
中途採用のキホン
事業拡大をしていくにも採用活動は重要な鍵となります。しかし、想定通りの採用活動が常に進められるわけではなく、人材の採用が難航することも少なくありません。自社に合う人材を効率的に採用するには、現状を分析した上で適切に対処する必要があります。
本記事では、採用活動がうまくいかない原因と対策方法を紹介します。現状の課題を改善するための参考としてください。
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人材をうまく採用できない外部的な要因
企業が人材をうまく採用できないことには、さまざまな要因が絡んでいます。ここでは、主な3つの外部的要因を紹介します。
少子高齢化が進んでいる
まず挙げられる要因は、少子高齢化の深刻化です。日本は、少子高齢化の加速に伴って、15~64歳の生産年齢人口が減少傾向にあります。
そのため、企業は限られた転職希望者の中から、自社の希望に合う人材を採用しなければなりません。生産年齢人口とともに転職希望者の母数が減っていることで、採用要件に合致した人材を採用できずに、採用活動が難航するという結果に陥ってしまうのです。
(参照:内閣府『令和6年版 高齢社会白書(全体版)(PDF版)』)
キャリアの選択肢が増えている
近年では、転職希望者が希望するキャリアが多様化しており、フルリモートやフレックス制、時短勤務といった、柔軟なはたらき方が求められています。例えば、自社が求める人材がフルリモートでの勤務を希望していた場合、企業側でその制度が整っていなければ、応募先から外されてしまうでしょう。
そのほか、起業や副業、フリーランスといったキャリアの多様化も進んでおり、企業勤めを希望する人材の数がさらに少なくなることが考えられます。結果的に、企業が求める人材に出会える確率も低くなる可能性があるわけです。より多くの人材から応募が集まるように、柔軟なはたらき方を提供するための社内体制の整備が必要です。
企業の採用ニーズが増えている
生産年齢人口の減少に伴い、企業側の採用ニーズは増加傾向にあるといえます。あらゆる企業が採用活動に力を入れているため、競合他社と差別化できなければ応募が他社に流れてしまい、自社の希望に合う人材を採用できません。
採用の競合が増える中で要件に合う人材を採用するためには、給与や福利厚生などの労働条件が、他社と比べてかけ離れていないかどうかを確認しましょう。大きな差があるのであれば、競合他社と同水準、あるいはそれ以上の水準になるよう可能な限り調整する必要があります。
企業の採用ニーズが拡大する状況でも、自社の魅力を最大限に伝えられるような求人票の作成を心がけたいところです。
人材をうまく採用できない内部的な要因
人材の採用が難航する背景にはさまざまな外部的要因が考えられるのと同時に、内部的要因が潜んでいるケースもあります。外部的要因は企業側の力でどうにかなるものではありませんが、内部的要因であれば対策を立てることが可能です。
以下に挙げる6つの要因から、自社の状況に該当しているものがないか確認してみてください。
採用計画が適切でない
企業の採用活動の軸となる採用計画が適切に立てられていない場合、採用活動はうまくいかない可能性があります。明確でない採用計画では、採用活動を始めても軸が定まっていないことで、希望に合う人材の採用に至らないリスクがあるためです。
採用計画を立てる際は、スケジュールや採用人数、人材に求めるスキルなどを事業計画に基づいて明確に定めましょう。
求める人材像が明確になっていない
企業として求める人材が明確に定められていない、人事と募集部門で擦り合わせられていないと、転職希望者から応募がきても適切な人材なのかを見極められません。また、経営層と現場の間で採用基準にギャップが生まれ、ミスマッチな採用で入社後の早期離職につながる可能性もあります。
採用計画通りに希望する人材を採用できるよう、経営層と現場で自社が求める人材像を明確にし、効率的な採用活動を実施しましょう。
採用手法が適切でない
現状として選択している採用手法が、自社が求める人材の採用には適切でないケースも考えられます。
近年は、求人広告や人材紹介サービスなどの方法だけでなく、ソーシャルリクルーティングやダイレクト・ソーシングといった新たな手法も主流になりつつあります。そのため、数ある採用手法の中から、自社に合う手法を選ばなければなりません。
全ての採用手法にはメリット・デメリットがあるため、必ず採用につながると断言できる手法はありません。しかし、現在の採用手法が自社に合っていないのであれば、求める人材像に合う手法への早急な変更が賢明です。
競合他社との差別化ができていない
採用活動にあたっては、競合他社と差別化を図れていないだけで、人材を採用できないリスクが生まれます。特に知名度が高くない企業は、企業名ではない部分で転職希望者が魅力に感じるような、自社の強みを押し出した採用活動が必要です。
競合他社と同様の手法で採用計画通りに進むほど、企業の採用活動は簡単ではありません。転職希望者に押し出す情報を明確にした上で、それを落とし込んだ採用活動を実施しましょう。
募集要項の内容がわかりにくい
入れたい情報を単に盛り込んだだけの募集要項では、転職希望者からの応募につながりません。内容をきちんと精査し、記載すべき項目をわかりやすくまとめる必要があります。
募集要項に記載する情報は、「必ず記載しなければならない項目」と「記載が望ましい項目」の2つに分けられます。それぞれの詳細を、以下の表にまとめました。
募集要項に記載する項目
必ず記載しなければならない項目 | 記載が望ましい項目 |
---|---|
●職種 ●業務内容 ●契約期間 ●試用期間 ●就業場所 ●就業時間、休憩時間、休日・時間外労働 ●給与 ●加入保険 ●募集者の氏名または名称 ●その他 |
●スキルや経験 ●福利厚生や教育制度 ●求める人材像 ●職場の雰囲気 ●その他 |
なお、上記とは別に、労働基準法や男女雇用機会均等法、また職業安定法などで、記載を避けるべき項目として定められているものもあります。
企業のイメージダウンや法令への抵触を避けることはもちろん、自社の魅力を端的にアピールするためにも、転職希望者に伝わりやすい募集要項を作成しましょう。
面接官のスキルが足りない
面接官としてのスキルが不足している状態で面接を実施すると、会社全体への悪い印象を持たれる恐れがあります。
例えば、面接時に会社説明が不十分であったり、高圧的な態度を取っていたりすると、転職希望者の志望意欲は当然下がってしまいます。近年はSNSの普及により、転職希望者が体験した内容が、インターネット上に悪評として公開されることも少なくありません。その結果、選考が進んでいた人材が辞退する、または応募数が減少するといった事態に陥るリスクも考えられます。
効率的な採用活動を実施するためにも、直近の採用がうまく進行できていないときには、面接官のスキルの見直しやスキルアップを図りましょう。
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人材をうまく採用できないときに行うべき対策方法
自社が求める人材を採用できていない際には、外部的要因と内部的要因のいずれかに原因があることがわかりました。採用要件に合う人材の採用をスムーズに行うためにも、以下で紹介する7つの対策を講じてみてください。
求める人材像を明確にする
採用活動がうまく進んでいないときには、自社が求める人材像を見直し、より明確にしましょう。募集部門と人事・採用担当者で人材像にずれがある場合は、結果的に採用活動が頓挫する可能性があります。
人材像を見直す際は、企業の経営戦略にのっとり、必要なスキルや能力、要件などを割り出します。その際は、人事・採用担当者だけでなく、現場の社員からの意見も吸い上げて策定することをお勧めします。採用後に「もっと○○な人材を採用してほしかった」という、現場からの不満が生じることを防ぐためです。
自社が希望する人材をスムーズに採用するためにも、「自社が必要としているのはどのような人材か」という観点で、入念に擦り合わせた上で人材像を明確化しましょう。
採用基準を見直す
採用基準が明確でなければ、採用活動全体にかかる費用がかさむ、あるいは採用した人材の早期離職によって費用が無駄になってしまう恐れがあります。適切な費用で自社が求める人材を採用するためには、採用基準の見直しが有効です。
採用基準の見直しにあたっては、採用市場の現状を改めてリサーチし、人材の配属予定部署が必要としている人材の特徴を明確にしましょう。その際、人事・採用担当者の中で認識を統一できるよう、できる限り具体的にヒアリングすることが望ましいです。
なお、採用基準を見直す際は、転職希望者本人の能力や適性に関係ない事項を設けることは避けましょう。
関連記事:採用基準とは?設定方法や見直すポイント、注意点を解説
採用手法を見直す
採用力の強化を目指すには、人材像や採用基準と同じく採用手法も再検討したいところです。自社が求める人材の属性とマッチしている採用手法でなければ、想定している成果が得られないためです。
例えば、より多くの人材へリーチできる求人広告や、経験スキルのマッチした人材を紹介する人材紹介サービスなど特徴は異なります。ほかにもさまざまな採用手法があるため、各手法の特徴や利点などを確認した上で、自社に合う方法を模索しましょう。
「これまでと同じ方法だから」という理由だけで同じ採用手法を選択し続けることは賢明ではありません。自社が求める人材像や採用基準を基に、最適な手法を選ぶことが重要です。
関連記事:【採用手法一覧】中途採用に役立つ採用手法の種類や比較などを総まとめ
自社の認知度を上げる
転職希望者からの応募数を増加させ、採用要件に合う人材からの応募を目指すには、自社の魅力やブランド力を高める「採用ブランディング」を実施しましょう。自社の経営理念や社風、企業文化などをスカウトメールやSNSなどで発信することで、転職希望者からのイメージアップが期待できます。
企業の認知度を上げることは、昨今の採用活動で非常に重要な施策となっています。たとえ認知度が低かったとしても、採用ブランディングによって転職希望者の興味を惹くことができれば、応募してもらえる可能性は高まるでしょう。
競合他社との差別化を図る
売り手市場の昨今は、限られた転職希望者に対してあらゆる企業が採用のためにアピールしています。せっかく出会えた人材が競合他社に流れてしまわないよう、競合相手をきちんと分析した上で、差別化を図ることが重要です。
他社を分析する際は、福利厚生や年収帯、仕事内容や企業文化といった点に着目した情報収集を行いましょう。これらの点が、転職希望者の入社決定理由となる傾向にあるためです。
競合他社を細かく分析したあとは、転職希望者への訴求ポイントを絞るために自社の強みと弱みを具体的にしましょう。競合相手と差別化できる内容が見つかると、より効果的なアプローチが図れるはずです。
採用活動に割くリソースを増やす
人材の採用が計画通りに進んでいない場合には、採用体制の強化も視野に入れてみてください。
生産年齢人口の減少に伴い、採用競争の激化が続く転職市場では、競合他社よりも素早い対応が求められます。転職希望者からの連絡に対するレスポンスや、合否連絡などを可能な限り迅速に行うことで、採用要件に合う人材を採用できる可能性が高まります。
このような対応を実現するために、採用活動のリソースを増やす必要があるのです。面接の日程調整や選考結果などは即日で対応し、競合他社に負けないスピード感で、自社が求める人材の採用につなげましょう。
関連記事:採用活動とは?企業側における成功ポイントや採用トレンドをご紹介
採用コンサルティングや採用代行を利用する
求める人材を採用するにあたって、現状を打開したいものの社内にノウハウがない、あるいはリソースが足りない企業には、採用コンサルティングや採用代行の利用がお勧めです。
採用コンサルティングは、企業の採用活動に対する課題解決をサポートするためのサービスです。採用市場のトレンドや競合他社の採用状況を押さえた、人材採用に関するノウハウを提供してもらえます。
ノウハウを提供してもらえる採用コンサルティングとは違い、採用活動を企業に代わって行ってくれるサービスが採用代行です。採用代行を導入すれば、採用活動に伴う業務を代行してもらえるので、人事・採用担当者の負担を削減できます。
自社にノウハウを蓄積しつつ、社内の工数を削減したいのであれば採用コンサルティングが、リソース不足で採用活動に手が回らないのであれば採用代行がお勧めです。いずれも採用活動のプロの知見を借りられる方法なので、自社の状況に合うものを選択してみてください。
【関連記事】
採用コンサルティングとは?サービス内容やメリットも紹介
RPOとは?依頼できる業務やメリット・デメリットとともに解説
採用手法の選び方
最後に、自社の要件に合う人材を採用するための、手法の選び方をご紹介します。
求める人材に合わせる
採用手法を選択する際は、明確化した人材像に当てはめることが重要です。
例えば、役員クラスの人材を求めている場合は、転職市場にはあまり存在しないため、ダイレクト・ソーシングやヘッドハンティングといった採用手法が有効です。
自社が求める転職希望者の層に合わせて、適切な採用手法を選びましょう。
費用や採用計画に合わせる
採用手法は、採用活動全体にかけられる費用や採用計画と照らし合わせて選ぶことも大切です。自社の状況に合っている採用手法であっても、予算内に抑えられない、また採用計画を達成できそうになければ、適切な手法とはいえません。
人材の採用にはさまざまな手法があり、プランや特徴などが異なります。それぞれの採用活動の予算や計画に沿う手法を適切に判断できるよう、まずは各採用手法の特徴を調べることから始めてみてください。
過去の採用データを活用する
社内に蓄積された過去の採用データを用いることでも、適切な採用手法を選択できます。
成功事例があればそれに従えば問題ありませんが、失敗事例しかない場合もあるでしょう。そのような場合は、過去に失敗した原因を避ければ問題ありません。
成功事例と失敗事例のいずれを活用する場合でも、必ず「なぜ成功・失敗したのか」という要因分析を行うことは必須です。その分析を基に、同じ手法が通用するのか、またほかの手法を選択したほうが良いのかを判断しましょう。
人材をうまく採用できていない場合は、内部的要因の改善を図ろう
今回は、企業が採用できない理由について詳しく解説しました。
採用活動が予定通りに進んでいない場合の理由は、外部的要因と内部的要因の2つに大別できます。少子高齢化の加速やキャリアの多様化といった外部的要因は、企業側で対処できるものではありません。しかし、採用計画や人材像が不明瞭である、また適切な採用手法でない、といった内部的要因が理由であれば、対策を講じることは可能です。
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